乳児の1日水分必要量を覚えよう
看護師国家試験 第105回 午後 第51問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達
国試問題にチャレンジ
乳児が1日に必要とする体重1kg当たりの水分量はどれか。
- 1.80mL
- 2.100mL
- 3.150mL
- 4.180mL
対話形式の解説
博士
今日は乳児が1日に必要とする水分量の話じゃ。小児看護の基本中の基本じゃぞ。
サクラ
博士、乳児って何歳までですか?
博士
生後1か月から1歳未満までを乳児というのじゃ。新生児期が終わってからの1年間じゃな。
サクラ
その乳児が1日に必要な水分量はどれくらいですか?
博士
体重1kg当たり約150mL/日じゃ。正解は選択肢3じゃぞ。
サクラ
成人と比べるとかなり多いですね。
博士
成人は30〜40mL/kg/日じゃから、乳児は3〜5倍の水分を必要とするのじゃ。
サクラ
なぜそんなに多く必要なんですか?
博士
理由は4つじゃ。1つ目は体表面積が体重に対して大きく不感蒸泄が多い。2つ目は腎機能が未熟で尿濃縮力が低い。3つ目は代謝が活発。4つ目は体水分量の割合が70〜80%と成人より高いことじゃ。
サクラ
年齢ごとの目安も教えてください。
博士
新生児約60〜150mL/kg、乳児約120〜150mL/kg、幼児約80〜100mL/kg、学童約60〜80mL/kg、成人約30〜40mL/kgじゃ。成長に伴い徐々に減っていくのじゃな。
サクラ
選択肢1『80mL』は学童ですね。
博士
その通り。6〜12歳の学童期の目安じゃ。
サクラ
選択肢2『100mL』は?
博士
幼児期1〜6歳の目安じゃ。乳児期を過ぎると水分必要量が下がる。
サクラ
選択肢4『180mL』は?
博士
標準的な乳児の必要量を超える値で該当せぬ。
サクラ
乳児が脱水しやすい理由を教えてください。
博士
体水分比率が高く細胞外液割合も大きい、腎の尿濃縮力が未熟、不感蒸泄が多い、自分で水分摂取を訴えにくい、といった特徴から脱水に陥りやすく進行も速いのじゃ。
サクラ
脱水徴候はどう観察すればいいですか?
博士
大泉門の陥凹、皮膚ツルゴール低下、尿量減少、活気低下、涙が出ない、口腔粘膜乾燥じゃ。これらを総合的に見るのじゃ。
サクラ
覚え方のコツはありますか?
博士
『乳児150、幼児100、学童80』と語呂で覚えるのじゃ。年齢が上がるにつれ減ることを意識すれば忘れぬぞ。
POINT
乳児の1日水分必要量は体重1kg当たり約150mLで、成人の3〜5倍にあたります。体表面積が大きく不感蒸泄が多い、腎機能未熟、代謝活発、体水分比率が高いなどの特徴から脱水に陥りやすいため、水分管理は小児看護の重要課題です。年齢別の目安(新生児60〜150、乳児120〜150、幼児80〜100、学童60〜80mL/kg/日)を押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:乳児が1日に必要とする体重1kg当たりの水分量はどれか。
解説:正解は 3 です。乳児(生後1か月〜1歳未満)が1日に必要とする体重1kg当たりの水分量は約150mLとされています。乳児は成人に比べて体重当たりの体表面積が大きく不感蒸泄が多い、腎機能が未熟で尿濃縮力が低い、代謝が活発、体水分量の割合が高い(約70〜80%)などの理由から、成人(約30〜40mL/kg/日)の約3〜5倍の水分を必要とします。水分不足は急速に脱水を招くため、乳児の水分管理は看護の重要項目です。
選択肢考察
-
× 1. 80mL
体重1kg当たり80mL/日は学童期(6〜12歳)の水分必要量の目安です。成長に伴って代謝が落ち着き、腎機能が成熟するため、乳児期より少なくて済みます。
-
× 2. 100mL
体重1kg当たり100mL/日は幼児期(1〜6歳)の水分必要量の目安です。乳児期を過ぎて活動量が増えるものの、体重当たりの水分必要量は徐々に減少します。
-
○ 3. 150mL
体重1kg当たり150mL/日は乳児期(1か月〜1歳未満)の水分必要量の目安です。体表面積が大きく不感蒸泄が多い、腎の尿濃縮力未熟、代謝亢進などの特徴から成人の3〜5倍の水分を必要とします。
-
× 4. 180mL
180mL/kg/日は乳児の必要量を超え、一般的な基準値には該当しません。ただし新生児期には上限値として150〜200mL近くを要する場合もあるため混乱しやすいですが、標準的な乳児期の目安としては150mLが最も適切です。
各年齢区分の1日水分必要量の目安は、新生児約60〜150mL/kg、乳児約120〜150mL/kg、幼児約80〜100mL/kg、学童約60〜80mL/kg、成人約30〜40mL/kgです。乳児は体水分比率が約70〜80%と高く、特に細胞外液比率が成人より大きいため、脱水に陥りやすく症状進行も速い特徴があります。脱水徴候として大泉門の陥凹、皮膚ツルゴール低下、尿量減少、活気低下、涙が出ないなどを観察します。
乳児の水分必要量を問う基本問題です。小児の発達段階別の水分必要量と、乳児が脱水に陥りやすい理由の理解が焦点です。
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