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開頭術後の看護 頭蓋内圧管理と感染予防

看護師国家試験 第108回 午前 第50問 / 成人看護学 / 脳・神経系

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第50問

開頭術を受けた患者の看護で適切なのはどれか。

  1. 1.頭部を水平に保つ。
  2. 2.緩下薬は禁忌である。
  3. 3.髄膜炎症状の観察を行う。
  4. 4.手術後1週間は絶飲食とする。

対話形式の解説

博士 博士

今日は第108回午前50問、開頭術を受けた患者の術後看護について学ぶぞ。脳神経外科領域の基本中の基本じゃ。

アユム アユム

博士、開頭術って頭を開ける大きな手術ですよね。どんな合併症に注意すればいいんでしょうか。

博士 博士

よい出発点じゃ。開頭術は脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷などに対して頭皮・頭蓋骨・硬膜を切開し病巣に直接アプローチする手技じゃ。主な合併症は頭蓋内圧亢進、脳浮腫、髄膜炎、けいれん、電解質異常じゃよ。

アユム アユム

選択肢を見ると、頭部水平、緩下薬禁忌、髄膜炎観察、1週間絶飲食とありますね。

博士 博士

どれが適切か選んでみるかね。

アユム アユム

髄膜炎の観察は重要そうですね。3番だと思います。

博士 博士

正解じゃ!正解は3の髄膜炎症状の観察を行うじゃ。開頭術では硬膜切開や術後の髄液漏などから病原体が髄腔内へ侵入するリスクがあり、細菌性髄膜炎は重要な観察対象なのじゃ。

アユム アユム

髄膜炎の症状ってどんなものですか?

博士 博士

発熱、頭痛、嘔気・嘔吐、意識レベル低下、項部硬直、ケルニッヒ徴候やブルジンスキー徴候などの髄膜刺激症状じゃ。これらを継続的にチェックし、さらにドレーン排液の混濁や色調変化、刺入部の感染徴候もセットで観察するのじゃよ。

アユム アユム

頭部を水平に保つのはなぜいけないんですか?

博士 博士

脳の静脈には弁がなく、頭蓋内圧は体位で容易に変動する。水平位だと静脈還流が滞り頭蓋内圧が上がってしまう。じゃから頭部を15〜30度ギャッチアップし、静脈還流を促すのが基本じゃ。

アユム アユム

緩下薬禁忌というのは?

博士 博士

これも逆じゃ。排便時の努責は血圧と頭蓋内圧を急上昇させる。じゃから緩下薬を使って怒責せずに排便できるようにするのが正しい対応じゃ。ただし浣腸は腹圧が急激に上がるため原則禁忌じゃぞ。

アユム アユム

1週間絶飲食というのはどうでしょう。

博士 博士

術当日は絶飲食じゃが、意識障害や嚥下障害などがなければ翌日から飲水や食事を開始できる。1週間の絶飲食は栄養状態や回復を損ねるため不適切じゃよ。

アユム アユム

術後観察で他に大切なことはありますか?

博士 博士

意識レベル(GCS、JCS)、瞳孔所見(左右差、対光反射)、運動麻痺、バイタル、頭痛、嘔吐の有無じゃ。特にクッシング現象と呼ばれる高血圧プラス徐脈は頭蓋内圧亢進の重大サインで、即時に医師へ報告じゃ。

アユム アユム

電解質異常も起こるんですか?

博士 博士

SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)による低Na血症や、尿崩症による高Na血症と多尿が起こりうる。尿量と電解質を定期的にモニタリングすることが大切じゃよ。

アユム アユム

頭蓋内圧管理と感染予防、そして神経症状観察が3本柱ですね。

博士 博士

そのとおりじゃ。この3点に加え合併症の早期発見を軸に看護計画を立てれば、安全に術後回復を支援できるぞ。

POINT

第108回午前50問は開頭術後の看護を問う問題で、正解は3の髄膜炎症状の観察を行うです。術後は頭部を15〜30度ギャッチアップし頭蓋内圧を管理、緩下薬で怒責を避け、翌日から経口摂取開始が原則です。髄膜炎・頭蓋内圧亢進・電解質異常・けいれんなど多彩な合併症への継続観察が術後看護の中核となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:開頭術を受けた患者の看護で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。開頭術では術中操作、硬膜切開、術後の髄液漏などにより髄腔内へ病原体が侵入するリスクがあり、術後合併症として細菌性髄膜炎は重要な観察対象となります。髄膜炎の徴候として発熱、頭痛、嘔気・嘔吐、意識レベル低下、項部硬直、ケルニッヒ徴候などの髄膜刺激症状を注意深く観察し、早期発見に努めることが看護の重要な役割です。さらにドレーンからの排液性状変化(混濁・黄色化)や刺入部の感染徴候も合わせて継続的にモニタリングすることで、重篤化を防ぐことができます。

選択肢考察

  1. × 1.  頭部を水平に保つ。

    開頭術後は脳浮腫や頭蓋内圧亢進のリスクが高く、静脈還流を促すため頭部を15〜30度ギャッチアップした体位が適切です。水平位は頭蓋内圧上昇を助長するため不適切です。

  2. × 2.  緩下薬は禁忌である。

    排便時の努責は血圧上昇と頭蓋内圧亢進を招くため、むしろ緩下薬を用いて怒責を避けることが推奨されます。ただし浣腸は腹圧上昇により原則禁忌となります。

  3. 3.  髄膜炎症状の観察を行う。

    開頭術後は髄腔内への感染リスクがあり、髄膜炎は重要な合併症です。発熱、頭痛、嘔吐、項部硬直、意識レベル低下などを継続的に観察し早期発見に努めます。

  4. × 4.  手術後1週間は絶飲食とする。

    術当日は絶飲食ですが、意識障害や嚥下障害などの問題がなければ翌日から飲水・食事を開始できます。1週間の絶飲食は栄養状態や回復を損なうため不適切です。

開頭術後の看護の基本は『頭蓋内圧コントロール・感染予防・神経症状観察・合併症早期発見』です。観察項目は意識レベル(GCS、JCS)、瞳孔所見、運動麻痺、バイタル、頭痛、嘔吐、髄膜刺激症状、ドレーン排液性状、創部、電解質異常(SIADH、尿崩症)など多岐にわたります。クッシング現象(高血圧+徐脈)は頭蓋内圧亢進の重要サインで即時報告が必要です。

開頭術後の合併症として髄膜炎が重要であること、また頭蓋内圧管理の原則を正しく理解しているかを問う問題です。