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隔離入院中の幼児の心理ケア

看護師国家試験 第111回 午後 第105問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第105問

次の文を読み以下の問いに答えよ。 Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎(viral gastroenteritis)による中等度の脱水症(dehydration)と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。 入院2日。Aちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「Aは大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。 このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。

  1. 1.プレイルームで遊べること
  2. 2.アイスクリームを食べてよいこと
  3. 3.個室隔離が明日、解除されること
  4. 4.Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと
  5. 5.Aちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること

対話形式の解説

博士 博士

入院2日目、Aちゃんは嘔吐は治まったが水様便は継続中じゃ。母親は「大泣きしてストレスがたまっている、アイスを食べたがっている」と相談してきた。

サクラ サクラ

まだ水様便があるということは、感染性は残っているんですね。

博士 博士

そうじゃ。ウイルス性胃腸炎は下痢が治まるまでウイルス排出が続くから、個室隔離の継続が原則じゃ。

サクラ サクラ

正解はどれですか?

博士 博士

正解は4番、「Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと」じゃ。馴染みのおもちゃは幼児に安心感を与え、入院・隔離のストレスを軽減する有効な心理的ケアなのじゃよ。

サクラ サクラ

幼児の入院ストレスってどんなものですか?

博士 博士

生活リズムの変化、身体拘束感、家族との分離、見知らぬ環境などじゃな。エリクソンの発達段階でいうと2〜3歳は「自律性対恥・疑惑」の時期で、自分でやりたい気持ちが強まる頃じゃ。

サクラ サクラ

1番の「プレイルームで遊べること」はどうして違うんですか?

博士 博士

水様便が続く間は感染性があり、他児への感染拡大リスクがあるからプレイルームは使えん。隔離解除は医師判断事項でもあるしな。

サクラ サクラ

2番の「アイスクリームを食べてよいこと」は?

博士 博士

アイスは脂質・糖分が多く冷たい。下痢が続く消化器には負担が大きいから症状悪化を招く。食事はBRAT食、つまりバナナ・米・リンゴ・トーストなど消化に優しいものから再開するのが基本じゃ。

サクラ サクラ

3番の「個室隔離が明日、解除されること」は?

博士 博士

水様便継続中は隔離解除の根拠がない。そして隔離解除は医師の判断事項じゃから、看護師が独断で伝える内容ではないぞ。

サクラ サクラ

5番の「看護師の訪室を控えること」は静かに過ごせそうですが?

博士 博士

ウイルス性胃腸炎で入院中は水分出納・バイタル・便性状の観察が必須じゃ。訪室を控えるのは安全管理上不適切。必要な観察時間をずらすなどの工夫はよいが、訪室自体を減らすのはダメじゃ。

サクラ サクラ

おもちゃを持ち込むときに注意点は?

博士 博士

病棟の持込条件を確認し、消毒可能なもの、退院時に廃棄してもよいものを選ぶのが望ましい。また他児との共有は避けるのじゃ。

サクラ サクラ

幼児の心理的ケアの基本は?

博士 博士

馴染みの物を持ち込む、親の付き添いを確保、遊びでの気分転換、一貫したケアスタッフ、処置の予告と説明、褒める・認める、じゃ。この6つを押さえておくのじゃ。

POINT

本問は隔離入院中の幼児の心理的ケアと感染症下での生活管理を問う問題です。水様便継続中は感染性が残るため、プレイルーム使用や隔離解除は不適切、冷たく脂質の多いアイスは下痢を悪化させます。看護師の訪室を減らすことも観察上不適切です。馴染みのおもちゃ持参は安心感と気分転換をもたらす有効な心理的ケアで、発達段階と病状の両方に配慮した支援となります。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:次の文を読み以下の問いに答えよ。 Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎(viral gastroenteritis)による中等度の脱水症(dehydration)と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。 入院2日。Aちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「Aは大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。 このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。

解説:正解は 4 です。入院2日目、水様便はまだ続いており個室隔離も継続、食事も消化器に負担の少ないものが望ましい状態です。幼児期のAちゃんは入院・隔離環境でストレスを抱えており、好きなおもちゃを自宅から持参し病床で遊ぶことは、安心感と気分転換につながり心理的ケアとして最も適切です。病棟の持込条件を確認した上で、洗浄・消毒可能なものを選ぶ配慮も必要です。

選択肢考察

  1. × 1.  プレイルームで遊べること

    水様便が継続している=感染性があり、他児への感染拡大リスクがあるためプレイルーム使用はできません。隔離解除は医師の判断事項でもあります。

  2. × 2.  アイスクリームを食べてよいこと

    アイスクリームは脂質・糖分が多く冷たいため、下痢が続く状態では消化器に負担がかかり症状悪化を招きます。

  3. × 3.  個室隔離が明日、解除されること

    水様便継続中は感染性が残っており隔離解除の根拠がありません。また隔離解除は医師の判断で、看護師が独断で伝える内容ではありません。

  4. 4.  Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと

    馴染みのおもちゃは幼児に安心感を与え、入院・隔離のストレスを軽減します。病棟の持込条件(消毒可能など)を確認しつつ勧めるのが適切です。

  5. × 5.  Aちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること

    ウイルス性胃腸炎で入院中は水分出納・バイタル・便性状の観察が必要で、訪室を控えるのは安全管理上不適切です。

幼児期の入院では、生活リズムの変化、身体拘束感、家族との分離感、見知らぬ環境などが強いストレスとなります。エリクソンの発達段階で2〜3歳は「自律性対恥・疑惑」の時期にあたり、自分でやりたい気持ちが強まる時期です。入院中は①馴染みの物(おもちゃ、タオル、絵本等)を持ち込む、②親の付き添いを可能な限り確保、③遊びを通した気分転換、④一貫したケアスタッフ、⑤処置の予告と説明、⑥褒める・認めるなどの心理的ケアが重要です。食事はBRAT食(バナナ・米・リンゴ・トースト)など消化に優しいものから再開します。

入院中の幼児の心理的ケアと、感染症下での食事・隔離管理の原則を総合的に理解しているかが問われています。