患者の自立支援―『やってあげる看護』からの卒業
看護師国家試験 第106回 午後 第78問
国試問題にチャレンジ
患者の自立支援で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1.不足している知識を補う。
- 2.発病前の生活習慣を尊重する。
- 3.支援目標を看護師があらかじめ定める。
- 4.できないことに焦点を当てて行動を修正する。
- 5.支援者である看護師が上位の関係が望ましい。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
看護の基本姿勢としての自立支援=『患者中心・対等・ストレングス・自己決定』を理解しているかを問う問題。看護師主導の姿勢はすべて不適切となる。
解答・解説
正解は1です
問題文:患者の自立支援で適切なのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 1 と 2 です。自立支援とは、患者が自分の意思で健康問題に取り組み、その人らしい生活を送れるように援助することです。看護師は患者の主体性・自己決定を尊重し、できる部分を引き出し、患者と対等な関係の中で伴走する立場を取ります。そのため、①不足している知識や技術を専門職として補うこと、②発病前の生活習慣や価値観を尊重して生活再構築を支援することが適切です。一方で、看護師が目標を一方的に決める、できないことばかり指摘する、上下関係を作るといった姿勢は、患者の主体性を奪い依存を招くため不適切です。
選択肢考察
- ○1. 不足している知識を補う。
患者が自己管理や意思決定を行うには正確な情報が必要。専門知識を分かりやすく補うことでセルフケア能力が高まり、自立につながる。
- ○2. 発病前の生活習慣を尊重する。
発病前の生活様式や価値観を尊重し、それに近い形で生活を再構築することは患者のアイデンティティと意欲を守り、自立支援の基本姿勢となる。
- ×3. 支援目標を看護師があらかじめ定める。
目標は患者自身が主体となり、看護師と共に話し合って決めるもの。看護師が一方的に決めると患者は受動的になり自立を妨げる。
- ×4. できないことに焦点を当てて行動を修正する。
できないことばかり指摘するとストレングスを見失い、自己効力感が低下する。できること・残された力(ストレングス)に注目し伸ばす視点が自立支援の基本。
- ×5. 支援者である看護師が上位の関係が望ましい。
看護師と患者はパートナーとして対等な関係で協働するのが望ましい。上下関係は患者の依存を助長し、自己決定権を侵害する。
自立支援の理論的背景にはエンパワメント、ストレングス視点、自己決定理論(SDT)、セルフケア理論(オレム)などがある。特に慢性疾患患者では『疾患を持ちながら自分らしく生きる』ための支援が求められ、患者教育・意思決定支援・アドボカシー(権利擁護)が看護の中心になる。介護保険法第1条にも『自立した日常生活を営むことができるよう支援すること』が理念として明記されており、超高齢社会の中で自立支援は政策的にも重要。
看護の基本姿勢としての自立支援=『患者中心・対等・ストレングス・自己決定』を理解しているかを問う問題。看護師主導の姿勢はすべて不適切となる。
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