ヨード制限食はなぜ必要?甲状腺シンチグラフィの原理から学ぶ食事管理
看護師国家試験 第106回 午前 第41問
国試問題にチャレンジ
ヨード制限食が提供されるのはどれか。
- 1.甲状腺シンチグラフィ
- 2.慢性腎不全( chronic renal failure )の治療
- 3.肝臓の庇護
- 4.貧血( anemia )の治療
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
放射性ヨードを用いる検査・治療の前には、食事由来のヨードが甲状腺取り込みを妨げないよう制限食が必要になるという原則を理解しているかを問う問題。
解答・解説
正解は1です
問題文:ヨード制限食が提供されるのはどれか。
解説:正解は 1 です。ヨード(ヨウ素)は甲状腺ホルモン(T3・T4)の構成元素であり、摂取すると甲状腺に選択的に取り込まれる性質がある。甲状腺シンチグラフィは放射性ヨード(通常¹²³Iなど)を経口投与または注射し、甲状腺への集積度合いをガンマカメラで画像化する核医学検査である。検査前に通常のヨード含有食(海藻類、貝類、ヨード含有うがい薬など)を摂取すると、体内のヨードプールが飽和してしまい放射性ヨードの甲状腺への取り込みが低下するため、検査精度が著しく損なわれる。そのため検査の1週間前程度からヨード制限食が必要となる。
選択肢考察
- ○1. 甲状腺シンチグラフィ
放射性ヨードを用いた甲状腺の機能・形態評価検査。食事由来のヨードが甲状腺に取り込まれると正確な集積率が測定できなくなるため、検査前1週間程度のヨード制限食が必要となる。
- ×2. 慢性腎不全( chronic renal failure )の治療
慢性腎不全の食事療法で制限されるのは塩分・カリウム・タンパク質・リン・水分などであり、ヨードは制限項目ではない。
- ×3. 肝臓の庇護
肝庇護を目的とした食事ではアルコールを避け、適正エネルギーと良質なタンパク質を中心にバランスを整える。ヨード制限は関係しない。
- ×4. 貧血( anemia )の治療
貧血の食事療法では鉄分・タンパク質・ビタミンB12・葉酸・ビタミンCなどの補給が中心で、ヨードの制限は行わない。
ヨードを多く含む代表的な食品は昆布・わかめ・ひじき・のりなどの海藻類、たらこ・貝類、ヨード卵、ヨードを含むうがい薬(ポビドンヨード)、造影剤などである。甲状腺シンチグラフィのほか、バセドウ病に対するアイソトープ治療(放射性ヨウ素内用療法)や分化型甲状腺癌の術後補助療法でも検査・治療前のヨード制限が必須となる。また、造影CT後には体内のヨード量が増えるため、甲状腺関連の核医学検査は一定期間空ける必要がある点も覚えておきたい。
放射性ヨードを用いる検査・治療の前には、食事由来のヨードが甲状腺取り込みを妨げないよう制限食が必要になるという原則を理解しているかを問う問題。
「医療安全・その他」の関連問題
腰椎穿刺は「エビになる」が合言葉!椎間を開く体位の極意
腰椎穿刺における適切な患者体位を問う問題。「側臥位で背中を丸め、両膝を抱える(海老のような体位)」によって棘突起間を最大限に開大させる、という基本原則が解答の鍵となる。
115回
けいれん発作、最初に守るべきは「気道」!救急ABCで考える初期対応
けいれん発作時の初期対応において何を最優先するかを問う問題。救急のABC(気道→呼吸→循環)の原則に従い、生命維持に直結する気道確保が最優先であることを押さえる。
115回
見逃すな!「死戦期呼吸」がBLSで心停止と判断するカギ
BLSで心停止を判断するための所見は何かを問う問題。反応なし+呼吸なしまたは死戦期呼吸という二つの要素から心停止を見抜けるかがポイントとなる。
115回
超音波検査の事前準備をマスターしよう
超音波検査の各部位における事前準備と体位の組合せが正しく理解できているかを問う問題です。特に腹部領域における『胆嚢=絶食、膀胱=蓄尿』という対比が解答の鍵になります。
115回
4歳女児の不明熱精査!骨髄穿刺の体位・採取部位・検査後ケアを徹底整理
小児の骨髄穿刺における穿刺部位と体位、採取部位、検査前後の処置の正確な理解を問う問題。上後腸骨棘穿刺=腹臥位(または側臥位)、骨髄液は骨髄腔から採取、穿刺後は圧迫止血が基本という3点が要となる。
115回
