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湿潤環境で治す新しい創傷ケア

看護師国家試験 第108午前22 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

108午前22

感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。

  1. 1.乾燥
  2. 2.消毒
  3. 3.洗浄
  4. 4.ガーゼ保護

対話形式の解説

博士博士
今日は創傷ケアの話じゃ。昔は傷は消毒してガーゼで乾かすのが常識じゃったが、今はまるで違うんじゃよ。
サクラサクラ
えっ、消毒もガーゼもダメなんですか?学校で習った記憶と違います。
博士博士
そうなんじゃ。現在の創傷ケアはmoist wound healing、つまり湿潤環境下療法が基本じゃ。感染のない創では洗浄して湿潤環境を保つのが正解じゃ。
サクラサクラ
なぜ湿潤のほうが治りが早いのでしょうか?
博士博士
浸出液には上皮細胞の遊走を助ける増殖因子や白血球、マクロファージが含まれており、適度な湿り気があるとこれらがしっかり働けるんじゃ。乾燥するとこれらが死んでしまう。
サクラサクラ
では1の乾燥が不正解というのはよく分かりました。
博士博士
次に2の消毒はどうじゃろう?
サクラサクラ
細菌を殺すから良さそうな気もしますが…
博士博士
ところが消毒薬は細菌だけでなく線維芽細胞や上皮細胞、白血球まで傷害してしまうんじゃ。感染のない創では逆効果じゃ。
サクラサクラ
3の洗浄が正解ですね!
博士博士
そう、微温水や生理食塩水で異物や壊死組織を物理的に洗い流す。これで細菌数も減り、かつ湿潤環境も作れるという一石二鳥じゃ。
サクラサクラ
4のガーゼ保護はなぜダメなんでしょうか?
博士博士
ガーゼは浸出液を吸い取って創面を乾燥させる上に、交換のたびに再生した組織が剥がれてしまうからじゃ。代わりにハイドロコロイドやフィルム材などのドレッシング材を使うんじゃよ。
サクラサクラ
TIMEという考え方も聞いたことがあります。
博士博士
Tissue、Infection、Moisture、Edgeの頭文字で、創面環境を総合的に整える理論じゃ。感染創ではまずデブリードマンと感染制御が優先される点も押さえておこう。

POINT

創傷治癒の原則である湿潤環境療法と、消毒・乾燥・ガーゼ保護の適否を問う必修問題です。

解答・解説

正解は3です

問題文:感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。現代の創傷ケアはmoist wound healing(湿潤環境下療法)が基本で、感染のない創では生理食塩水や微温水で十分に洗浄し異物や壊死組織を除去した後、ドレッシング材で湿潤環境を保つことが推奨されます。洗浄により創内の細菌数と異物を減らし、かつ浸出液に含まれる増殖因子・白血球・マクロファージの作用を活かして肉芽形成と上皮化を促進できます。

選択肢考察

  1. ×1.  乾燥

    乾燥環境では創表面の細胞が脱水により壊死し、上皮化が阻害されます。湿潤環境の方が創傷治癒因子が働きやすく治癒が速いことが確立されています。

  2. ×2.  消毒

    消毒薬は細菌だけでなく線維芽細胞や上皮細胞、白血球など治癒に必要な細胞も傷害するため、感染のない創に対してはむしろ治癒を遅らせます。

  3. 3.  洗浄

    微温水や生理食塩水による洗浄は異物・細菌・壊死組織を物理的に除去し、同時に湿潤環境を提供することで創傷治癒を促進します。

  4. ×4.  ガーゼ保護

    ガーゼは浸出液を吸収し創面を乾燥させるうえ、交換時に再生しかけた組織を剥離させて痛みや出血を招きます。現在は湿潤環境を保てるドレッシング材が推奨されます。

湿潤環境療法ではハイドロコロイド、ポリウレタンフィルム、ハイドロジェル、アルギン酸塩など浸出液量に応じたドレッシング材を選択します。感染創ではまずデブリードマンと感染制御が優先され、閉鎖性被覆材の使用は控えます。TIME理論(Tissue・Infection/inflammation・Moisture・Edge)に基づき創面環境を整えることが重要です。

創傷治癒の原則である湿潤環境療法と、消毒・乾燥・ガーゼ保護の適否を問う必修問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。