痛覚はなぜ慣れない?感覚順応の不思議と看護への応用
看護師国家試験 第106回 午前 第73問
国試問題にチャレンジ
最も順応しにくいのはどれか。
- 1.視覚
- 2.嗅覚
- 3.味覚
- 4.触覚
- 5.痛覚
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
感覚順応の定義と、順応しにくい代表的な感覚(=痛覚)を問う基本問題。痛覚の生理学的意義(警告信号)とセットで覚えることが大切。
解答・解説
正解は5です
問題文:最も順応しにくいのはどれか。
解説:正解は 5 の痛覚です。『順応(adaptation)』とは、持続的な刺激に対して感覚受容器の反応性が低下し、感覚が弱まったり消失したりする現象です。視覚(明暗順応)、嗅覚、触覚、温度覚、味覚などは比較的短時間で順応しますが、痛覚はほとんど順応しません。これは、痛みが組織障害を知らせる『生体の警告信号』であるためで、順応してしまえば生命を守る機能を失ってしまいます。痛覚を受容するのは自由神経終末(AδファイバーとC線維)で、皮膚・筋・関節・内臓など全身に豊富に分布しており、刺激が続く限り発火し続けます。
選択肢考察
- ×1. 視覚
視覚は明暗順応・色順応などにより比較的速やかに順応する。暗室に入ると最初は何も見えないが、桿体細胞が働き始めて数分〜30分ほどで視力が回復するのは典型例。
- ×2. 嗅覚
嗅覚は五感の中で最も順応しやすい感覚の一つ。自宅の生活臭や香水の匂いを付けた本人が気にならなくなるのは嗅覚順応によるもの。
- ×3. 味覚
味覚も順応する。濃い味付けを続けているとさらに濃い味でないと物足りなく感じるようになる。食塩摂取過剰と生活習慣病の関連を考える上でも重要な現象。
- ×4. 触覚
触覚も順応する。衣服を着た瞬間は感じても、しばらくすると意識から消える。マイスネル小体などの触覚受容器は順応が早い『速順応型』である。
- ○5. 痛覚
痛覚はほとんど順応しない。組織障害を持続的に警告するのが痛覚の生理的役割であり、順応してしまえば生命の危険を知らせる機能を失う。自由神経終末が受容器で全身に広く分布する。
感覚受容器は順応の速さによって『速順応型(触覚のマイスネル小体、パチニ小体など)』と『遅順応型(関節の受容器、メルケル盤など)』に分類される。痛覚・体位覚・筋紡錘などは順応しにくく、生体の安全と姿勢維持を担う。逆に嗅覚・触覚は順応しやすく、日常生活で刺激の『新しさ』を感じ取る役割がある。看護では、褥瘡・拘縮予防のために体位変換が必要な理由として『圧覚は順応するが組織障害は進行する』という点が臨床的に重要。
感覚順応の定義と、順応しにくい代表的な感覚(=痛覚)を問う基本問題。痛覚の生理学的意義(警告信号)とセットで覚えることが大切。
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