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ラザルスのコーピング理論を超図解!「情動焦点型」と「問題焦点型」の見分け方

看護師国家試験 第115午前67

国試問題にチャレンジ

115午前67

仕事上のストレスに対して、ラザルスが提唱した情動焦点型のストレスコーピングはどれか。

  1. 1.好きな漫画を読む。
  2. 2.仕事に役立つ本で学習する。
  3. 3.休日も出勤して仕事を終わらせる。
  4. 4.同僚とプレゼンテーションの練習をする。

対話形式の解説

博士博士
今日はストレス対処の古典、ラザルス先生のコーピング理論を学ぶぞ。看護師にとっても、患者ケアにとっても外せない知識じゃ。
サクラサクラ
コーピングって「対処」って意味でしたよね。確か2種類あったような…
博士博士
その通り。心理学者ラザルスとフォルクマンは、ストレスへの対処を大きく「問題焦点型」と「情動焦点型」の2つに整理したのじゃ。
サクラサクラ
違いを忘れちゃいました…どう見分ければいいですか?
博士博士
シンプルじゃ。ストレッサー、つまり原因そのものに働きかけるのが問題焦点型。原因が生み出した不安や落ち込みなどの感情を和らげるのが情動焦点型じゃ。
サクラサクラ
なるほど!じゃあ「仕事が忙しい」というストレスに対して、業務改善や学習で挑むのが問題焦点型、漫画を読んだり深呼吸したりするのが情動焦点型ですね。
博士博士
ご名答!今回の問題では選択肢1の「好きな漫画を読む」が情動焦点型じゃ。仕事自体は何も変わらないが、楽しい気分で不快感情を中和しておるな。
サクラサクラ
2、3、4はどれも仕事という原因に直接アプローチしてる感じがします。学習も、休日出勤も、プレゼン練習も…
博士博士
その通り。全部、原因そのものを解消・軽減しようとする問題焦点型に分類されるのじゃ。
サクラサクラ
ところで先生、情動焦点型って「逃げ」っぽいイメージがありますが、悪いことじゃないんですか?
博士博士
良い疑問じゃ。実は状況によって有効性が変わる。コントロール可能なストレッサーには問題焦点型が、変えにくい状況(喪失体験や災害など)には情動焦点型が適応的とされておる。
サクラサクラ
ラザルスの理論では、対処の前に「認知的評価」というステップもありましたよね?
博士博士
よく覚えておったな。一次評価で「自分にとって脅威か」、二次評価で「どう対処できるか」を判断し、その上でコーピングが選択される。同じ出来事でも、人によって評価が違えばストレス度合いも変わるのじゃ。
サクラサクラ
看護師自身のストレス対策にも応用できそうですね。夜勤明けのリラクゼーションは情動焦点型ですか?
博士博士
まさにそれじゃ。看護師は人間関係・労務・命を預かる責任など慢性ストレスにさらされやすく、燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクが高い職業じゃ。問題焦点型と情動焦点型を場面で使い分けるセルフケアが不可欠じゃな。
サクラサクラ
患者さんの心理ケアにも使えますか?
博士博士
もちろん。例えばがん告知後の患者には、治療選択を一緒に考える(問題焦点型支援)と、感情を傾聴する(情動焦点型支援)の両面サポートが重要じゃ。
サクラサクラ
2つのコーピングは敵じゃなくて両輪なんですね。なんだか心が軽くなりました。

POINT

ラザルスのストレス・コーピング理論における「情動焦点型」と「問題焦点型」の区別を問う問題。ストレッサー自体への働きかけか、それによって生じた感情の調整かで判断する。

解答・解説

正解は1です

問題文:仕事上のストレスに対して、ラザルスが提唱した情動焦点型のストレスコーピングはどれか。

解説:正解は 1 です。アメリカの心理学者ラザルス(Lazarus, R.S.)とフォルクマン(Folkman, S.)は、人間がストレスにどう対処するか(コーピング)を「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」の2つに大別しました。情動焦点型コーピングとは、ストレッサーそのものを変えるのではなく、ストレッサーによって生じた不安・怒り・落ち込みなどの不快な感情を和らげることに焦点を当てた対処行動を指します。具体的には、気晴らし、リラクゼーション、認知的再評価、回避、社会的サポートの希求などが含まれます。選択肢1の「好きな漫画を読む」は、仕事のストレッサー自体には働きかけず、楽しい時間で気分転換を図る典型的な気晴らし行動であり、情動焦点型コーピングに該当します。

選択肢考察

  1. 1.  好きな漫画を読む。

    仕事という原因そのものには手をつけず、漫画を読んで楽しい感情を生み出し、不安や緊張を和らげる気晴らし(ディストラクション)にあたる。これはまさにラザルスのいう情動焦点型コーピングである。

  2. ×2.  仕事に役立つ本で学習する。

    知識やスキルを高めて仕事の困難そのものを解決しようとする行動であり、ストレッサーに直接働きかける問題焦点型コーピングに分類される。

  3. ×3.  休日も出勤して仕事を終わらせる。

    未処理の業務というストレス源を物理的に減らそうとする対処であり、ストレッサーそのものへの直接的な働きかけにあたる問題焦点型コーピングである。

  4. ×4.  同僚とプレゼンテーションの練習をする。

    プレゼンを成功させる能力を高めることで困難の原因を解消しようとする行為であり、技能習得・準備を通じてストレッサーに働きかける問題焦点型コーピングに該当する。

ラザルスとフォルクマンの心理学的ストレス理論では、ストレッサーに遭遇すると、まず「自分にとって脅威か(一次評価)」を判断し、次に「どう対処できるか(二次評価)」を見積もり、その評価に応じてコーピングが選択されると説明される。問題焦点型は状況を変えられる場合に有効で、情動焦点型は状況を変えにくい場合(喪失体験や重大疾患の宣告など)に適応的に働きやすい。両者は対立するものではなく、状況に応じて柔軟に使い分け・併用することが心身の健康維持につながる。看護師は長時間労働・夜勤・人間関係などの慢性ストレスにさらされやすく、燃え尽き症候群(バーンアウト)予防の観点から、自分自身のコーピングレパートリーを増やす視点が重要となる。

ラザルスのストレス・コーピング理論における「情動焦点型」と「問題焦点型」の区別を問う問題。ストレッサー自体への働きかけか、それによって生じた感情の調整かで判断する。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。