前頭側頭型認知症の特徴を捉えよう
看護師国家試験 第107回 午後 第78問
国試問題にチャレンジ
Aさん( 66歳、女性 )は、4年前に前頭側頭型認知症( frontotemporal dementia )と診断され、介護老人福祉施設に入所している。時々、隣の席の人のおやつを食べるため、トラブルになることがある。 この状況で考えられるAさんの症状はどれか。
- 1.脱抑制
- 2.記憶障害
- 3.常同行動
- 4.自発性の低下
- 5.物盗られ妄想
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
前頭側頭型認知症=人格変化・脱抑制・常同行動・記憶はむしろ保たれるが合言葉です。
解答・解説
正解は1です
問題文:Aさん( 66歳、女性 )は、4年前に前頭側頭型認知症( frontotemporal dementia )と診断され、介護老人福祉施設に入所している。時々、隣の席の人のおやつを食べるため、トラブルになることがある。 この状況で考えられるAさんの症状はどれか。
解説:正解は1です。前頭側頭型認知症では前頭葉の萎縮により社会的規範を守る抑制機能が低下し、衝動のままに行動する「脱抑制」が特徴的な症状として現れます。他者の食べ物を勝手に食べてしまう行為はこの典型例です。
選択肢考察
- ○1. 脱抑制
前頭葉の障害により社会的ルールや礼節を守れず、衝動的に他者の物を取ったり万引き・暴言などの反社会的行動が現れます。隣の席のおやつを食べる行為は典型的な脱抑制症状です。
- ×2. 記憶障害
前頭側頭型認知症では初期に記憶障害は目立たないのが特徴で、アルツハイマー型認知症との鑑別点になります。おやつを食べる行為は記憶の問題ではありません。
- ×3. 常同行動
常同行動は同じ時刻に同じ道を歩く、同じ言葉を繰り返すなど決まった行為を反復する症状で、他者の物を取る行為とは異なります。
- ×4. 自発性の低下
自発性の低下は意欲や活動性が減退する陰性症状です。積極的に隣の席から食べ物を取る行動は自発性低下とは逆の所見といえます。
- ×5. 物盗られ妄想
物盗られ妄想は自分の持ち物を他人に盗まれたと思い込む被害妄想で、主にアルツハイマー型認知症の初期に見られます。自ら他人の物を取る行為とは逆方向の症状です。
前頭側頭型認知症(ピック病を含む)は65歳未満の若年発症も多く、記憶障害より先に人格変化・脱抑制・常同行動・食行動異常(甘い物嗜好・過食)が目立つのが特徴です。ケアでは叱責せず、環境調整や行動パターンを活かした関わりが有効です。
前頭側頭型認知症=人格変化・脱抑制・常同行動・記憶はむしろ保たれるが合言葉です。
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