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大泉門で読み解く赤ちゃんの健康:閉鎖と膨隆・陥没の意味

看護師国家試験 第109回 午前 第57問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第57問

大泉門の説明で正しいのはどれか。

  1. 1.2 歳まで増大する。
  2. 2.陥没している場合は髄膜炎( meningitis )を疑う。
  3. 3.閉鎖が早すぎる場合は小頭症( microcephaly )を疑う。
  4. 4.頭頂骨と後頭骨に囲まれた部分である。

対話形式の解説

博士 博士

今回は大泉門について学ぶぞ。乳児のフィジカルアセスメントで非常に重要な部位じゃ。

サクラ サクラ

大泉門ってどこにあるんでしたっけ?

博士 博士

頭頂部、前頭骨と頭頂骨に囲まれた菱形の膜性部位じゃ。ダイヤモンドのような四角形が目印。

サクラ サクラ

小泉門との違いは?

博士 博士

小泉門は頭頂骨と後頭骨に囲まれた三角形の部位で、生後1〜2か月には閉じる。一方の大泉門は生後1年〜1年半で閉鎖するのが一般的じゃ。

サクラ サクラ

なぜ新生児にこんな隙間があるんでしょう。

博士 博士

分娩時に頭を変形させて産道を通過させるため、そして脳の急速な発育に合わせて頭囲を拡大させるためじゃ。

サクラ サクラ

膨隆と陥没にはそれぞれ意味があるんですよね。

博士 博士

そう。膨隆は頭蓋内圧亢進のサインで、髄膜炎・水頭症・脳腫瘍・硬膜下血腫などで見られる。陥没は脱水の重要所見じゃ。

サクラ サクラ

選択肢2の「陥没=髄膜炎」は逆ですね。

博士 博士

その通り。陥没=脱水、膨隆=髄膜炎をはじめとする頭蓋内圧亢進と覚えよう。

サクラ サクラ

1の「2歳まで増大」はどうですか?

博士 博士

生後2〜3か月までわずかに大きくなるが、以降は縮小して1〜1.5歳で閉じる。2歳まで増大はしない。

サクラ サクラ

4の「頭頂骨と後頭骨」は小泉門の説明ですね。

博士 博士

正解。大泉門は前頭骨と頭頂骨の間じゃ。

サクラ サクラ

3の「早期閉鎖=小頭症」が正しいんですね。

博士 博士

そう。脳の発育不良で頭囲が増えないため、大泉門が早く閉じる。頭蓋骨癒合症も早期閉鎖の原因となる。

サクラ サクラ

閉鎖遅延はどんな疾患で起こるんですか?

博士 博士

クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)・くる病・水頭症・ダウン症候群などじゃ。先天性代謝疾患のスクリーニングにも大泉門所見は意味を持つ。

サクラ サクラ

看護師としては日常の観察でどこを見ればいいですか?

博士 博士

触診で平坦・膨隆・陥没を確認する。安静時・啼泣時で変化するから、泣いていない状態で評価するのが基本じゃ。

サクラ サクラ

脱水のアセスメントでは大泉門、皮膚ツルゴール、口腔乾燥、尿量などを組み合わせますね。

博士 博士

その通り。小児の脱水評価はABCD(大泉門・皮膚・目・尿)を総合的に見ることが重要じゃ。

POINT

大泉門は前頭骨と頭頂骨に囲まれた菱形の膜性部位で、脳の急速な発育と分娩時の頭部変形に対応する役割を持ちます。通常は生後1年〜1年半で閉鎖し、早期閉鎖は小頭症や頭蓋骨癒合症を、閉鎖遅延はクレチン症・くる病・水頭症・ダウン症候群などを疑うサインとなります。触診による臨床評価では、膨隆は頭蓋内圧亢進(髄膜炎・水頭症・脳腫瘍・硬膜下血腫)、陥没は脱水を示唆する重要所見として覚えることが肝心です。小泉門(頭頂骨と後頭骨の間、生後1〜2か月で閉鎖)との位置関係の違いも正確に整理し、乳児の健康アセスメントに活かすことが看護師の役割として求められます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:大泉門の説明で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。大泉門は左右の前頭骨と左右の頭頂骨に囲まれた菱形(ダイヤモンド型)の膜性部位で、通常は生後1年〜1年半で閉鎖する。閉鎖が早すぎる場合は頭蓋縫合が早期に癒合する頭蓋骨癒合症や、脳発育不良に伴う小頭症が疑われる。閉鎖遅延はクレチン症・くる病・水頭症・ダウン症候群などで起こる。

選択肢考察

  1. × 1.  2 歳まで増大する。

    大泉門は生後2〜3か月頃までわずかに増大することがあるが、その後縮小し、多くは生後1年〜1年半で閉鎖する。2歳まで増大し続けるわけではない。

  2. × 2.  陥没している場合は髄膜炎( meningitis )を疑う。

    大泉門の陥没は脱水を強く示唆する所見である。髄膜炎や脳腫瘍、硬膜下血腫など頭蓋内圧亢進時にはむしろ大泉門の膨隆がみられる。

  3. 3.  閉鎖が早すぎる場合は小頭症( microcephaly )を疑う。

    早期閉鎖は頭蓋骨癒合症や小頭症で起こる。脳発育が悪いために頭囲が増大せず、大泉門が早く閉じる形となる。

  4. × 4.  頭頂骨と後頭骨に囲まれた部分である。

    頭頂骨と後頭骨に囲まれるのは小泉門(三角形)である。大泉門は前頭骨と頭頂骨に囲まれた菱形の領域。

大泉門の臨床評価のまとめ:膨隆=頭蓋内圧亢進(髄膜炎・水頭症・脳腫瘍・硬膜下血腫)、陥没=脱水、閉鎖遅延=クレチン症・くる病・水頭症・ダウン症候群、早期閉鎖=小頭症・頭蓋骨癒合症。小泉門は生後1〜2か月で閉じる。乳児の脱水アセスメントでは大泉門触診が重要である。

大泉門の位置・閉鎖時期・異常所見の臨床的意義を整理する問題。陥没=脱水、膨隆=頭蓋内圧亢進の対比がポイント。