ICU術後ラインの自己抜去予防
看護師国家試験 第103回 午前 第118問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん(65歳、男性)は、大動脈弁狭窄症(aortic stenosis)で大動脈弁置換術が実施された。術後2日、Aさんは集中治療室に入室中である。Aさんは中心静脈ライン、心囊・縦隔ドレーン、胸腔ドレーン、動脈ライン、3本の静脈ライン、膀胱留置カテーテルが挿入されている。Aさんの意識は清明で、呼吸状態、循環動態は安定しているが、挿入されているライン類を気にする様子がみられる。
ライン類の抜去事故を予防するための看護師の対応として最も適切なのはどれか。
- 1.ラインを挿入している上肢をシーネで固定する。
- 2.抜去できるラインはないか医師に相談する。
- 3.1時間毎にAさんの状態を観察する。
- 4.鎮静薬を使用する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
ICU術後管理におけるライン自己抜去予防の最適策と、早期ライン抜去・最小鎮静の原則を問う問題です。
解答・解説
正解は2です
問題文:ライン類の抜去事故を予防するための看護師の対応として最も適切なのはどれか。
解説:正解は 2 です。心臓血管外科術後にはモニタリングや薬剤投与のため多数のラインが挿入されますが、長期間の留置は感染リスク・身体拘束感・ICUシンドロームのリスクを高めます。Aさんは意識清明で呼吸・循環が安定しており、ライン類を気にする様子から不快感があると考えられます。自己抜去予防の最も根本的かつ適切な対応は、不要となったラインを早期に抜去することです。看護師は患者の状態をアセスメントし、医師に抜去可能なラインがないか相談することで、安全と安楽の両立を図る必要があります。
選択肢考察
- ×1. ラインを挿入している上肢をシーネで固定する。
シーネ固定は本来、関節屈曲によるルート屈曲・閉塞防止のための工夫であり、自己抜去予防策としては身体拘束に該当する可能性があります。意識清明の患者には不必要に行わない方が適切です。
- ○2. 抜去できるラインはないか医師に相談する。
状態が安定し意識清明であれば、不要ラインの早期抜去が感染予防・ICUシンドローム予防・自己抜去防止のすべてに資する最も適切な対応です。医師との相談で安全に減らしていきます。
- ×3. 1時間毎にAさんの状態を観察する。
ICUでの観察は当然必要ですが、観察だけでは自己抜去を完全に防げません。根本的な予防はライン本数を減らすことであり、観察を主軸に据えるのは最適解ではありません。
- ×4. 鎮静薬を使用する。
意識清明で安定している患者への安易な鎮静はかえってせん妄・廃用・離床遅延を招きます。鎮静薬は最小限とし、可能な限り覚醒下で離床を進めるのが現代のICU管理の原則です。
ICU管理ではPAD(Pain・Agitation・Delirium)バンドル、ABCDEFバンドルが標準で、早期離床と早期ライン抜去がせん妄予防の基本です。覚え方は『ICUの安全はラインを減らすことから』。身体拘束は最終手段。
ICU術後管理におけるライン自己抜去予防の最適策と、早期ライン抜去・最小鎮静の原則を問う問題です。
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