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小児気管支喘息 発作強度の判定

看護師国家試験 第108回 午後 第100問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第100問

次の文を読み問いに答えよ。 Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く、年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。 Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温36.9°C、呼吸数36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO 2 >92%であった。 Aちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。

  1. 1.小発作
  2. 2.中発作
  3. 3.大発作
  4. 4.呼吸不全

対話形式の解説

博士 博士

今日はAちゃん8歳の気管支喘息発作強度の判定じゃ。SpO2 92%、呼吸数36/分、口元での喘鳴著明、途切れ途切れの会話という所見じゃ。

アユム アユム

選択肢は小発作、中発作、大発作、呼吸不全の4つですね。

博士 博士

正解は2番の中発作じゃ。SpO2 92%がギリギリ中発作に該当するキーポイントじゃよ。

アユム アユム

日本小児アレルギー学会のガイドラインで分類されているんですよね。

博士 博士

その通り。小発作はSpO2 96%以上、中発作は92〜95%、大発作は91%以下、呼吸不全は90%以下と意識障害を伴う状態じゃ。

アユム アユム

Aちゃんの92%は中発作と大発作の境界ですね。

博士 博士

そうじゃ。SpO2だけでなく他の所見と合わせて判定する。会話の状態、喘鳴の程度、陥没呼吸、起座呼吸、歩行可能かどうかなどじゃ。

アユム アユム

会話はどの程度の違いがあるのですか。

博士 博士

小発作では普通に会話可能、中発作では一文話すのに途切れる、大発作では単語しか話せない、呼吸不全では話すことができないという段階的変化じゃ。

アユム アユム

Aちゃんは「途切れ途切れに話した」とありますから中発作レベルですね。

博士 博士

その通り。それに著明な喘鳴、頻呼吸36回/分も中発作を支持しておる。

アユム アユム

小児の正常呼吸数はいくつですか。

博士 博士

年齢で異なるぞ。新生児40〜50回、乳児30〜40回、幼児20〜30回、学童期15〜25回じゃ。8歳なら20回前後が正常じゃから、36回は明らかな頻呼吸じゃな。

アユム アユム

1番の小発作はなぜ誤りですか。

博士 博士

小発作はSpO2 96%以上で、喘鳴も軽度、会話も普通に可能で、安静で改善する程度じゃ。Aちゃんの状態は明らかにこれを超えておる。

アユム アユム

3番の大発作との境界が重要ですね。

博士 博士

大発作ではSpO2 91%以下になり、起座呼吸となり、単語しか話せず、チアノーゼも出る。呼吸音減弱も認められる。Aちゃんはまだそこまでではない。

アユム アユム

4番の呼吸不全はかなり重篤ですよね。

博士 博士

そうじゃ。SpO2 90%以下、意識障害、silent chestと呼ばれる呼吸音消失、チアノーゼ著明で、直ちに集中治療が必要な生命危機的状態じゃ。

アユム アユム

silent chestとは何ですか。

博士 博士

気道閉塞が非常に高度になり、もはや喘鳴すら聞こえなくなる状態じゃ。「静かすぎる胸」は逆に最も危険なサインなんじゃ。

アユム アユム

Aちゃんの治療はどのようになりますか。

博士 博士

中発作じゃから医療機関での治療が必要じゃ。β2刺激薬の吸入、ステロイド投与、酸素投与、重症度によっては入院管理となる。

アユム アユム

6歳から発作がなく定期受診もしていませんでしたね。

博士 博士

これが問題点じゃ。喘息は症状がなくても気道炎症は持続しておる。定期的な吸入ステロイドや環境整備(ダニ・ハウスダスト対策)が重要じゃ。

アユム アユム

アレルゲンはダニとハウスダストでしたね。

博士 博士

寝具の防ダニカバー、掃除、換気、湿度管理など環境整備が欠かせん。秋から冬にかけてダニの死骸が増えて発作が起こりやすくなるぞ。

アユム アユム

発作強度を正確に判定して適切な治療につなげることが大切ですね。

博士 博士

バイタルサインと身体所見を総合して判断する力を身につけてほしいのう。

POINT

小児気管支喘息の発作強度はSpO2、会話状態、喘鳴、陥没呼吸、意識状態から総合的に判定する。日本小児アレルギー学会のガイドラインでは小発作(SpO2≧96%)、中発作(92-95%)、大発作(≦91%)、呼吸不全(≦90%+意識障害)に分類され、重症度に応じた治療強度が定められている。本症例はSpO2 92%、著明な喘鳴、途切れ途切れの会話から中発作に該当し、医療機関での治療介入が必要となる。症状消失期も気道炎症は持続するため、定期受診とアレルゲン対策の継続が発作予防の鍵となる。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:次の文を読み問いに答えよ。 Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く、年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。 Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温36.9°C、呼吸数36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO 2 >92%であった。 Aちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。

解説:正解は 2 です。Aちゃんの所見(SpO2 92%、口元での喘鳴著明、途切れ途切れの会話、呼吸数36/分)は日本小児アレルギー学会の喘息発作強度判定基準における中発作に該当します。SpO2が92〜95%は中発作、91%以下は大発作に分類され、Aちゃんは92%でぎりぎり中発作に留まっています。

選択肢考察

  1. × 1.  小発作

    小発作ではSpO2 96%以上、喘鳴は軽度、会話は可能で呼吸困難感も軽く、安静で改善することが多いです。AちゃんのSpO2 92%・著明な喘鳴・途切れ途切れの会話はこれを超えた状態です。

  2. 2.  中発作

    SpO2 92〜95%、喘鳴明らか、会話はやや困難(一文話すのに途切れる)、陥没呼吸あり、安静時も呼吸困難感ありが中発作の目安で、Aちゃんの所見とよく一致します。

  3. × 3.  大発作

    大発作ではSpO2 91%以下、起座呼吸、会話困難(単語のみ)、チアノーゼ、呼吸音減弱など、より重篤な所見を伴います。AちゃんのSpO2 92%は大発作の基準には達していません。

  4. × 4.  呼吸不全

    呼吸不全ではSpO2 90%以下、意識障害、呼吸音消失(silent chest)、チアノーゼ著明など生命の危機的状態です。直ちに集中治療が必要ですが、Aちゃんの状態はここまで重篤ではありません。

日本小児アレルギー学会の小児気管支喘息治療・管理ガイドラインによる発作強度分類は以下の通りです。【小発作】SpO2≧96%、喘鳴軽度、会話可能、呼吸困難感は訴えのみ。【中発作】SpO2 92-95%、喘鳴明らか、一文話すのに途切れる、陥没呼吸あり、歩行可能。【大発作】SpO2≦91%、喘鳴著明、会話困難(単語のみ)、起座呼吸、陥没呼吸強く、歩行困難。【呼吸不全】SpO2≦90%、意識障害、チアノーゼ、silent chest、徐脈。小発作は自宅でβ2刺激薬吸入で対応可能、中発作は医療機関受診、大発作・呼吸不全は入院管理が必要です。ピークフロー値や会話の状態、起座呼吸の有無、陥没呼吸の程度、意識状態も重要な判定指標です。

小児気管支喘息の発作強度をSpO2、喘鳴、会話状態から判定する能力を問う問題です。