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熱中症予防のための指導ポイント

看護師国家試験 第107回 午後 第100問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

107回 午後 第100問

A君( 14歳、男子 )は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。 A君は熱中症( heat illness )と診断された。点滴静脈内注射の後、A君の状態は回復し、家族とともに帰宅することとなった。付き添いのB教諭から、今後の部活動における熱中症予防について看護師に相談があった。 熱中症予防のための指導内容で適切なのはどれか。

  1. 1.袖口の狭い服の着用を促す。
  2. 2.口渇がなくても水分摂取を促す。
  3. 3.湿度が高いときに部活動をする。
  4. 4.休憩は90分に1回を目安にする。

対話形式の解説

博士 博士

B教諭が今後の部活での熱中症予防を相談してきた。どの指導が適切じゃ?

アユム アユム

口渇がなくても水分摂取を促すことだと思います。

博士 博士

正解じゃ。口渇を感じた時点ですでに脱水は始まっておるのじゃ。

アユム アユム

運動前後、運動中にこまめに飲むのが大切ですね。

博士 博士

そうじゃ。塩分を含む飲料や経口補水液も取り入れるとよいぞ。

アユム アユム

袖口の狭い服は汗が蒸発しにくくなりますね。

博士 博士

通気性と吸湿性のよい服を選ぶのが鉄則じゃ。

アユム アユム

湿度が高いときは汗が蒸発しにくいのでリスクが高まりますよね。

博士 博士

暑さ指数が31℃以上なら運動原則中止じゃ。28℃以上は厳重警戒じゃぞ。

アユム アユム

休憩が90分に1回では長すぎますね。

博士 博士

20〜30分に1回を目安じゃ。短めの休憩と水分補給を繰り返すのがよい。

アユム アユム

食塩濃度の目安はあるんですか。

博士 博士

0.1〜0.2%の食塩を含む飲料を1時間あたり500〜1000mLが目安じゃ。

アユム アユム

体調管理も重要ですね。

博士 博士

睡眠不足や朝食抜きはリスクを上げる。指導者が顔色や元気のなさに目を配ることも大事な予防策じゃよ。

POINT

熱中症予防の基本は環境管理、服装、水分・塩分補給、体調管理、休憩の確保の5つです。水分補給は口渇を感じる前から計画的に行い、運動時は塩分を含む飲料や経口補水液を併用します。通気性のよい服装を選び、暑さ指数を参考に活動強度や休憩間隔を調整します。湿度が高い日や体調不良の日は練習を控える判断が必要で、20〜30分ごとの休憩と指導者による健康観察を組み合わせることで重篤な熱中症を防ぐことができます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:A君( 14歳、男子 )は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。 A君は熱中症( heat illness )と診断された。点滴静脈内注射の後、A君の状態は回復し、家族とともに帰宅することとなった。付き添いのB教諭から、今後の部活動における熱中症予防について看護師に相談があった。 熱中症予防のための指導内容で適切なのはどれか。

解説:正解は2です。口渇を感じる時点ですでに脱水が進行しているため、のどの渇きを待たずにこまめに水分補給することが熱中症予防の基本です。運動時は水分と塩分を組み合わせて摂取します。

選択肢考察

  1. × 1.  袖口の狭い服の着用を促す。

    袖口が狭い衣服は通気性が悪く汗の蒸散を妨げるため、体温調節を阻害して熱中症リスクを高めます。運動時は吸湿性と通気性のよい服を選び、首元や袖口が緩いものを着用します。

  2. 2.  口渇がなくても水分摂取を促す。

    口渇は軽度脱水のサインであり感じた時点で遅いこともあります。練習前、練習中、練習後にこまめに水分を摂取し、運動量や気温に応じて塩分を含む飲料を選ぶことが推奨されます。

  3. × 3.  湿度が高いときに部活動をする。

    湿度が高いと汗が蒸発しにくく体温が放散されにくいため、熱中症の発症リスクが高まります。暑さ指数(WBGT)を参考に活動を調整し、危険な環境では運動を中止します。

  4. × 4.  休憩は90分に1回を目安にする。

    90分に1回では間隔が長すぎ、特に気温や湿度が高い日には水分と電解質の補給が間に合わず熱中症を引き起こします。20〜30分に1回を目安に休憩と水分補給を行うことが推奨されます。

熱中症予防の柱は環境管理、服装、水分・塩分補給、体調管理、休憩の確保です。暑さ指数(WBGT)が28℃以上で厳重警戒、31℃以上で運動原則中止とされます。水分補給の目安は0.1〜0.2%の食塩を含む飲料を1時間あたり500〜1000mL、子どもには経口補水液も有効です。睡眠不足や体調不良、朝食抜きはリスクを高めるため、体調確認や声かけも重要な予防策となります。

水分補給は口渇を待たず運動前から定期的に行い、湿度や暑さ指数に応じて運動内容を調整することが熱中症予防の鉄則です。