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口すぼめ呼吸の正体!息を吐くだけで楽になる仕組みをPEEPで読み解く

看護師国家試験 第115午後38

国試問題にチャレンジ

115午後38

口すぼめ呼吸によって生じるのはどれか。

  1. 1.気道内圧の上昇
  2. 2.呼吸回数の増加
  3. 3.末梢気道の閉塞
  4. 4.1回換気量の減少

対話形式の解説

博士博士
今日は「口すぼめ呼吸」について深掘りするのじゃ。COPDの患者さんが自然と行っていることもある、有名な呼吸法じゃな。
サクラサクラ
ロウソクを吹き消すように、口をすぼめてゆっくり息を吐くやつですよね。なんとなく知ってますが、なぜ楽になるのかは正直よくわかってません…。
博士博士
よし、では基礎から整理しよう。健康な人の気管支は、軟骨や周囲の弾性線維によってしっかり支えられておる。だから呼気のときも気道はつぶれずに開いたままじゃ。
サクラサクラ
なるほど。じゃあCOPDの患者さんはどうなっているんですか?
博士博士
COPDでは肺胞壁や弾性線維が破壊されておるから、気道を外側から引っ張って広げる力が弱くなる。すると息を吐くときに胸腔内圧が上がって、末梢の細い気道がぺしゃっと潰れてしまうのじゃ。これを「呼気時虚脱」と呼ぶぞ。
サクラサクラ
あっ、それで空気が肺の奥に閉じ込められちゃうんですね。確か「エアトラッピング」って言うんでしたっけ?
博士博士
その通り!息が吐き出せなくなると肺が過膨張して、次に吸う空気が入る余地が減ってしまう。これがCOPD患者の呼吸困難の正体の一つじゃ。
サクラサクラ
じゃあ口すぼめ呼吸はどうやってそれを防ぐんですか?
博士博士
口をすぼめると呼気の出口が狭くなるじゃろ?すると呼気時に気道内圧が大気圧より高く保たれる。この圧が末梢気道を内側から押し広げてくれて、潰れるのを防ぐのじゃ。
サクラサクラ
なんだか人工呼吸器のPEEPみたいですね!
博士博士
おお、鋭い気付きじゃ!まさにそれ。PEEP(呼気終末陽圧)と同じ原理で、生理的な「自前のPEEP」を作り出していると言ってよい。
サクラサクラ
だから問題の選択肢1「気道内圧の上昇」が正解になるんですね。逆に末梢気道は閉塞ではなく開通する方向だから3はバツ、と。
博士博士
その通り。呼吸回数についても、口すぼめは吸気の2〜3倍の時間をかけて吐くようゆっくり行うから、頻呼吸はむしろ減るのじゃ。だから2もバツ。
サクラサクラ
1回換気量はどうなりますか?
博士博士
エアトラッピングが減って機能的残気量が下がる分、しっかり吸えるようになる。だから1回換気量は減るどころか増えることが多い。よって4もバツじゃな。
サクラサクラ
選択肢全部の理屈がつながりました!実際に患者さんへ指導するときのコツはありますか?
博士博士
鼻から1〜2秒で吸って、ロウソクを優しく吹き消すように口をすぼめて4〜6秒かけて吐く、という比率を伝えるのじゃ。腹式呼吸と組み合わせるとさらに効果的で、階段昇降などの労作時にも応用できるぞ。
サクラサクラ
看護師として、COPD患者さんの息切れに寄り添う具体的なケアにつながるんですね。覚えるだけじゃなく、患者さんの生活を支える技術だと感じました。

POINT

口すぼめ呼吸の生理学的機序を問う問題。呼気時に口をすぼめることで気道内圧が上昇し、末梢気道の虚脱を防ぐというPEEP的効果が答えのカギ。

解答・解説

正解は1です

問題文:口すぼめ呼吸によって生じるのはどれか。

解説:正解は 1 です。口すぼめ呼吸とは、鼻から息を吸ったあと、口をすぼめてゆっくりと息を吐き出す呼吸法のことを指します。口をすぼめて呼気の通り道を意図的に狭くすることで、呼気時に気道内圧が大気圧より高く保たれます。これは呼気終末陽圧(PEEP)に似た効果を生み、末梢の細い気管支が呼気時につぶれる(呼気時虚脱)のを防止します。結果として肺胞内に空気が閉じ込められる現象(エアトラッピング)が軽減し、ガス交換効率が改善するとともに、息切れの軽減につながります。

選択肢考察

  1. 1.  気道内圧の上昇

    口をすぼめて呼気の流出を制限することで、呼気時の気道内圧が大気圧より高く維持される。この陽圧効果により、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などで虚脱しやすくなっている末梢気道が押し広げられた状態を保ち、肺胞からのガスの吐き出しがスムーズになる。

  2. ×2.  呼吸回数の増加

    口すぼめ呼吸は呼気を吸気の2〜3倍程度の時間をかけてゆっくり行うことが推奨される。結果として呼吸回数はむしろ減少し、頻呼吸を抑える方向に働く。

  3. ×3.  末梢気道の閉塞

    目的はまさに末梢気道の閉塞(呼気時虚脱)を防ぐことであり、効果は反対方向。COPDなどで失われている気道支持機能を呼気時陽圧で補う仕組みである。

  4. ×4.  1回換気量の減少

    呼気をゆっくり行うことでエアトラッピングが減り、機能的残気量が低下する。その結果、1回換気量はむしろ増加し、換気効率が向上することが多い。

口すぼめ呼吸は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する呼吸リハビリテーションの基本手技として広く用いられている。COPDでは弾性線維の破壊により気道支持機能が低下しており、呼気時に末梢気道が虚脱しやすい。口をすぼめて呼気抵抗をかけることで、呼吸器の世界でいうPEEP(呼気終末陽圧)と同様の効果が得られ、気道虚脱を防ぐ。指導のポイントは、鼻から1〜2秒かけて吸い、ロウソクの火を消すように口をすぼめて4〜6秒かけて吐くこと。腹式呼吸(横隔膜呼吸)と組み合わせるとさらに効果的で、労作時呼吸困難の軽減やSpO₂の改善が期待できる。

口すぼめ呼吸の生理学的機序を問う問題。呼気時に口をすぼめることで気道内圧が上昇し、末梢気道の虚脱を防ぐというPEEP的効果が答えのカギ。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。