漸進的筋弛緩法とは?筋肉を「ぎゅっ→ふわっ」で心まで緩める看護技術
看護師国家試験 第115回 午後 第37問
国試問題にチャレンジ
漸進的筋弛緩法の目的はどれか。
- 1.緊張の緩和
- 2.褥瘡の予防
- 3.片麻痺の改善
- 4.全身麻酔の導入
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
漸進的筋弛緩法というリラクセーション技法の目的を問う基礎的な看護技術問題。「収縮と弛緩の対比により心身の緊張を緩める」という本来の目的を押さえているかがポイント。
解答・解説
正解は1です
問題文:漸進的筋弛緩法の目的はどれか。
解説:正解は 1 です。漸進的筋弛緩法(Progressive Muscle Relaxation:PMR)は、1929年に米国の生理学者エドモンド・ジェイコブソン(E. Jacobson)が体系化したリラクセーション法で、身体各部位の筋肉を意図的に「強く緊張させてから一気に脱力する」動作を順番に繰り返すことで、筋緊張と心理的緊張の両方を軽減することを目的とする技法である。骨格筋の緊張は交感神経の興奮と連動しているため、随意的に筋を弛緩させると副交感神経が優位となり、心拍・呼吸・血圧が落ち着き、不安・ストレス・不眠などの軽減につながる。したがって「緊張の緩和」が漸進的筋弛緩法の本来の目的に最も合致する。
選択肢考察
- ○1. 緊張の緩和
漸進的筋弛緩法は手・腕・肩・顔・胸腹・脚など全身の筋群を順序立てて「収縮→弛緩」させ、その対比的な感覚を通して筋緊張を解き、心身のリラクセーションを得る技法である。不安・ストレス・不眠・慢性疼痛の緩和、術前不安や化学療法に伴う悪心・不安の軽減などに広く活用されており、「緊張の緩和」が最も適切な目的である。
- ×2. 褥瘡の予防
褥瘡予防は、体位変換、圧再分配マットレスの使用、栄養状態の改善、皮膚の清潔と保湿などによって行うものであり、漸進的筋弛緩法の目的ではない。
- ×3. 片麻痺の改善
片麻痺の改善には、理学療法・作業療法による運動療法、CI療法、装具療法などの神経リハビリテーションが用いられる。漸進的筋弛緩法は麻痺そのものの回復を目指す訓練ではない。
- ×4. 全身麻酔の導入
全身麻酔の導入は静脈麻酔薬(プロポフォール等)や吸入麻酔薬、筋弛緩薬(ロクロニウム等)を用いて行う医学的処置であり、漸進的筋弛緩法とは全く異なる概念である。
漸進的筋弛緩法は10〜20秒程度の筋収縮(約70%程度の力)と20〜30秒程度の弛緩を、手→上腕→肩→顔面→頸→胸腹部→下肢へと順に行うのが基本手順である。実施前後で呼吸を整え、静かな環境で楽な姿勢(仰臥位または椅座位)で行う。自律訓練法、呼吸法、イメージ療法、マインドフルネスなどと並ぶ代表的なリラクセーション技法であり、看護介入分類(NIC)にも位置付けられている。一方で、急性疼痛がある部位、筋骨格系の急性炎症、高度の循環器疾患、コントロール不良の高血圧などでは収縮負荷の影響を考慮し、医師と相談のうえ実施可否や強度を調整する。
漸進的筋弛緩法というリラクセーション技法の目的を問う基礎的な看護技術問題。「収縮と弛緩の対比により心身の緊張を緩める」という本来の目的を押さえているかがポイント。
「コミュニケーション・対人関係」の関連問題
閉じた質問と開かれた質問―看護面接の基本テクニックを使い分けよう
閉じた質問と開かれた質問の定義と特徴を区別できるかを問う問題。「はい/いいえ」で答えられる質問が閉じた質問であるという基本を押さえる。
115回
筆談ができるのは誰?失語症と構音障害の決定的な違い
言語機能(理解・表出・読み書き)が保たれているか否かで筆談の適否が決まる。構音障害は「話せないが書ける」状態の代表であり、筆談が最も適する。
115回
ラザルスのコーピング理論を超図解!「情動焦点型」と「問題焦点型」の見分け方
ラザルスのストレス・コーピング理論における「情動焦点型」と「問題焦点型」の区別を問う問題。ストレッサー自体への働きかけか、それによって生じた感情の調整かで判断する。
115回
フィンクの危機モデル4段階を一気に整理 ―最終段階「適応」までの心の旅路
フィンクの危機モデルが「衝撃→防御的退行→承認→適応」の4段階で構成され、最終段階が「適応」であることを覚えているかを問う知識問題。
114回
腹式呼吸でなぜリラックスできる?副交感神経を味方につける
リラクセーションを目的とした腹式呼吸の正しい実施方法を問う問題。深くゆっくり、呼気を長く、呼吸への意識集中がポイント。
114回
