過活動膀胱の核心をつかむ
看護師国家試験 第105回 午前 第47問
国試問題にチャレンジ
過活動膀胱(overactive bladder)の説明で正しいのはどれか。
- 1.尿意切迫感がある。
- 2.失禁することはない。
- 3.水分を制限して治療する。
- 4.50歳台の有病率が最も高い。
対話形式の解説
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サクラPOINT
過活動膀胱の定義と主症状、有病率の特徴、治療の方向性を正しく理解しているかを問う問題です。
解答・解説
正解は1です
問題文:過活動膀胱(overactive bladder)の説明で正しいのはどれか。
解説:正解は 1 です。過活動膀胱(OAB)は「尿意切迫感」を必須症状とする症候群で、通常は頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁を伴います。日本排尿機能学会の定義では、明らかな感染や代謝性疾患などの原因がないものを指し、過活動膀胱症状質問票(OABSS)を用いて診断します。成人の約12%、40歳以上では男女ともに加齢とともに有病率が上昇します。
選択肢考察
- ○1. 尿意切迫感がある。
尿意切迫感(急に起こる強い尿意で我慢困難なもの)はOABの診断に必須の症状です。少量の蓄尿で排尿筋が不随意に収縮するために生じ、頻尿や切迫性尿失禁を伴うことが多いです。
- ×2. 失禁することはない。
OABの一症状に切迫性尿失禁があります。尿意切迫感の直後にトイレに間に合わず漏れるもので、OAB-wet(湿性)と呼ばれます。失禁を伴わないものはOAB-dry(乾性)と区別されます。
- ×3. 水分を制限して治療する。
極端な水分制限は脱水や尿路感染、濃縮尿による膀胱刺激を招き逆効果です。治療は抗コリン薬やβ3作動薬(ミラベグロン)などの薬物療法と、膀胱訓練・骨盤底筋訓練などの行動療法が中心です。
- ×4. 50歳台の有病率が最も高い。
OABは加齢とともに有病率が上昇し、日本の疫学調査では80歳以上で30〜40%と最も高くなります。50歳代は10〜15%程度で、年代別では高齢になるほど頻度が高いのが特徴です。
OABの病態は排尿筋の不随意収縮(detrusor overactivity)ですが、原因は神経性(脳血管障害、パーキンソン病、脊髄損傷)と非神経性に分類されます。治療は①生活指導(適切な飲水量と排尿習慣)②行動療法(膀胱訓練、骨盤底筋訓練)③薬物療法(抗コリン薬、β3作動薬)④難治例への神経変調療法・ボツリヌス毒素注入、の段階的アプローチが標準です。カフェインやアルコールは刺激となるため控えるよう指導します。
過活動膀胱の定義と主症状、有病率の特徴、治療の方向性を正しく理解しているかを問う問題です。
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