慢性腎不全で起こる電解質異常のしくみ
看護師国家試験 第105回 午前 第82問
国試問題にチャレンジ
慢性腎不全(chronic renal failure)によって起こるのはどれか。2つ選べ。
- 1.低血圧
- 2.低リン血症
- 3.低カリウム血症
- 4.低カルシウム血症
- 5.代謝性アシドーシス
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
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博士
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博士
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博士
サクラ
博士POINT
慢性腎不全の電解質・酸塩基平衡異常のパターンと、それぞれの発生機序(排泄障害、活性型ビタミンD産生低下)を問うている。
解答・解説
正解は4です
問題文:慢性腎不全(chronic renal failure)によって起こるのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 4 と 5 です。慢性腎不全では糸球体濾過量(GFR)の持続的低下により、水・電解質・酸塩基平衡の調節、ビタミンDの活性化、エリスロポエチン産生などの腎機能が破綻します。結果としてナトリウム・水の貯留による高血圧、リン・カリウムの排泄低下による高リン血症・高カリウム血症、活性型ビタミンD産生低下に伴う低カルシウム血症、酸(H⁺)の排泄障害による代謝性アシドーシスが生じます。
選択肢考察
- ×1. 低血圧
体液貯留とレニン過剰分泌により高血圧を生じます。腎性高血圧は慢性腎不全の代表的合併症です。
- ×2. 低リン血症
尿中へのリン排泄が低下するため高リン血症となり、骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の一因になります。
- ×3. 低カリウム血症
カリウムの尿中排泄が低下するため高カリウム血症を呈し、致死性不整脈のリスクが高まります。
- ○4. 低カルシウム血症
腎での活性型ビタミンD(1,25(OH)₂D₃)産生が低下し腸管でのカルシウム吸収が減少、また高リン血症がCaと結合するため血清Caは低下します。
- ○5. 代謝性アシドーシス
腎でのH⁺排泄とHCO₃⁻再吸収が障害され、不揮発性酸が蓄積して代謝性アシドーシスとなります。
慢性腎不全の電解質異常は『高K・高P・低Ca・低Na(希釈性)・代謝性アシドーシス』と覚えます。低カルシウム血症は二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こし、骨吸収を促進して腎性骨異栄養症の原因となります。治療はリン制限食、リン吸着薬、活性型ビタミンD製剤、重炭酸ナトリウム投与などです。高カリウム血症ではカリウム吸着薬やGI療法、透析導入が検討されます。エリスロポエチン産生低下による腎性貧血にはESA製剤を使用します。
慢性腎不全の電解質・酸塩基平衡異常のパターンと、それぞれの発生機序(排泄障害、活性型ビタミンD産生低下)を問うている。
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