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4歳女児の不明熱精査!骨髄穿刺の体位・採取部位・検査後ケアを徹底整理

看護師国家試験 第115午後62

国試問題にチャレンジ

115午後62

Aちゃん(4歳、女児)は1か月前から発熱が続いており、大学病院に紹介され入院した。静脈麻酔で鎮静して骨髄穿刺を行うこととなった。 検査に際して適切なのはどれか。

  1. 1.穿刺部位が上後腸骨棘のとき、体位は腹臥位である。
  2. 2.骨髄液は骨膜から採取される。
  3. 3.穿刺直後の穿刺部位はヨード系消毒薬で消毒する。
  4. 4.検査終了後12時間は水平仰臥位を保つ。

対話形式の解説

博士博士
今回は4歳のAちゃんが1か月続く発熱で入院し、骨髄穿刺を受ける場面じゃ。小児の不明熱では何を鑑別するかわかるかの?
サクラサクラ
えっと…感染症はもちろんですが、長引く発熱だと白血病とか悪性リンパ腫みたいな血液腫瘍も心配ですよね。
博士博士
その通りじゃ。膠原病や神経芽腫なども鑑別に挙がる。だからこそ骨髄を直接調べる骨髄穿刺で、造血の状態や腫瘍細胞の有無を確認するのじゃよ。
サクラサクラ
骨髄穿刺ってどこに針を刺すんですか?
博士博士
第一選択は上後腸骨棘、いわゆるPSISじゃ。腰のうしろ、ベルトの少し上あたりで触れる出っ張りじゃな。表層から触知しやすくて、周囲に大血管や神経が少ないから安全性が高いんじゃ。
サクラサクラ
あっ、じゃあそこに針を刺すには、患者さんはどんな体位になるんですか?
博士博士
穿刺部位を上に向けて露出させる必要があるから、腹臥位、または穿刺側を上にした側臥位で行う。これが選択肢1が正解の理由じゃな。
サクラサクラ
なるほど!前腸骨棘や胸骨から刺すこともあるんですか?
博士博士
前腸骨棘なら仰臥位、胸骨穿刺も仰臥位で行う。ただし胸骨は心臓や大血管が近くて心タンポナーデのリスクがあるから、小児ではまず使わん。乳児では脛骨を選ぶこともあるぞ。
サクラサクラ
選択肢2の「骨髄液は骨膜から採取される」というのは…骨膜って骨の表面の膜ですよね?
博士博士
ええ視点じゃ。骨髄液は骨皮質を貫いた先の海綿骨内にある骨髄腔から採取するんじゃ。骨膜には造血組織はない。ただし骨膜は痛みを強く感じる場所なので、局所麻酔のときは骨膜まで麻酔薬を浸潤させるのが大事じゃよ。
サクラサクラ
選択肢3はどうですか?穿刺直後にヨード系消毒薬で消毒するっていうのは違うんですよね?
博士博士
ヨード系消毒薬は穿刺「前」の皮膚消毒に使うものじゃ。穿刺直後は滅菌ガーゼで数分間しっかり圧迫止血して、出血が止まったのを確認してから絆創膏で保護する。これが基本の流れじゃな。
サクラサクラ
選択肢4の「12時間水平仰臥位」というのも、骨髄穿刺では不要なんですか?
博士博士
その通り。骨髄穿刺後は圧迫止血と1〜2時間ほどの安静で十分じゃ。12時間水平仰臥位って聞くと腰椎穿刺の後と混同しがちじゃが、あれは低髄圧性頭痛を防ぐためのものじゃから、しっかり区別するのじゃよ。
サクラサクラ
Aちゃんは4歳ですが、静脈麻酔で鎮静するんですよね。看護師としてはどんな配慮が必要ですか?
博士博士
プレパレーションが本当に大切じゃ。絵本や人形を使って「ちょっとチクッとするけど寝てる間に終わるよ」と発達段階に合わせて説明し、家族の同席や好きなぬいぐるみの持参を許可する。鎮静中は呼吸抑制に注意し、SpO2や呼吸回数を継続モニタリングするんじゃぞ。
サクラサクラ
検査後の観察ポイントはなんですか?
博士博士
穿刺部位の出血や血腫の有無、覚醒状態、呼吸・循環の安定、疼痛、そして感染徴候としての発熱や発赤じゃな。家族にも入浴の可否や活動制限を具体的に伝えることが退院支援につながるぞ。
サクラサクラ
部位・体位・採取場所・検査後の止血まで、ひとつひとつの根拠がよくわかりました!

POINT

小児の骨髄穿刺における穿刺部位と体位、採取部位、検査前後の処置の正確な理解を問う問題。上後腸骨棘穿刺=腹臥位(または側臥位)、骨髄液は骨髄腔から採取、穿刺後は圧迫止血が基本という3点が要となる。

解答・解説

正解は1です

問題文:Aちゃん(4歳、女児)は1か月前から発熱が続いており、大学病院に紹介され入院した。静脈麻酔で鎮静して骨髄穿刺を行うこととなった。 検査に際して適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。骨髄穿刺の穿刺部位として小児・成人で第一選択となるのが上後腸骨棘(PSIS)で、この部位を選択した場合は腹臥位、または穿刺側を上にした側臥位で実施する。腸骨は表層から触知しやすく、周囲に大血管や神経・臓器が少ないため安全性が高く、骨髄液量も十分に採取できる。なお前腸骨棘(ASIS)から穿刺する場合は仰臥位、胸骨穿刺は仰臥位で行うが、胸骨は心タンポナーデなどの重篤な合併症リスクがあるため、4歳児では基本的に選択されない。

選択肢考察

  1. 1.  穿刺部位が上後腸骨棘のとき、体位は腹臥位である。

    上後腸骨棘(PSIS)からの穿刺では、穿刺部位を上向きに露出させる必要があるため、腹臥位または側臥位で行う。4歳児では体格が小さく安定した体位保持が難しいため、鎮静下で腹臥位を取らせ、枕やバスタオルを骨盤前面に当てて穿刺部位を浮かせると操作しやすい。

  2. ×2.  骨髄液は骨膜から採取される。

    骨髄液は骨皮質を貫いた先の海綿骨内にある「骨髄腔」から採取する。骨膜は骨表面を覆う薄い結合組織膜であり、造血機能を担う骨髄組織は存在しない。骨膜は知覚神経が豊富で痛みを強く感じる部位であるため、局所麻酔時には骨膜への浸潤が重要となる。

  3. ×3.  穿刺直後の穿刺部位はヨード系消毒薬で消毒する。

    ヨード系消毒薬(ポビドンヨードなど)は穿刺前の皮膚消毒に用いるものであり、穿刺直後の処置としては適切ではない。検査直後は針を抜いた部位を滅菌ガーゼで数分間しっかり圧迫止血し、出血が止まったことを確認してから絆創膏や保護ドレッシングで固定する。

  4. ×4.  検査終了後12時間は水平仰臥位を保つ。

    骨髄穿刺後は穿刺部位の圧迫止血と1〜2時間程度の安静で十分であり、12時間もの水平仰臥位保持は不要である。なお腰椎穿刺(髄液採取)の後は低髄圧性頭痛を予防するため数時間の水平臥床が推奨されるが、骨髄穿刺と混同しないよう注意する。

小児の骨髄穿刺は不明熱や血球異常の精査において、白血病・神経芽腫・再生不良性貧血など重要な鑑別を行うために実施される。4歳児では検査の意味を十分に理解できないうえ、痛みや恐怖から体動が大きくなるため、静脈麻酔による鎮静下で安全に行うのが一般的である。看護師は検査前にプレパレーション(年齢に応じた絵本や人形を用いた事前説明)を行い、家族の同席や好きなぬいぐるみの持参を許可するなど心理的ケアを工夫する。検査後は穿刺部位の出血・血腫・感染徴候、覚醒状況、呼吸状態、疼痛の有無を観察し、絶飲食解除のタイミングや活動制限について家族にも具体的に指導する。

小児の骨髄穿刺における穿刺部位と体位、採取部位、検査前後の処置の正確な理解を問う問題。上後腸骨棘穿刺=腹臥位(または側臥位)、骨髄液は骨髄腔から採取、穿刺後は圧迫止血が基本という3点が要となる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。