ベッド上洗髪はなぜ仰臥位?支持基底面と重心で読み解く体位の物理学
看護師国家試験 第106回 午前 第43問
国試問題にチャレンジ
洗髪を行うときに、患者のエネルギー消費が最も少ない体位はどれか。
- 1.仰臥位
- 2.端座位
- 3.起座位
- 4.Fowler〈ファウラー〉位
対話形式の解説
博士
サクラ
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サクラPOINT
体位による支持基底面積・重心・抗重力筋活動の違いと、それが患者のエネルギー消費(体力消耗)に与える影響を問う問題。
解答・解説
正解は1です
問題文:洗髪を行うときに、患者のエネルギー消費が最も少ない体位はどれか。
解説:正解は 1 です。エネルギー消費が最も少ない体位の条件は、支持基底面積が広く、重心が低く、抗重力筋の活動が最小限であることである。仰臥位は全身を臥床面に預けることができ、頭部・体幹・四肢を支える筋活動がほぼ不要となるため、他の体位と比べて抗重力作用に対するエネルギー消費が最も少ない。ベッド上洗髪(床上洗髪)で仰臥位が採用されるのは、洗髪動作自体が受動的であっても患者の体力を温存できるためである。
選択肢考察
- ○1. 仰臥位
支持基底面積が最も広く、重心が最も低い体位。抗重力筋の活動がほぼ不要で、エネルギー消費が最小となる。床上洗髪で採用される基本体位である。
- ×2. 端座位
ベッド端で足を下ろして座る体位。体幹を起こして保つ腹筋・背筋の活動と、下肢で床を踏む筋活動が必要で、エネルギー消費は選択肢の中で最大となる。
- ×3. 起座位
上半身を約90度起こしてオーバーテーブルなどにもたれかかる体位。心不全の呼吸困難軽減には有効だが、上半身を支える筋活動が必要で仰臥位より消費エネルギーは大きい。
- ×4. Fowler〈ファウラー〉位
上半身を約45度挙上した半座位。仰臥位よりも抗重力筋の活動が増えるため消費エネルギーは多い。食事や誤嚥予防には有用だが、エネルギー消費の少なさという観点では仰臥位に劣る。
体位の安定性は「支持基底面積が広いほど、重心が低いほど、重心線が支持基底面内にあるほど安定」という力学原則で決まる。仰臥位<ファウラー位(半座位約45度)<起座位(約90度)<端座位の順にエネルギー消費が増す。床上洗髪では、ケリーパッドなどを用いて仰臥位のまま首から上を少し出して洗う。循環動態が不安定、易疲労、術後安静、重症患者などには仰臥位での洗髪が選択される。一方で、誤嚥リスクが高い患者では顔面に水がかかる注意が必要なので、ケア前後の観察も重要。
体位による支持基底面積・重心・抗重力筋活動の違いと、それが患者のエネルギー消費(体力消耗)に与える影響を問う問題。
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