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腰椎穿刺は「エビになる」が合言葉!椎間を開く体位の極意

看護師国家試験 第115午前16 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前16

腰椎穿刺の体位を図に示す。 適切な体位はどれか。

問題画像
  1. 1.1.
  2. 2.2.
  3. 3.3.
  4. 4.4.

対話形式の解説

博士博士
今日は腰椎穿刺の体位について学ぶぞ。図を見て、どれが正解だと思うかの?
サクラサクラ
えーと、側臥位で背中をぎゅっと丸めて、膝を抱え込んでいる2番の絵が正解だと思います!
博士博士
お見事、正解じゃ。腰椎穿刺は別名ルンバールとも呼ばれ、くも膜下腔に針を刺して髄液を採取したり、薬剤を注入したりする手技じゃ。なぜ背中を丸める必要があるか、わかるかの?
サクラサクラ
うーん…腰の骨と骨の間を広げるためですか?
博士博士
その通りじゃ!腰椎には生理的な前彎、つまり前にカーブする弯曲があってな、まっすぐ寝ていると棘突起という骨の出っ張り同士が接近して、針の通り道がほとんどなくなってしまうのじゃ。
サクラサクラ
だから背中を丸めて、その前彎を打ち消して、骨と骨の間を開くんですね!
博士博士
うむ。両膝を腹に引き寄せ、顎を胸につけるように丸まる姿勢を「海老姿勢」とか「胎児様体位」と呼ぶ。これで棘突起間が最大限に開大するのじゃ。
サクラサクラ
穿刺する場所って、腰のどのあたりなんですか?脊髄を傷つけないか心配です。
博士博士
良い視点じゃ。成人の脊髄はL1からL2の高さで終わる「脊髄円錐」になっておる。だから穿刺はそれより下、L3とL4の間、あるいはL4とL5の間で行う。目印は両側の腸骨稜の上縁を結ぶ「ヤコビー線」で、これがちょうどL4棘突起あたりを通るのじゃ。
サクラサクラ
なるほど、解剖学的なランドマークを使うんですね。看護師は手技中に何をするんですか?
博士博士
看護師の役割は重要じゃぞ。患者の頸の後ろと膝窩に手を添えて、丸まった姿勢を保持できるよう介助する。患者は不安や痛みで動きたくなるから、声かけと体位保持が安全の要じゃ。
サクラサクラ
手技が終わったあとのケアも気になります。
博士博士
穿刺後は髄液が漏れて頭蓋内圧が下がり、低髄圧性頭痛が起きやすい。だから原則1〜2時間程度は水平仰臥位で安静にし、水分摂取を促す。頭痛、嘔気、下肢のしびれや麻痺の有無も経時的にチェックするのじゃ。
サクラサクラ
体位だけじゃなく、前後の観察まで看護師の仕事なんですね。
博士博士
その通り。腰椎穿刺は髄膜炎の診断、くも膜下出血の精査、抗がん剤の髄注など幅広く行われる重要な手技じゃ。体位ひとつで成功率も安全性も大きく変わる、看護の力が試される場面なのじゃよ。
サクラサクラ
「エビになる」体位、しっかり覚えました!

POINT

腰椎穿刺における適切な患者体位を問う問題。「側臥位で背中を丸め、両膝を抱える(海老のような体位)」によって棘突起間を最大限に開大させる、という基本原則が解答の鍵となる。

解答・解説

正解は2です

問題文:腰椎穿刺の体位を図に示す。 適切な体位はどれか。

解説:正解は 2 です。腰椎穿刺は、第3〜4腰椎間または第4〜5腰椎間(ヤコビー線を目安にL3/4あるいはL4/5)から穿刺針を刺入し、くも膜下腔の髄液を採取あるいは薬剤を注入する手技である。脊髄は通常L1〜L2の高さで終わるため、これより下方であれば脊髄損傷のリスクを避けられる。穿刺をスムーズかつ安全に行うには、棘突起間(椎間)をできるだけ広く開く必要があり、そのために側臥位で背中を強く丸め、両膝を腹部に引き寄せて顎を胸に近づける「エビのように丸まる」体位(海老姿勢、胎児様体位)をとる。この姿勢は腰椎の生理的前彎を解消し、棘突起間を最大限に開大させるため、穿刺針の刺入角度が確保しやすく、手技時間の短縮と合併症予防につながる。図の2はまさにこの体位を示している。

選択肢考察

  1. ×1.  1.

    背中が伸びていたり、膝の引き寄せが不十分であったりすると、腰椎の前彎が残ったままになり棘突起間が狭く、穿刺針が骨に当たって刺入できない。腰椎穿刺の体位としては不適切である。

  2. 2.  2.

    側臥位で背中を強く丸め、両膝を抱え込むようにして顎を胸に引き寄せた体位。腰椎の生理的前彎が解消され棘突起間が最大限に開大するため、穿刺針の刺入経路が確保できる。腰椎穿刺の標準的かつ最も適切な体位である。

  3. ×3.  3.

    体幹が伸展している、あるいは膝が伸びているなど、椎間を開く工夫が不十分な体位。棘突起同士が接近して針の通り道が狭くなり、刺入が困難で合併症のリスクも高まるため不適切である。

  4. ×4.  4.

    腹臥位や仰臥位など、腰椎穿刺の手技に適さない体位。背中を丸めて椎間を広げる動作ができず、穿刺部位の視認やランドマーク(ヤコビー線)の確認も困難となるため適切ではない。

腰椎穿刺の穿刺部位は、両側の腸骨稜上縁を結ぶヤコビー(Jacoby)線がL4棘突起またはL3/4椎間に当たることを目安に、L3/4またはL4/5棘突起間を選ぶ。成人の脊髄は通常L1〜L2の高さで終わる(脊髄円錐)ため、それより下位で穿刺することで脊髄損傷を避けられる。看護師は手技中、患者が動かないよう体位保持を介助し、膝窩と頸部に手を添えて「背中を丸める」姿勢を維持する。穿刺後は髄液漏に伴う低髄圧性頭痛を予防するため、原則として1〜2時間程度の水平仰臥位安静を保ち、十分な水分摂取を促す。バイタルサインや下肢の運動・感覚、頭痛の有無を経時的に観察することも重要である。

腰椎穿刺における適切な患者体位を問う問題。「側臥位で背中を丸め、両膝を抱える(海老のような体位)」によって棘突起間を最大限に開大させる、という基本原則が解答の鍵となる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。