StudyNurse

1歳児の事故予防指導

看護師国家試験 第103回 午前 第105問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第105問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aちゃん(1歳0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷(burn)を負ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは、体温36.8℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、血圧90/60mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。 Aちゃんの創部は治癒傾向にあり、退院して外来で処置を継続することになった。 Aちゃんの母親は「子どもに痛い思いをさせてしまいました。私が気を付けないといけませんね」と話している。 家庭内での事故予防について、Aちゃんの母親に指導する内容として優先度が高いのはどれか。

  1. 1.調理の工夫
  2. 2.重症事故事例の提示
  3. 3.1歳児の行動の特徴
  4. 4.Aちゃんへの説明の方法

対話形式の解説

博士 博士

Aちゃんは退院じゃ。母親は『私が気を付けないと』と話しておるが、何から指導するかがポイントじゃの。

サクラ サクラ

選択肢を見ると、調理の工夫や事例提示などがありますね。

博士 博士

正解は3の『1歳児の行動の特徴』じゃ。

サクラ サクラ

なぜ発達特徴が優先なんですか。

博士 博士

1歳はつかまり立ち、伝い歩きで行動範囲が急に広がるのじゃ。テーブルの上のものに手をかけて引きずる行動も典型じゃの。

サクラ サクラ

それを知れば、危険な場面を予測して環境を整えられますね。

博士 博士

そうじゃ。熱傷だけでなく誤飲、転落、溺水にも応用できる汎用的な視点じゃ。

サクラ サクラ

1の調理の工夫はどうしてだめですか。

博士 博士

今回は調理時ではなく食卓上の事故じゃ。調理工夫だけでは予防にならんの。

サクラ サクラ

2の重症事例の提示は。

博士 博士

自責の母親に重症事例を見せると、不安と罪悪感が増すだけじゃ。優先度は低いの。

サクラ サクラ

4のAちゃんへの説明は。

博士 博士

1歳児に説明して理解させるのは無理じゃ。大人が環境を整えるのが優先じゃの。

サクラ サクラ

具体策も合わせて指導するといいですか。

博士 博士

うむ。テーブルクロスを使わない、熱い物を子どもの手の届く所に置かないなど、行動特徴に基づく対策を一緒に伝えるのじゃ。

POINT

1歳児は移動能力と探索行動が急速に発達し、家庭内事故のリスクが高まる時期です。事故予防指導では、まず保護者がこの発達段階の特徴を理解することが基本となり、それに基づいた環境調整が具体策につながります。重症事例の提示や本人への説明は、発達特徴の理解より優先度が低くなります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aちゃん(1歳0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷(burn)を負ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは、体温36.8℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、血圧90/60mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。 Aちゃんの創部は治癒傾向にあり、退院して外来で処置を継続することになった。 Aちゃんの母親は「子どもに痛い思いをさせてしまいました。私が気を付けないといけませんね」と話している。 家庭内での事故予防について、Aちゃんの母親に指導する内容として優先度が高いのはどれか。

解説:正解は 3 です。1歳児はつかまり立ちや伝い歩きが始まり、手の届く範囲が急激に広がる時期です。テーブルの上のものに手をかけて引きずり下ろす行動も典型的です。事故予防には、まず1歳児の発達と行動の特徴を保護者が理解し、その視点で家の中の危険を予測して環境を整えることが最も重要かつ汎用性の高い指導内容となります。

選択肢考察

  1. × 1.  調理の工夫

    今回は調理ではなく食卓上の熱い汁物による事故であり、調理工夫だけでは事故予防の本質には届きません。

  2. × 2.  重症事故事例の提示

    自責の念を抱く母親に重症事例を提示すると、不安を増強し罪悪感を悪化させるおそれがあり優先度は低いです。

  3. 3.  1歳児の行動の特徴

    発達段階を理解することで、保護者が予測的に危険を取り除く視点をもてます。熱傷以外の誤飲・転倒・溺水などにも応用できる最も基本的な指導です。

  4. × 4.  Aちゃんへの説明の方法

    1歳児は危険回避能力や言語理解が未熟で、本人への説明で事故を防ぐことは困難です。大人側の環境調整が優先されます。

1歳児の事故は熱傷、転落、誤飲、溺水が多く、消費者庁や日本小児科学会の事故予防情報も活用できます。テーブルクロスを使わない、熱い飲食物を子どもの手の届く位置に置かないなど、行動特徴に基づいた具体策を併せて指導するとより効果的です。

乳幼児の家庭内事故予防において、発達段階の理解を優先指導項目として選択できるかを問う問題です。