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がん性疼痛の主役!強オピオイド「モルヒネ」を徹底整理

看護師国家試験 第115午前24 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前24

がん性疼痛に使用する強オピオイド鎮痛薬はどれか。

  1. 1.コデイン
  2. 2.モルヒネ
  3. 3.カルバマゼピン
  4. 4.ロキソプロフェン
  5. 5.アセトアミノフェン

対話形式の解説

博士博士
今日は緩和ケアの大本命、がん性疼痛に使う強オピオイドについて学ぶぞ。臨床でも国試でも頻出のテーマじゃ。
サクラサクラ
そもそも「オピオイド」って何ですか?モルヒネと同じ意味ですか?
博士博士
良い質問じゃ。オピオイドとは、ケシから採れるアヘンに含まれる成分(オピエート)と、その類似化合物の総称じゃよ。脳や脊髄にあるオピオイド受容体に結合して強力な鎮痛効果を発揮する。モルヒネはその代表選手なんじゃ。
サクラサクラ
じゃあ、選択肢にあった「コデイン」もオピオイドですよね?なぜ正解じゃないんですか?
博士博士
鋭いのう。コデインも確かにオピオイドじゃが、効きめは弱く「弱オピオイド」に分類される。鎮痛より咳止め(鎮咳)で使われることが多いぞ。問題文は「強オピオイド」を聞いておるから、コデインは×なんじゃ。
サクラサクラ
なるほど!強さで分類されているんですね。じゃあ強オピオイドにはモルヒネ以外には何がありますか?
博士博士
オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、タペンタドール、メサドンあたりが代表じゃ。フェンタニルは貼付剤(パッチ)でも有名じゃな。腎機能が悪い患者にはモルヒネより代謝産物がたまりにくいフェンタニルやオキシコドンを選ぶこともあるぞ。
サクラサクラ
WHO方式の鎮痛ラダーって聞いたことがあるんですが、それと関係ありますか?
博士博士
大ありじゃ。WHOは、第1段階で非オピオイド(アセトアミノフェンやロキソプロフェンなどのNSAIDs)、第2段階で弱オピオイド、第3段階で強オピオイドという「3段階除痛ラダー」を提唱してきた。今は2018年の改訂で、最初から強い痛みなら強オピオイドを使ってもよい方針になっておる。
サクラサクラ
選択肢の「カルバマゼピン」って抗てんかん薬ですよね?なぜ鎮痛の問題に出ているんですか?
博士博士
お、よく気づいたな。カルバマゼピンは神経が暴走するタイプの痛み、いわゆる「神経障害性疼痛」に効くから鎮痛補助薬として使われるんじゃ。三叉神経痛が代表例じゃ。でもオピオイドではないからこの問題では×じゃな。
サクラサクラ
ロキソプロフェンとアセトアミノフェンの違いも教えてください!
博士博士
ロキソプロフェンはNSAIDsで、炎症を抑えるシクロオキシゲナーゼという酵素をブロックする。胃腸障害や腎機能低下が副作用じゃ。アセトアミノフェンは中枢に効くタイプで、抗炎症作用はほぼないが副作用が少なくベース鎮痛薬として重宝される。どちらも非オピオイドじゃ。
サクラサクラ
モルヒネを使うときの副作用も気になります。看護のポイントは?
博士博士
覚えるべきは便秘・悪心嘔吐・眠気・呼吸抑制じゃ。特に便秘はほぼ全例に起こるから、最初から下剤を予防的に併用するのが鉄則。悪心も初期の1〜2週間が多いから制吐薬を併せて使うことがある。呼吸抑制は急激な増量や過量で生じるので、呼吸数の観察が大事じゃ。
サクラサクラ
レスキュー薬って聞いたことがあるんですが、それは何ですか?
博士博士
定期で飲んでいるオピオイドだけでは抑えきれない突発的な強い痛み、いわゆる「突出痛」のときに頓用で使う即効性のオピオイドのことじゃ。モルヒネ速放錠やオキシコドン速放錠などが使われる。1日の使用回数も次の定期量調整の指標になるぞ。
サクラサクラ
麻薬って法律的にも厳しく管理されているんですよね?
博士博士
その通り。医療用麻薬は「麻薬及び向精神薬取締法」で管理され、施錠保管・使用記録・残薬の返却が義務付けられておる。看護師としては適切な保管と記録、患者・家族への正しい情報提供も大切な役割じゃ。「麻薬=中毒になる怖い薬」という誤解を持つ患者も多いから、不安に寄り添う説明が必要じゃよ。
サクラサクラ
痛みを我慢させずに、しっかりコントロールすることが患者さんのQOLに直結するんですね。
博士博士
まさにその通りじゃ。痛みのコントロールは緩和ケアの土台。看護師は「痛みは主観」という前提でNRSやフェイススケールなど評価ツールを使い、患者の訴えを丁寧に聞き取る姿勢が何より大事じゃぞ。

POINT

WHO方式がん疼痛治療における強オピオイドの代表薬を問う基本問題。弱オピオイド・NSAIDs・非オピオイド・神経障害性疼痛治療薬との区別がカギとなる。

解答・解説

正解は2です

問題文:がん性疼痛に使用する強オピオイド鎮痛薬はどれか。

解説:正解は 2 のモルヒネです。WHO(世界保健機関)が提唱した「がん疼痛治療法」では、痛みの強さに応じて鎮痛薬を段階的に使い分ける考え方が示されており、強い痛みに対して用いられる代表的な薬剤が「強オピオイド」です。モルヒネはアヘンアルカロイドから精製される代表的な強オピオイドであり、μ(ミュー)オピオイド受容体に作用して中枢神経系で強力な鎮痛効果を発揮します。剤形が経口・坐剤・注射・徐放錠など多彩で、痛みの強さや患者の嚥下機能に合わせて柔軟に投与できるため、がん性疼痛コントロールの基本薬として世界中で用いられています。

選択肢考察

  1. ×1.  コデイン

    コデインは体内でその一部がモルヒネに代謝されて効果を発揮するが、鎮痛作用は弱く「弱オピオイド」に分類される。軽度から中等度の痛みや鎮咳薬として使われ、強オピオイドの位置づけではない。

  2. 2.  モルヒネ

    μ受容体に強く作用する代表的な強オピオイド。中等度〜高度のがん性疼痛に第一選択として用いられ、経口・坐剤・注射・持続皮下注などさまざまな剤形がそろう。腎機能障害時はオキシコドンやフェンタニルへの切替えも検討される。

  3. ×3.  カルバマゼピン

    抗てんかん薬で、ナトリウムチャネルを抑制して神経の異常興奮を抑える。三叉神経痛や神経障害性疼痛の鎮痛補助薬として使われることはあるが、オピオイドではない。

  4. ×4.  ロキソプロフェン

    NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の一つで、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によりプロスタグランジン産生を抑え、炎症性の痛みを和らげる。WHO方式の第1段階で用いられる非オピオイドであり、強オピオイドではない。

  5. ×5.  アセトアミノフェン

    中枢性に作用するとされる非オピオイドの解熱鎮痛薬。抗炎症作用はほとんどなく、副作用が少ないためベース鎮痛薬として広く使われるが、強オピオイドの分類には含まれない。

WHO方式がん疼痛治療法では、かつて「3段階除痛ラダー」として、第1段階=非オピオイド(アセトアミノフェン・NSAIDs)、第2段階=弱オピオイド(コデイン、トラマドールなど)、第3段階=強オピオイド(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、タペンタドールなど)と段階的に使い分ける考え方が示されてきた。2018年の改訂以降は、痛みの強さに応じて最初から強オピオイドを使用することも認められている。看護師は、便秘・悪心嘔吐・眠気・呼吸抑制といった主な副作用を理解し、レスキュー薬(突出痛時の頓用)の使い方や服薬時間の管理、排便コントロール、悪心への制吐薬の予防的併用などを支援する。麻薬性鎮痛薬は法律上「麻薬」に分類され、施錠保管・使用記録・残薬管理が義務付けられている点もおさえておきたい。

WHO方式がん疼痛治療における強オピオイドの代表薬を問う基本問題。弱オピオイド・NSAIDs・非オピオイド・神経障害性疼痛治療薬との区別がカギとなる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。