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髄鞘の働きと跳躍伝導

看護師国家試験 第113回 午前 第26問

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第26問

神経線維には髄鞘のあるものとないものがあるが、活動電位に対する髄鞘の働きはどれか。

  1. 1.活動電位の発生頻度を増やす。
  2. 2.活動電位のピークを高くする。
  3. 3.活動電位の伝導速度を速くする。
  4. 4.活動電位が周囲の神経線維に伝わるのを防ぐ。

対話形式の解説

博士博士
神経線維には有髄と無髄があるが、髄鞘はどんな役割をしておるか分かるかの?
サクラサクラ
活動電位を速く伝えるためのもの、と習いました。
博士博士
その通りじゃ。具体的にはどう速くしておるのかの?
サクラサクラ
ランビエ絞輪という部分を飛び越えるように伝わる跳躍伝導のおかげだったと思います。
博士博士
うむ、完璧じゃな。髄鞘は軸索を絶縁しておるからの。
サクラサクラ
絶縁されるとどうしていいのですか?
博士博士
電流がその部分で漏れずに次のランビエ絞輪まで飛べるのじゃ。無髄線維みたいに端から順番に脱分極させるより断然速いのじゃ。
サクラサクラ
なるほど、飛び飛びに脱分極するのですね。
博士博士
では髄鞘は活動電位のピークも高くするかの?
サクラサクラ
いいえ、ピークはナトリウムチャネルの働きで決まるので髄鞘は関係ないですよね。
博士博士
その通り。発生頻度も刺激の強さで決まるから髄鞘は関与しないぞい。
サクラサクラ
髄鞘が壊れると何が起こりますか?
博士博士
多発性硬化症のように伝導速度が落ちて、運動や感覚に障害が出るのじゃ。
サクラサクラ
髄鞘の重要性がよく分かりました。

POINT

有髄線維における跳躍伝導という仕組みと、髄鞘が活動電位の伝導速度を高めるという機能を理解しているかを問う問題です。

解答・解説

正解は3です

問題文:神経線維には髄鞘のあるものとないものがあるが、活動電位に対する髄鞘の働きはどれか。

解説:正解は3です。髄鞘は神経線維を絶縁し、活動電位がランビエ絞輪の間を飛び越えるように伝わる「跳躍伝導」を可能にするため、無髄線維と比べて伝導速度が大幅に速くなります。

選択肢考察

  1. ×1.  活動電位の発生頻度を増やす。

    活動電位の発生頻度は刺激の強さや神経細胞の閾値・不応期で決まり、髄鞘の有無は発火頻度そのものには関与しません。

  2. ×2.  活動電位のピークを高くする。

    活動電位の振幅は主にナトリウムイオンの細胞内外の濃度勾配とチャネルの開口により決定されます。髄鞘はイオンチャネル活動自体には影響しないため、ピークの高さは変わりません。

  3. ○3.  活動電位の伝導速度を速くする。

    髄鞘は軸索を絶縁しコンデンサ的な働きを減らすことで、活動電位がランビエ絞輪ごとに跳躍的に伝わる跳躍伝導を成立させます。その結果、有髄線維では無髄線維の数十倍の速さで情報が伝達されます。

  4. ×4.  活動電位が周囲の神経線維に伝わるのを防ぐ。

    髄鞘には電気的絶縁作用があるものの、その主目的は軸索内の伝導効率を高めることであり、隣接する神経線維への漏出防止のために存在するわけではありません。

中枢神経の髄鞘はオリゴデンドロサイト、末梢神経ではシュワン細胞が形成します。髄鞘が破壊される代表的疾患が多発性硬化症やギラン・バレー症候群で、神経伝導速度低下による運動麻痺や感覚異常が生じます。

有髄線維における跳躍伝導という仕組みと、髄鞘が活動電位の伝導速度を高めるという機能を理解しているかを問う問題です。