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けいれん発作、最初に守るべきは「気道」!救急ABCで考える初期対応

看護師国家試験 第115午後25 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午後25

全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うのはどれか。

  1. 1.気道確保
  2. 2.周囲の環境整備
  3. 3.末梢静脈路の確保
  4. 4.心電図モニターの装着
  5. 5.舌や口唇の咬傷の予防

対話形式の解説

博士博士
今回は全身性けいれん発作を起こしている患者への初期対応について学ぶぞ。救急現場で必ず問われる超重要テーマじゃ。
サクラサクラ
目の前で人が突然けいれんし始めたら、正直パニックになりそうです…。何から手を付ければいいんですか?
博士博士
よい問いじゃ。救急対応の大原則は「ABC」じゃ。Airway(気道)、Breathing(呼吸)、Circulation(循環)の順に評価・確保するという考え方じゃな。
サクラサクラ
つまり一番最初は気道、ということですか。
博士博士
その通り。けいれん発作中は、呼吸筋の不随意収縮や舌根沈下、唾液や分泌物の貯留で気道が容易に塞がる。短時間でも低酸素になれば脳への影響が大きいから、まず気道確保が最優先じゃ。
サクラサクラ
具体的にはどうやって気道を確保するんですか?
博士博士
無理のない範囲で顔を横に向け、可能なら側臥位(回復体位)にする。これで唾液や吐物が外へ流れ出てくれる。さらに襟元やベルトを緩め、義歯があれば外す。けいれんが落ち着けば頭部後屈・下顎挙上で気道を保つのじゃ。
サクラサクラ
昔ドラマで見たような「舌を噛まないように口の中に箸を入れる」っていうのは…?
博士博士
絶対にやってはいけない!歯が折れたり、介助者の指を噛まれたり、嘔吐を誘発して逆に窒息を招く。バイトブロックも今は推奨されておらん。咬傷は発作の一瞬で起きてしまうので、後から物を入れても予防にはならんのじゃ。
サクラサクラ
なるほど…。じゃあ「周囲の環境整備」や「静脈路確保」「心電図モニター」はどのタイミングで?
博士博士
どれも大切じゃが、気道の次じゃ。周囲の鋭利な物を遠ざけたり頭の下にやわらかい物を敷くのは外傷予防として並行して行う。静脈路はジアゼパムなどの抗けいれん薬投与のために必要じゃが、激しい体動下では穿刺自体が危険。モニターはバイタル評価のために順次装着していく。
サクラサクラ
優先順位を整理すると、(1)安全と気道、(2)呼吸とSpO2、(3)循環・静脈路・薬剤、という流れですね。
博士博士
その通りじゃ。あわせて「発作の観察」も忘れてはならん。開始時刻、持続時間、けいれんの型(強直性か間代性か)、左右差、眼球偏位、チアノーゼ、尿失禁の有無などは、後の診断や治療方針の決定に直結する重要情報じゃ。
サクラサクラ
けいれんって、どのくらい続いたら危険なんですか?
博士博士
5分以上続くか、意識が戻らないまま発作を繰り返す場合は「けいれん重積状態」と判断する。脳障害のリスクが急上昇するので、ジアゼパムやロラゼパムの静注を含む緊急治療が必要じゃ。看護師は速やかに医師を呼び、薬剤・気管挿管の準備に動く役割を担う。
サクラサクラ
発作が止まった後はどうケアすればいいですか?
博士博士
発作後は意識が朦朧とする「postictal state(発作後もうろう状態)」になることが多い。誤嚥防止のため側臥位を維持し、SpO2やバイタル、瞳孔、麻痺の有無を継続観察する。患者は混乱したり不穏になることもあるので、安心できる声かけと安全確保が大事じゃ。
サクラサクラ
気道確保が最優先、口に物を入れない、押さえつけない、観察する——この4つを必ず覚えておきます。

POINT

けいれん発作時の初期対応において何を最優先するかを問う問題。救急のABC(気道→呼吸→循環)の原則に従い、生命維持に直結する気道確保が最優先であることを押さえる。

解答・解説

正解は1です

問題文:全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うのはどれか。

解説:正解は 1 です。全身性けいれん発作中の患者では、咬筋や呼吸筋の不随意収縮、唾液や分泌物の貯留、舌根沈下などが起こり、低酸素血症や窒息のリスクが急速に高まる。救急対応の原則であるABCアプローチ(Airway=気道、Breathing=呼吸、Circulation=循環)に従い、最優先で確保すべきは気道(A)である。具体的には頭部後屈・下顎挙上、顔を横に向けて分泌物・吐物の流れを助ける、衣服の襟元を緩める、可能であれば側臥位(回復体位)にして気道を確保し、酸素投与の準備を行う。けいれん中は無理に体を押さえつけたり、口の中に物を入れたりしてはならない。

選択肢考察

  1. 1.  気道確保

    正解。けいれん発作では呼吸筋の不規則な収縮や舌根沈下、分泌物貯留などにより低酸素血症を来しやすく、救急対応のABCの原則で最優先となるのは気道(Airway)の確保である。顔を横に向ける、側臥位(回復体位)にする、頭部後屈・下顎挙上を行うなどして気道を保ち、必要に応じて吸引・酸素投与を行う。

  2. ×2.  周囲の環境整備

    けいれん中の二次外傷予防(鋭利な物・硬い物を遠ざける、頭部の下にやわらかい物を入れるなど)は重要だが、生命維持に直結する気道確保よりは優先度が下がる。安全確保と並行して行う対応である。

  3. ×3.  末梢静脈路の確保

    ジアゼパムやロラゼパムなどの抗けいれん薬投与のために必要となるが、けいれん中の体動下では穿刺は困難で危険を伴う。まずA・B(気道・呼吸)を確保したうえで実施する。

  4. ×4.  心電図モニターの装着

    循環動態の評価として重要だが、初期対応で最優先になるものではない。気道・呼吸を確保し患者の安全を確保したうえで装着する。

  5. ×5.  舌や口唇の咬傷の予防

    発作中に口の中に指やガーゼ、バイトブロックなどを入れる行為は、歯牙損傷や指の咬傷、嘔吐誘発、気道閉塞を招くため禁忌である。咬傷は発作開始直後の一瞬で起こることが多く、無理な介入で防ぐことはできない。

けいれん発作時の初期対応は、(1)安全確保(転倒・転落・打撲の予防、危険物を遠ざける)、(2)気道確保(顔を横に向ける/側臥位にする、衣服の襟元を緩める、義歯があれば外す)、(3)発作の観察(開始時刻・持続時間・けいれんの型・左右差・眼球偏位・チアノーゼ・尿失禁の有無)、(4)バイタルサイン測定とSpO2モニタリング、(5)酸素投与・静脈路確保・抗けいれん薬投与の準備、という順序で進める。けいれんが5分以上続く、または意識回復しないまま発作を繰り返す場合は「けいれん重積状態」と判断し、ジアゼパムなどの静注を含めた緊急治療が必要となる。けいれん中の患者の口に物を入れない、無理に押さえつけない、というのは現在の救急医療の標準的な対応として徹底されている。

けいれん発作時の初期対応において何を最優先するかを問う問題。救急のABC(気道→呼吸→循環)の原則に従い、生命維持に直結する気道確保が最優先であることを押さえる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。