創傷治癒の増殖期の特徴を理解する
看護師国家試験 第103回 午前 第45問
国試問題にチャレンジ
創傷の治癒過程における増殖期の状態はどれか。
- 1.コラーゲンが成熟する。
- 2.基底細胞が創面を覆い始める。
- 3.血管内皮細胞が新しい血管を形成する。
- 4.マクロファージによって創内の細菌が排除される。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
創傷治癒の各時期の特徴的な細胞活動を理解しているかを問う。増殖期=肉芽・血管新生・上皮化、成熟期=コラーゲン再構築。
解答・解説
正解は3です
問題文:創傷の治癒過程における増殖期の状態はどれか。
解説:正解は 3 です。創傷治癒過程は①止血凝固期→②炎症期→③増殖期→④成熟期(再構築期)の4段階に分けられます。増殖期(受傷後3〜10日頃)では、線維芽細胞によるコラーゲン産生、血管内皮細胞による新生血管形成(血管新生)、表皮細胞の遊走による表皮形成が起こり、肉芽組織が形成されて創部が縮小します。血管新生は増殖期の特徴的な所見の一つです。
選択肢考察
- ×1. コラーゲンが成熟する。
コラーゲンの成熟と再構築は成熟期(再構築期、受傷後数週間〜数か月)に起こります。Ⅲ型コラーゲンからⅠ型コラーゲンへの置換や架橋形成により、瘢痕組織が強化されます。
- ×2. 基底細胞が創面を覆い始める。
基底細胞による上皮化(再上皮化)は増殖期にも起こりますが、「覆い始める」という表現は成熟期で完成する過程と捉えられます。設問のニュアンスでは増殖期とは断定しづらく、不正解とされています。
- ○3. 血管内皮細胞が新しい血管を形成する。
血管新生(angiogenesis)は増殖期の中心的な現象です。VEGFなどの成長因子により血管内皮細胞が遊走・増殖し、肉芽組織内に毛細血管網が形成されることで組織への酸素・栄養供給が確保されます。
- ×4. マクロファージによって創内の細菌が排除される。
マクロファージによる細菌や壊死組織の貪食は炎症期(受傷後〜3日頃)の特徴的な現象です。好中球も同時期に動員され、創部の清浄化が進みます。
創傷治癒の4段階:①止血凝固期(数分〜数時間:血小板凝集・フィブリン形成)、②炎症期(〜3日:好中球・マクロファージによる貪食、サイトカイン放出)、③増殖期(3〜10日:肉芽形成・血管新生・上皮化)、④成熟期(数週〜数か月:コラーゲン再構築・瘢痕形成)。栄養(タンパク質・ビタミンC・亜鉛)、酸素、湿潤環境が治癒促進の鍵。
創傷治癒の各時期の特徴的な細胞活動を理解しているかを問う。増殖期=肉芽・血管新生・上皮化、成熟期=コラーゲン再構築。
「創傷管理・呼吸ケア」の関連問題
口腔内吸引の鉄則!挿入時に「吸引圧をかけない」のはなぜ?
成人の口腔内吸引における手技の基本(清潔操作の範囲、吸引時間、挿入時の吸引圧、適切な吸引圧の数値)を問う問題。粘膜損傷と低酸素血症を防ぐためのポイントを正確に押さえているかが鍵となる。
115回
酸素投与器具4種を完全整理!「最も高濃度」はどれ?FiO₂で覚える低流量システムの王様
代表的な酸素投与器具のFiO₂(吸入気酸素濃度)の上限を比較し、最も高濃度を供給できるものを選ぶ問題。「高濃度=リザーバー付き」「濃度を正確に=ベンチュリー」とセットで覚えておくとよい。
115回
前腕に包帯を巻いたあと、看護師がまず見るべきは「指先の冷たさ」だった
包帯法で四肢を固定した後の観察ポイントは何かを問う問題。固定による合併症は「末梢の循環障害・神経障害」が中心であり、固定部位より末梢側の冷感・皮膚色・感覚・運動を評価することが核心になる。
115回
頭部切創の止血、まずは何をする?
外傷時の出血に対する応急止血法の第一選択を問う問題で、頭部切創には直接圧迫止血法が最も適切であることを理解しているかが問われています。
115回
肉芽組織はいつできる?創傷治癒4段階を完全マスター
創傷治癒の4段階(止血期→炎症期→増殖期→成熟期)のうち、肉芽組織が形成されるのは増殖期であることを理解しているかを問う問題です。
115回
