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閉じた質問と開かれた質問―看護面接の基本テクニックを使い分けよう

看護師国家試験 第115午後18 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午後18

患者との面接技法で閉じた質問〈closed question〉はどれか。

  1. 1.「気分はいかがですか」
  2. 2.「背中の痛みはないですか」
  3. 3.「どのようなことが不安ですか」
  4. 4.「ご家族は何と言っていましたか」

対話形式の解説

博士博士
今回は面接技法の基本、「閉じた質問」と「開かれた質問」について学ぶぞ。看護の現場で毎日使う技術じゃから、しっかり整理するのじゃ。
サクラサクラ
閉じた質問って、どんな質問のことですか?
博士博士
閉じた質問(closed question)は、「はい」「いいえ」や一語で答えられるように作られた質問じゃ。例えば「痛みはありますか?」「お薬は飲みましたか?」のようなものじゃな。
サクラサクラ
なるほど、答えがシンプルになる質問ですね。逆に開かれた質問は?
博士博士
開かれた質問(open question)は「どのように」「何を」「どう感じる」など、患者さんが自由に自分の言葉で答えられる質問じゃ。「今日の体調はいかがですか?」「どんなことが心配ですか?」がその典型じゃよ。
サクラサクラ
今回の問題だと、「背中の痛みはないですか」が閉じた質問にあたるんですね。
博士博士
その通り!痛みの有無を「ある/ない」で答えてもらう、まさに閉じた質問の典型じゃ。一方、「気分はいかがですか」「どのようなことが不安ですか」「ご家族は何と言っていましたか」は、答えが自由記述になるから開かれた質問じゃな。
サクラサクラ
ふむふむ。でも、どちらを使えばいいか迷いそうです。場面によって使い分けるんですか?
博士博士
鋭いの。閉じた質問は、症状の確認や同意の取得、緊急時のアセスメントなど、短時間で正確な情報が欲しいときに向いておる。例えば救急の場で「胸の痛みはありますか?」と聞けば、すぐ判断につながるじゃろ?
サクラサクラ
確かに、意識がもうろうとしている患者さんやお子さんにも答えやすそうですね。
博士博士
そうじゃ。一方で閉じた質問ばかりだと、まるで尋問のようになって患者さんが心を閉ざしてしまうこともある。患者さんの思いや背景を理解したいときは、開かれた質問で語ってもらうのが基本じゃ。
サクラサクラ
じゃあ実際の面接ではどう組み立てるんですか?
博士博士
「漏斗型(じょうごがた)」と言って、最初は開かれた質問で全体像を聞き、徐々に閉じた質問で詳細を絞り込んでいく流れが推奨されておる。さらに傾聴・受容・共感・うなずき・沈黙・反復・要約といった技法も組み合わせるのじゃ。
サクラサクラ
傾聴・受容・共感…言葉では聞いたことがあります。それぞれどう違うんですか?
博士博士
傾聴は相手の話に注意深く耳を傾けること。受容はその人をあるがままに受け止めること。共感は相手の感情を自分のことのように理解しようとする姿勢じゃ。看護面接ではこの3つが土台になる。
サクラサクラ
ところで、SBARっていう用語も聞きますが、これも面接技法なんですか?
博士博士
ええ質問じゃ。SBAR(Situation・Background・Assessment・Recommendation)は医療者間で情報を簡潔に伝えるためのコミュニケーションツールで、患者さんとの面接技法とは別物じゃ。混同しないように気をつけるのじゃぞ。
サクラサクラ
なるほど、相手が誰かによって技法も変わるんですね。患者さんとの面接では、閉じた質問と開かれた質問を意識して使い分けたいです。
博士博士
その姿勢が大切じゃ。質問の形ひとつで、引き出せる情報も患者さんの安心感も大きく変わる。看護師にとって面接技法は、聴診器と同じくらい大事な「道具」なのじゃよ。

POINT

閉じた質問と開かれた質問の定義と特徴を区別できるかを問う問題。「はい/いいえ」で答えられる質問が閉じた質問であるという基本を押さえる。

解答・解説

正解は2です

問題文:患者との面接技法で閉じた質問〈closed question〉はどれか。

解説:正解は 2 です。閉じた質問(closed question)とは、相手が「はい」「いいえ」あるいは一語・短い言葉で答えられるように構成された質問形式を指す。回答者の負担が少なく、症状の有無・既往歴の確認・意思確認など、事実関係を短時間で正確に把握したい場面で有効である。選択肢2「背中の痛みはないですか」は、痛みの有無を問うており「はい/いいえ」で回答が完結する典型的な閉じた質問にあたる。一方、選択肢1・3・4はいずれも患者自身の言葉で自由に語ることを促す「開かれた質問(open question)」であり、回答内容が制限されない点で対照的である。

選択肢考察

  1. ×1.  「気分はいかがですか」

    「いかがですか」と尋ねることで、患者が自分の言葉で気分や体調の感じ方を自由に表現できる開かれた質問。相手の主観や心情を引き出したいときに用いられ、ラポール形成や心理的アセスメントの導入に適する。

  2. 2.  「背中の痛みはないですか」

    痛みの有無を尋ねており「ある/ない」「はい/いいえ」で答えられる閉じた質問。症状の確認やスクリーニング、緊急時など短時間で情報を得たい場面で有用。意識レベルが低下した患者や子ども、コミュニケーションが困難な対象者にも答えやすい点が長所である。

  3. ×3.  「どのようなことが不安ですか」

    「どのような」と問うことで、不安の内容・背景・感情を患者自身の言葉で語ってもらう開かれた質問。心理面のアセスメントや看護問題の明確化、患者の価値観・思いを把握する際に重要となる。

  4. ×4.  「ご家族は何と言っていましたか」

    家族の発言内容を自由に語ってもらう開かれた質問。家族関係や患者の社会的背景、サポート体制をアセスメントするのに役立ち、情報量が多く得られる。

面接技法では閉じた質問と開かれた質問を場面に応じて使い分けることが重要である。閉じた質問は「短時間で確認したい」「意思決定や同意確認」「緊急性の判断」などに有効だが、多用すると会話が誘導的・尋問的になり、患者の語りを制限してしまう恐れがある。一方、開かれた質問は患者の主体性や感情・価値観を引き出すのに適するが、認知機能低下例や疲労が強い患者には負担となる場合がある。実際の臨床面接では、開かれた質問で全体像を捉えた後、閉じた質問で詳細を確認する「漏斗(じょうご)型」の構造が推奨される。あわせて傾聴・受容・共感・沈黙の活用・うなずき・繰り返し(反復)・要約・明確化といった基本技法を組み合わせることで、患者中心のコミュニケーションが成立する。なお、SBAR(Situation・Background・Assessment・Recommendation)は医療者間の情報伝達ツールであり、患者面接の技法とは目的・場面が異なる点に注意したい。

閉じた質問と開かれた質問の定義と特徴を区別できるかを問う問題。「はい/いいえ」で答えられる質問が閉じた質問であるという基本を押さえる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。