乳房温存療法の放射線治療——マーキングはなぜ必要?
看護師国家試験 第114回 午後 第47問
国試問題にチャレンジ
乳房温存療法で放射線治療を受ける乳癌(breast cancer)患者への説明で適切なのはどれか。
- 1.「頭髪の脱毛が生じます」
- 2.「嚥下障害が予測されます」
- 3.「皮膚にマーキングを行います」
- 4.「同居家族への被曝に注意してください」
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
乳房温存療法における放射線治療の特徴と副作用、患者教育内容を問う問題。マーキングの意義と外部照射の被曝特性を理解する。
解答・解説
正解は3です
問題文:乳房温存療法で放射線治療を受ける乳癌(breast cancer)患者への説明で適切なのはどれか。
解説:正解は 3 「皮膚にマーキングを行います」です。乳房温存療法は、腫瘍を含む乳腺部分切除+温存乳房への外部放射線照射の組み合わせで、乳房全摘術と同等の生存率を得つつ整容性を保つ標準治療です。放射線治療では毎回同じ位置に正確に照射するため、皮膚に油性ペンや専用マーカーで印(マーキング/タトゥー点)を付けます。患者にはマーキングを消さないこと、強くこすらない、入浴時の注意などを説明します。
選択肢考察
- ×1. 「頭髪の脱毛が生じます」
放射線治療の脱毛は照射範囲内の体毛にのみ生じる。乳房照射では頭部に放射線は当たらないので頭髪の脱毛は起こらない。化学療法では全身性の脱毛が起こりうる点と区別する。
- ×2. 「嚥下障害が予測されます」
嚥下障害は頭頸部癌(咽頭・喉頭・食道など)への放射線治療で起こる症状。乳房照射では咽頭・食道は範囲外のため起こらない。
- ○3. 「皮膚にマーキングを行います」
毎回同じ位置に正確に照射するため、皮膚に位置決めの印を付ける。患者にはマーキングを消さないこと、洗うときは強くこすらないこと、不明点は技師に確認することなどを指導する。
- ×4. 「同居家族への被曝に注意してください」
外部照射(リニアック)はビームが体内を通り抜けるだけで、患者の体に放射線が残ることはない。家族や周囲への被曝はないため日常生活制限は不要。これに対し小線源治療(密封小線源永久挿入)では一定期間の制限がある。
乳房温存術後の標準的な放射線治療は1回1.8〜2Gyを週5回、計25〜28回(総線量約45〜50Gy)で4〜5週間続けるのが従来法(最近は寡分割照射の3週間プログラムも普及)。主な副作用は①皮膚炎(紅斑、乾性〜湿性落屑)、②倦怠感、③乳房浮腫・線維化(晩期)、④放射線肺臓炎(まれ)。皮膚ケアでは石けんでこすらず微温湯で優しく洗う、保湿剤は照射前に塗布しない(ビームのbuild-up効果に影響)、直射日光を避ける、締め付けない下着を選ぶといった指導を行う。
乳房温存療法における放射線治療の特徴と副作用、患者教育内容を問う問題。マーキングの意義と外部照射の被曝特性を理解する。
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