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創傷処置の基本、消毒は必要?不要?

看護師国家試験 第113午後39

国試問題にチャレンジ

113午後39

創傷処置について適切なのはどれか。

  1. 1.ドレッシング材は創部の辺縁に合わせて貼付する。
  2. 2.肉芽形成の時期は強い水圧をかけて洗浄する。
  3. 3.感染徴候のない創傷の消毒は不要である。
  4. 4.テープは皮膚から垂直方向に剝がす。

対話形式の解説

博士博士
113回午後39問、創傷処置の基礎知識を問う問題じゃ。
サクラサクラ
昔は傷を消毒するのが当たり前だと思っていました。
博士博士
時代は変わってのう。今は『洗浄・湿潤環境・被覆』が三原則じゃ。
サクラサクラ
消毒薬は使わないのですか?
博士博士
感染徴候がないならばな。消毒薬は細菌だけでなく、線維芽細胞や白血球も傷めてしまうのじゃ。
サクラサクラ
治癒に必要な細胞までやられてしまうんですね。ではどう清潔を保つのでしょう?
博士博士
生理食塩水や水道水で十分に洗浄するだけでよい。これで異物と細菌を流し去る。
サクラサクラ
選択肢3が正解ですね。
博士博士
では選択肢1のドレッシング材、辺縁に合わせて貼るのはどうかな?
サクラサクラ
剥がれやすくなるし、滲出液も漏れそうです。創縁より大きめに貼るべきですね。
博士博士
正解じゃ。2〜3cmは余裕を持たせるとよい。
サクラサクラ
肉芽期に強い水圧はいかがでしょう?
博士博士
肉芽は毛細血管が豊富で脆弱じゃから、強圧は禁物。微温湯で低圧洗浄が原則じゃ。
サクラサクラ
選択肢4のテープ剥がし方も気になります。
博士博士
垂直に引っ張るとスキンテアが起きる。皮膚と平行に、180度折り返すように剥がすのじゃ。
サクラサクラ
反対の手で皮膚を押さえるといいんですよね。
博士博士
その通りじゃ。高齢者では特にスキンテア予防が大事じゃぞ。
サクラサクラ
湿潤環境療法の根拠も理解できました。

POINT

現在の創傷治癒理論に基づく洗浄・湿潤環境・消毒の適応、ドレッシング材とテープの基本的な扱い方を問う問題です。

解答・解説

正解は3です

問題文:創傷処置について適切なのはどれか。

解説:正解は3です。感染徴候のない創傷では消毒薬は正常細胞を障害し治癒を遅延させるため用いず、生理食塩水や水道水による洗浄で清潔を保つのが現代の標準的な創傷管理です。

選択肢考察

  1. ×1.  ドレッシング材は創部の辺縁に合わせて貼付する。

    ドレッシング材は創縁より2〜3cm以上大きめのサイズを貼付します。辺縁ぴったりでは粘着部分が創面にかかって浸出液の漏出や剥がれ、細菌侵入を招きます。滲出液の量や皮膚状態に応じたサイズ選択が必要です。

  2. ×2.  肉芽形成の時期は強い水圧をかけて洗浄する。

    肉芽は脆弱な新生組織と毛細血管で構成されるため、強い水圧は組織を損傷し出血や治癒遅延を招きます。肉芽期の洗浄は微温湯や生理食塩水を用いて低圧で流し、刺激を最小限にすることが原則です。

  3. 3.  感染徴候のない創傷の消毒は不要である。

    消毒薬は細菌のみならず線維芽細胞や白血球など治癒に必要な細胞も障害するため、感染徴候のない創では不要です。現在の創傷ケアガイドラインでは十分な洗浄と湿潤環境の維持による『moist wound healing』が基本とされています。

  4. ×4.  テープは皮膚から垂直方向に剝がす。

    テープを垂直に引き剥がすと表皮剥離(スキン−テア)のリスクが高まります。皮膚と平行に、粘着面を180度折り返すようにゆっくり剥離し、反対の手で皮膚を軽く押さえて牽引力を逃がすのが正しい方法です。

現代の創傷管理は『洗浄・湿潤環境・被覆』の三原則です。熱傷や表在性の創では十分な流水洗浄で異物と細菌を除去し、ハイドロコロイド・フォーム・アルギン酸塩などのドレッシング材で湿潤環境を保つことで上皮化が促進されます。感染創ではデブリードマンと適切な抗菌処置が必要なため、発赤・熱感・疼痛・膿性浸出液などの感染徴候を見逃さないことが重要です。

現在の創傷治癒理論に基づく洗浄・湿潤環境・消毒の適応、ドレッシング材とテープの基本的な扱い方を問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。