StudyNurse

乳児の心拍60は要注意!年齢別バイタルサインを整理しよう

看護師国家試験 第109回 午後 第58問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第58問

乳児の安静時におけるバイタルサインで基準値から逸脱しているのはどれか。

  1. 1.体温 37.0 ℃
  2. 2.呼吸数 35 /分
  3. 3.心拍数 60 /分
  4. 4.血圧 88 / 60 mmHg

対話形式の解説

博士 博士

今日は小児のバイタルサインじゃ。乳児で基準値から逸脱しているのはどれかね。

アユム アユム

体温37.0℃は…普通ですよね。呼吸数35回/分もなんとなく多そうですが乳児ならありえる気がします。心拍60回/分?これは成人だと普通ですが…

博士 博士

そう、まさにそこがポイントじゃ。正解は3の心拍数60回/分。乳児では明らかな徐脈なのじゃ。

アユム アユム

乳児の心拍数はどれくらいが普通ですか?

博士 博士

おおむね110〜130回/分。新生児ならさらに高く120〜160回/分。成長とともに下がっていき、幼児で90〜120、学童で80〜100、大人で60〜80くらいじゃ。

アユム アユム

年齢で基準がかなり違うんですね。覚え方はありますか?

博士 博士

「小さいほど速い」と覚えるのじゃ。体が小さく1回の心拍で送れる血液量が少ないから、回数でカバーしている。呼吸数も同じ理屈で、新生児は40〜60回、乳児30〜40回、幼児25〜30回、学童20〜25回と徐々に減る。

アユム アユム

血圧も同じですか?

博士 博士

血圧は逆で年齢とともに「上がる」傾向じゃ。新生児で60〜80、乳児で80〜90、学童で100くらい、と段階的に上昇する。88/60mmHgは乳児では基準内じゃな。

アユム アユム

乳児の心拍60回というのはどれほど危険なんですか?

博士 博士

非常に危険じゃ。小児では徐脈は心停止の前兆とされる。PALSでは心拍60回/分未満かつ循環不全があれば胸骨圧迫適応じゃ。

アユム アユム

原因として何が考えられますか?

博士 博士

低酸素血症、頭蓋内圧亢進、先天性心疾患のブロック、迷走神経反射、薬剤など。まず気道・呼吸を確保し酸素化を改善するのが第一じゃ。

アユム アユム

体温37.0℃は発熱にはあたらないんですね。

博士 博士

乳児の基準は36.5〜37.5℃。体温調節が未熟で環境に左右されやすいから、衣服や室温での変動も大きい。

アユム アユム

呼吸数35回は?

博士 博士

乳児では基準内じゃ。乳児は肋骨が水平で呼吸筋が未熟なため腹式呼吸で速い呼吸をする。呼吸窮迫のサインは呼吸数だけでなく、陥没呼吸、鼻翼呼吸、シーソー呼吸、呻吟などの随伴所見を総合的に見る必要がある。

アユム アユム

年齢別の正常値と危険な値を対で覚えるのが大事ですね。

博士 博士

そうじゃ。小児看護では「成人と違う」という感覚がまず命を救う鍵になるのじゃ。

POINT

乳児期の安静時バイタルサインは体温36.5〜37.5℃、呼吸数30〜40回/分、心拍数110〜130回/分、血圧80〜90/60mmHg前後が基準値です。本問では心拍数60回/分が明らかな徐脈で基準から逸脱しており、低酸素血症・頭蓋内圧亢進・先天性心疾患などの重篤な病態を疑います。小児においては徐脈は心停止の前兆であり、PALSでも心拍60回/分未満かつ循環不全があれば胸骨圧迫が適応となる極めて重要な閾値です。成人との大きな違いとして、年齢が小さいほど心拍・呼吸は速く血圧は低い傾向にあり、年齢別基準を整理して覚えることが小児看護の第一歩となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:乳児の安静時におけるバイタルサインで基準値から逸脱しているのはどれか。

解説:正解は3の心拍数60/分である。乳児期(1か月〜1歳未満)の安静時バイタルサインの基準値はおおむね体温36.5〜37.5℃、呼吸数30〜40回/分、心拍数110〜130回/分(教科書により100〜160回/分など幅はあるが概ね120前後)、血圧80〜90/60mmHg前後とされている。心拍数60回/分は成人や学童期以上ではほぼ基準内だが、乳児では明らかな徐脈であり、低酸素血症・頭蓋内圧亢進・先天性心疾患・迷走神経反射・薬剤性などの重篤な病態を疑う必要がある。小児ではとくに徐脈は心停止の前兆となりうるため、即座に原因検索と酸素投与・気道確保などの初期対応が必要である。

選択肢考察

  1. × 1.  体温 37.0 ℃

    乳児の体温基準は36.5〜37.5℃。37.0℃は基準値内で発熱とはいえない。乳児は体温調節機能が未熟で環境温に影響されやすい点も押さえておく。

  2. × 2.  呼吸数 35 /分

    乳児の呼吸数は30〜40回/分程度で、35回/分は基準値内。乳児は横隔膜優位の腹式呼吸で、呼吸筋が未熟なため頻呼吸になりやすい。

  3. 3.  心拍数 60 /分

    乳児の心拍数は概ね110〜130回/分。60回/分は明らかな徐脈で、低酸素・頭蓋内圧亢進・先天性心疾患など重大な異常を示唆し緊急対応が必要。

  4. × 4.  血圧 88 / 60 mmHg

    乳児の血圧は収縮期80〜90mmHg、拡張期60mmHg前後で、88/60は基準内。小児は年齢が上がるにつれ血圧も上昇していく。

小児のバイタルサイン基準値は年齢ごとに大きく異なる。新生児は心拍120〜160回/分・呼吸40〜60回/分、乳児は心拍110〜130回/分・呼吸30〜40回/分、幼児は心拍90〜120回/分・呼吸25〜30回/分、学童は心拍80〜100回/分・呼吸20〜25回/分と、年齢とともに心拍・呼吸数が低下していく。小児救急でのPALSでは心拍60回/分未満+循環不全所見で胸骨圧迫適応となる点が特に重要。正常値だけでなく「この年齢でこの値は危険」と即判断できるよう整理しておく。

乳児の心拍数は110〜130回/分が基準で、60回/分は徐脈で緊急病態のサイン。小児では徐脈=心停止の前兆という意識が重要。