統合失調症患者の単身生活への準備と社会資源
看護師国家試験 第103回 午後 第114問 / 精神看護学 / 状況設定問題
国試問題にチャレンジ
次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(40歳、男性)は、大学1年生のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神科病院に20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。 Aさんは受診時に「毎日父親に責められます。実家を出て生活してみたいです」と訴えた。Aさんに単身生活の経験はない。 Aさんに勧める社会資源で最も適切なのはどれか。
- 1.自立訓練〈生活訓練〉
- 2.小規模多機能型居宅介護
- 3.短期入所〈ショートステイ〉
- 4.共同生活援助〈グループホーム〉
対話形式の解説
博士
Aさんは父親に責められ実家を出たいと訴えておるが、20年の入院後で単身生活の経験がないんじゃ。
アユム
買い物や金銭管理など、生活スキルが未獲得かもしれませんね。
博士
そうじゃ。そこで活用するのが障害者総合支援法のサービスじゃよ。
アユム
どれが最も適切なんですか。
博士
正解は1の自立訓練(生活訓練)じゃ。
アユム
どんなサービスなんですか。
博士
長期入院・入所した精神障害者や知的障害者が地域生活に移行するために、生活能力の獲得や維持を訓練するサービスで、原則2年以内に集中して支援するんじゃよ。
アユム
2の小規模多機能型居宅介護は。
博士
これは介護保険の地域密着型サービスで、要介護高齢者が対象じゃ。40歳のAさんは対象外じゃ。
アユム
3の短期入所はどうですか。
博士
介護者の事情で一時的に入所するサービスじゃから、単身生活へのステップにはならん。
アユム
4の共同生活援助、グループホームは。
博士
共同生活を続ける場じゃから、単身生活を希望するAさんの目標とはずれる。
アユム
生活訓練が単身生活への橋渡しなんですね。
博士
そうじゃ。サービスは目的別に整理されておるから、本人の希望と段階に合うものを選ぶ視点が大事じゃよ。
POINT
長期入院後の単身生活希望者には、障害者総合支援法の自立訓練(生活訓練)が最適である。生活能力の獲得・維持を訓練するサービスで原則2年以内の利用が可能。介護保険サービスや共同生活継続型サービスは、Aさんの目的とずれるため適切ではない。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(40歳、男性)は、大学1年生のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神科病院に20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。 Aさんは受診時に「毎日父親に責められます。実家を出て生活してみたいです」と訴えた。Aさんに単身生活の経験はない。 Aさんに勧める社会資源で最も適切なのはどれか。
解説:正解は 1 です。Aさんは単身生活を希望しているものの、20年の入院生活で単身生活の経験がなく、買い物・金銭管理・近隣付き合いなど社会生活に必要な能力が未獲得である可能性が高いです。障害者総合支援法に基づく『自立訓練(生活訓練)』は、長期入院・入所後の障害者が地域生活へ移行するための生活能力の獲得・維持を目的とした訓練・相談支援サービスで、原則2年以内の利用期限が設けられています。Aさんの『一人暮らしへの準備段階』に最も合致します。
選択肢考察
-
○ 1. 自立訓練〈生活訓練〉
長期入院後の障害者が地域生活に移行するための生活能力習得を支援するサービスで、Aさんの単身生活準備に最適です。
-
× 2. 小規模多機能型居宅介護
介護保険の地域密着型サービスで要介護高齢者が対象であり、40歳のAさんは対象になりません。
-
× 3. 短期入所〈ショートステイ〉
介護者の事情等で一時的に施設入所するサービスで、単身生活への準備というAさんのニーズには合いません。
-
× 4. 共同生活援助〈グループホーム〉
共同生活を継続する場であり、単身生活を目指すAさんの希望に対しては優先度が低くなります。
障害者総合支援法の『訓練等給付』には、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、共同生活援助、自立生活援助などがあり、目的に応じて使い分けます。生活訓練は地域移行直後〜単身生活開始前のステップとしてよく活用されます。
障害者の社会資源について、長期入院後の単身生活準備という目的に最も合致するサービスを選ぶ問題です。
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