「見捨てられ不安」の正体?境界性パーソナリティ障害を理解する
看護師国家試験 第109回 午後 第68問
国試問題にチャレンジ
成人期早期に、見捨てられることに対する激しい不安、物質乱用や過食などの衝動性、反復する自傷行為、慢性的な空虚感、不適切で激しい怒りがみられ、社会的、職業的に不適応を生じるのはどれか。
- 1.回避性人格〈パーソナリティ〉障害( avoidant personality disorder )
- 2.境界性人格〈パーソナリティ〉障害( borderline personality disorder )
- 3.妄想性人格〈パーソナリティ〉障害( paranoid personality disorder )
- 4.反社会性人格〈パーソナリティ〉障害( antisocial personality disorder )
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
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サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
問題文に列挙された症状(見捨てられ不安・衝動性・自傷・空虚感・怒り)から境界性パーソナリティ障害を判別する定番問題。症状の組み合わせが診断の鍵。
解答・解説
正解は2です
問題文:成人期早期に、見捨てられることに対する激しい不安、物質乱用や過食などの衝動性、反復する自傷行為、慢性的な空虚感、不適切で激しい怒りがみられ、社会的、職業的に不適応を生じるのはどれか。
解説:正解は 2 です。境界性パーソナリティ障害(BPD)は、対人関係・自己像・感情・衝動性の不安定さを中核症状とし、見捨てられ不安、理想化と脱価値化の両極端な対人評価、反復する自傷行為や自殺企図、慢性的な空虚感、激しい怒りの制御困難、解離性症状、物質乱用や過食などの衝動性を呈する。成人期早期に顕在化し、社会的・職業的な不適応を生じる。問題文の記述はBPDの診断基準とほぼ一致する。
選択肢考察
- ×1. 回避性人格〈パーソナリティ〉障害( avoidant personality disorder )
批判や拒絶への強い恐れから社会的状況を回避する障害。自信のなさと対人関係の回避が特徴で、見捨てられ不安の形で現れるBPDとは対人パターンが異なる。
- ○2. 境界性人格〈パーソナリティ〉障害( borderline personality disorder )
見捨てられ不安、衝動性(物質乱用・過食)、反復する自傷、慢性的空虚感、激しい怒りが診断基準。問題文は典型的BPDの臨床像。
- ×3. 妄想性人格〈パーソナリティ〉障害( paranoid personality disorder )
他者への根深い不信・疑念が特徴。利用される・害されると確信する広範な疑り深さを示すが、衝動性や自傷行為が中核症状ではない。
- ×4. 反社会性人格〈パーソナリティ〉障害( antisocial personality disorder )
他者の権利を無視・侵害し、規範や法を軽視する障害。罪悪感の欠如、攻撃性、無責任さが特徴で、自傷や見捨てられ不安は中核ではない。
パーソナリティ障害はDSM-5で3つのクラスターに分類される。クラスターA(奇妙で風変わり):妄想性・シゾイド・統合失調型、クラスターB(演技的・感情的・移り気):反社会性・境界性・演技性・自己愛性、クラスターC(不安・恐怖感):回避性・依存性・強迫性。境界性パーソナリティ障害は女性に多く、しばしば虐待などの生育歴と関連する。治療は弁証法的行動療法(DBT)、メンタライゼーションに基づく治療(MBT)、スキーマ療法などが有効とされる。看護では分裂(理想化と脱価値化)への対応、限界設定(リミットセッティング)、自傷・自殺リスクの評価、チーム内での情報共有と一貫した関わりが重要である。
問題文に列挙された症状(見捨てられ不安・衝動性・自傷・空虚感・怒り)から境界性パーソナリティ障害を判別する定番問題。症状の組み合わせが診断の鍵。
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