車椅子のティッピングレバーって何のため?移送の基本4場面
看護師国家試験 第106回 午後 第33問
国試問題にチャレンジ
車椅子による移送で適切なのはどれか。
- 1.エレベーターの中で方向転換する。
- 2.急な下り坂では前向きに車椅子を進める。
- 3.ティッピングレバーを踏み、段差を乗り越える。
- 4.移乗する前にフットレスト〈足のせ台〉を下げる。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
車椅子移送の基本原則を問う。エレベーター・坂道・段差・移乗前フットレストの4つの典型場面でそれぞれの正解操作を覚える。
解答・解説
正解は3です
問題文:車椅子による移送で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。段差を乗り越える際は、車椅子後方に取り付けられている『ティッピングレバー(ティッピングバー)』を足で踏み込むと同時にハンドグリップを押し下げることで前輪(キャスター)を持ち上げ、後輪で段差を乗り越えてから前輪を下ろすのが正しい操作手順です。このとき患者には『段差を越えます』と一声かけ、急な揺れに備えた姿勢をとってもらいます。下ろすときは衝撃を減らすため、ゆっくり前輪を接地させることがポイントです。
選択肢考察
- ×1. エレベーターの中で方向転換する。
エレベーター内は狭く、中で方向転換すると他の乗客や壁に接触する危険があるほか、患者の足や手が挟まれる恐れもある。方向転換は乗り込む前に行い、エレベーター内では後ろ向き(扉に背を向けた状態)で乗り込んでおくのが基本。
- ×2. 急な下り坂では前向きに車椅子を進める。
急な下り坂で前向きに進むと重心が前方に移動し、患者が前に滑り落ちたり、介助者が制御できず車椅子が暴走する危険がある。介助者が進行方向に背を向け、後ろ向き(車椅子としては逆方向)で介助者の体重でブレーキをかけながら下るのが安全。
- ○3. ティッピングレバーを踏み、段差を乗り越える。
ティッピングレバーは車椅子の後輪軸付近に突き出ている棒で、踏み込むと前輪を浮かせるためのテコになる。段差は前輪を浮かせて後輪で越えてから前輪を下ろすのが鉄則。
- ×4. 移乗する前にフットレスト〈足のせ台〉を下げる。
移乗前はフットレストを上げる(跳ね上げる)のが正しい。下げたままだと患者の足が引っかかって転倒の原因になったり、介助者がすねをぶつける危険がある。移乗後に着席を確認してから再び下ろす。
車椅子移送は基本手技でありながら事故が多い場面でもある。移送前の確認として①ブレーキ②タイヤ空気圧③フットレスト上下④シートベルトの有無を点検する。段差・坂道・エレベーターは事故の三大場面なので、それぞれの原則『方向転換は乗る前』『下り坂は後ろ向き』『段差はティッピングレバー』を声に出して練習すると定着しやすい。介助中は『段差越えます』『曲がります』など進行動作を随時伝え、患者の不安を和らげることも看護の基本。
車椅子移送の基本原則を問う。エレベーター・坂道・段差・移乗前フットレストの4つの典型場面でそれぞれの正解操作を覚える。
「体位・移動・活動」の関連問題
意識のない患者を寝かせるなら横向き!舌根沈下と回復体位のしくみ
意識低下時に上気道閉塞の原因となる「舌根沈下」を、どの体位が物理的に防げるかを問う問題。仰臥位では舌が後方へ落ち込みやすいのに対し、側臥位では重力で側方へ逃がせるという解剖学的・力学的な理由を押さえることがポイント。
115回
MMTは0〜5の6段階!「5が最強」を一発で覚える徒手筋力テスト攻略
徒手筋力テスト(MMT)の評価段階が0〜5の6段階であり、5が最強(正常筋力)であることを問う基本問題。数値が大きいほど筋力が強いという原則を覚えておけば解ける。
115回
股関節の内旋と外旋を「膝の振れ方」で見抜く!90/90肢位の回旋テスト
股関節90度屈曲位における回旋運動の見分け方を問う問題。「膝(下腿)が外側へ振れる=股関節内旋」「膝(下腿)が内側へ振れる=股関節外旋」という対応関係を、運動軸(水平面・大腿骨長軸まわり)の概念とともに理解できているかが問われます。
115回
なぜ膝の下に枕?ファウラー位の「ずれ落ち防止」を物理で理解する
ファウラー位で膝窩に枕を入れる目的を問う基本問題。半座位特有の「身体が足側にずり落ちる」という力学的特徴を理解しているかが解答の鍵。
115回
ノーリフトケアとスライディングシート ― 抱えない介助の基本
ノーリフトケアの定義(人力で持ち上げない介助)と、それを実現するための代表的福祉用具(スライディングシートなど)の関係を問う問題です。ボディメカニクスとの違いを区別できるかが鍵となります。
115回
