造影CTで最優先すべき注意点
看護師国家試験 第107回 午後 第43問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 疾病に対する医療
国試問題にチャレンジ
造影CTの際に最も注意が必要なのはどれか。
- 1.閉所に対する恐怖がある患者
- 2.気管支喘息( bronchial asthma )の既往がある患者
- 3.ペースメーカーを装着している患者
- 4.既往に上部消化管造影検査後の腹痛がある患者
対話形式の解説
博士
造影CTの副作用について一緒に見ていこうかの。
サクラ
造影剤はヨード系でしたよね。
博士
その通り。イオパミロンなど非イオン性ヨード造影剤が主流じゃ。
サクラ
閉所恐怖のある方への配慮は必要ないんでしょうか。
博士
もちろん配慮は必要じゃが、CTは検査時間が短くMRIほど閉塞感は強くないのう。最優先ではない。
サクラ
では最も警戒すべきは何ですか。
博士
気管支喘息の既往じゃ。喘息患者は造影剤アナフィラキシーの発生率が約10倍と報告されておる。
サクラ
そんなに違うんですね。具体的にはどんな症状が出ますか。
博士
咽頭浮腫、呼吸困難、血圧低下、意識消失などじゃ。静注後すぐに出現することもあるぞ。
サクラ
観察のポイントは何でしょう。
博士
顔色、喘鳴、咳嗽、あくび、冷汗などのサインを見逃さんことじゃ。
サクラ
ペースメーカー装着はどうですか。
博士
CTで一部機種に影響が出る報告はあるが、頻度は低い。緊急性は喘息より低いのう。
サクラ
上部消化管造影後の腹痛は関係ありますか。
博士
バリウムとヨード造影剤は別物じゃから、直接的なリスク因子にはならんぞ。
サクラ
禁忌事項も整理しておきたいです。
博士
ヨードアレルギー、甲状腺機能亢進症、重度腎障害、メトホルミン服用中などは特に注意が必要じゃな。
POINT
造影CTにおける最大のリスクはヨード造影剤によるアナフィラキシーショックで、気管支喘息の既往はその発生率を約10倍に高めます。検査前の問診ではアレルギー歴、喘息、腎機能、甲状腺疾患、服用薬を確認し、投与中および投与後の観察体制を整えます。ショック徴候を早期に捉え、救急対応ができる準備が看護の要点です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:造影CTの際に最も注意が必要なのはどれか。
解説:正解は2です。気管支喘息の既往がある患者はヨード造影剤に対するアナフィラキシー発生率が健常者の約10倍とされており、最も慎重な対応が求められます。
選択肢考察
-
× 1. 閉所に対する恐怖がある患者
CTはMRIに比べてガントリ内の滞在時間が短く開口部も広いため、閉所恐怖への配慮は必要ですが生命に関わる最優先事項ではありません。
-
○ 2. 気管支喘息( bronchial asthma )の既往がある患者
アレルギー素因を有する喘息患者はヨード造影剤でアナフィラキシーショックを起こす危険が非アレルギー者の約10倍とされ、原則禁忌に該当します。
-
× 3. ペースメーカーを装着している患者
CTの被曝により一部の機種で設定変更が生じる可能性は指摘されていますが、頻度は低く造影剤によるアナフィラキシーほどの緊急性はありません。
-
× 4. 既往に上部消化管造影検査後の腹痛がある患者
上部消化管造影で使用するバリウムと造影CTで使うヨード造影剤は別物であり、過去の腹痛が造影CTの副作用リスクを直接高めるわけではありません。
ヨード造影剤の禁忌にはヨードアレルギー、重篤な甲状腺疾患、重度腎障害、ビグアナイド系糖尿病薬服用中などがあります。原則禁忌には気管支喘息、心疾患、脱水などが該当し、投与時は救急カートの準備と投与後の観察体制を整えます。咽頭浮腫、血圧低下、皮膚症状などのショック徴候の早期発見が鍵となります。
造影CTでは気管支喘息の既往がアナフィラキシーリスク最大の因子であり、投与前問診と投与中後の観察が最優先事項です。
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