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腸重積整復後の退院指導を考える

看護師国家試験 第108回 午後 第105問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第105問

次の文を読み問いに答えよ。 Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15~20分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1°Cであった。 Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。 保護者への説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「月1回の受診をしてください」
  2. 2.「3日間は入浴を控えてください」
  3. 3.「1週間は離乳食を1日1回にしてください」
  4. 4.「同じような症状が出たら受診してください」

対話形式の解説

博士 博士

第108回午後224問じゃ。Aちゃんは高圧浣腸で整復され、翌朝経口摂取も可能となり退院。保護者から『退院後の注意点は?』と質問があった場面じゃな。

サクラ サクラ

博士、整復後に何を一番気をつけるべきですか?

博士 博士

ずばり再発じゃ。腸重積の整復後再発率はおよそ5〜10%で、多くが24〜48時間以内に起こる。だから正解は4番『同じような症状が出たら受診してください』じゃ。

サクラ サクラ

なぜ再発が多いのですか?

博士 博士

一度陥入を起こした腸管は粘膜浮腫が残り、腸管運動の乱れや解剖学的な素因で再び嵌入しやすいためじゃ。2歳以上や非典型例ではMeckel憩室やポリープなど器質的先進部が潜んでいることもある。

サクラ サクラ

1番の『月1回の受診』はどうですか?

博士 博士

腸重積は慢性疾患ではないから、症状がなければ定期受診は不要。過剰な受診指導はかえって家族の負担になるぞ。

サクラ サクラ

2番の『3日間入浴を控えて』は?

博士 博士

高圧浣腸は非観血的治療で手術創はないから入浴制限の根拠がない。術後指導と混同せんように。

サクラ サクラ

3番の『1週間は離乳食を1日1回』は?

博士 博士

離乳食が原因ではないから制限は不要。経口摂取が戻っているなら通常食・哺乳を続けてよい。

サクラ サクラ

保護者には具体的にどう伝えればいいですか?

博士 博士

『泣いては泣き止むを繰り返す』『吐く』『イチゴゼリー様の血便が出る』の三徴を具体的に説明する。迷ったら受診、が基本姿勢じゃ。

サクラ サクラ

再発時も同じ治療ができるのですか?

博士 博士

多くは再び高圧浣腸で整復可能じゃ。ただし繰り返す場合や器質的疾患が疑われる場合は外科的介入を検討することもある。

サクラ サクラ

保護者が不安を抱えないように、受診の目安を具体的に示すことが大事ですね。

博士 博士

そのとおり。『こういう症状ならすぐに来てね』と明確に伝えることで、家族は安心して自宅療養できる。これが退院支援の核じゃ。

POINT

腸重積症の高圧浣腸による整復後は5〜10%程度の再発が報告され、特に24〜48時間以内に多くみられます。退院指導では、間欠的啼泣・嘔吐・血便などの同様の症状が出たら速やかに受診するよう具体的に伝えることが最も重要です。整復後は手術創がないため入浴制限や食事制限は不要で、定期受診も症状がなければ必要ありません。保護者が再発のサインを早期に認識できるよう支援することが退院看護の要となります。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:次の文を読み問いに答えよ。 Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15~20分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1°Cであった。 Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。 保護者への説明で適切なのはどれか。

解説:正解は 4 です。高圧浣腸による整復後は、一般に数%〜10%程度で再発が報告されており、特に24〜48時間以内の再発が多いとされます。間欠的啼泣・嘔吐・血便などの同様の症状が出現した場合は速やかに受診するよう保護者に説明することが最も重要な退院指導です。

選択肢考察

  1. × 1.  「月1回の受診をしてください」

    腸重積は整復後に特別な慢性管理を要する疾患ではなく、症状が消失していれば定期受診は不要です。再発を疑う症状が出たときにだけ受診を指導します。

  2. × 2.  「3日間は入浴を控えてください」

    高圧浣腸は非観血的治療で手術創はありません。入浴制限の医学的根拠はなく、全身状態が良ければ通常通り入浴可能です。

  3. × 3.  「1週間は離乳食を1日1回にしてください」

    離乳食が腸重積の原因ではなく、経口摂取が可能となっていれば食事回数を制限する必要はありません。通常通りの食事・哺乳を継続します。

  4. 4.  「同じような症状が出たら受診してください」

    腸重積は整復後に再発することが少なくなく、特に24〜48時間以内に多いです。間欠的啼泣、嘔吐、血便など同様の症状が出たら迷わず受診するよう伝えることが退院指導の要です。

腸重積整復後の再発率は文献により幅がありますが、おおむね5〜10%程度とされます。2歳以上や非典型的な発症では、Meckel憩室、ポリープ、悪性リンパ腫などの器質的先進部が背景にある場合もあり、再発時は超音波再評価が必要です。保護者には『泣いては泣き止むを繰り返す』『嘔吐する』『血便が出る』の三徴を具体的に伝えることが大切です。

腸重積整復後の退院指導として最も重要な内容を問う問題です。