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GCSを迷わず採点、開眼・言語・運動の3項目を一気に整理

看護師国家試験 第112回 午後 第94問 / 成人看護学 / 脳・神経系

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第94問

次の文を読み問いに答えよ。 Aさん(53歳、女性)は休日に公園を散歩中、階段から落ちて頭部を強打し、意識を消失した状態で病院に救急搬送された。病院到着時のAさんは開眼せず、声は発しているが理解不能である。痛み刺激には逃れようとする動作がみられる。 グラスゴー・コーマ・スケール<GCS>によるAさんの意識レベルの評価はどれか。

  1. 1.E1V1M2
  2. 2.E1V2M4
  3. 3.E2V2M2
  4. 4.E4V5M5

対話形式の解説

博士 博士

今回はAさん53歳女性、階段からの転落で意識消失。搬送時は開眼せず、声は出すが理解不能、痛み刺激で逃避動作という所見じゃ。

アユム アユム

GCSですね。開眼(E)、言語(V)、運動(M)の3つでしたね。

博士 博士

その通り。Eは1〜4、Vは1〜5、Mは1〜6で最大15点、最小3点じゃ。まずEから評価してみよ。

アユム アユム

開眼していないので…E1ですね。

博士 博士

正解。E4自発、E3呼びかけで開眼、E2痛み刺激で開眼、E1開眼なしじゃ。次にV。

アユム アユム

声は出ているけれど理解不能…V2の『理解不能の音声』でしょうか。

博士 博士

そうじゃ。V5見当識あり、V4混乱した会話、V3不適当な発語(単語は出るが文脈不適)、V2理解不能の音声(うめき声など)、V1発語なし、じゃ。

アユム アユム

最後にM。『痛み刺激から逃れようとする動作』はどれに当たりますか?

博士 博士

M4じゃ。M6命令に従う、M5疼痛部位を認識して払いのける、M4逃避(引っ込める)、M3異常屈曲(除皮質硬直)、M2異常伸展(除脳硬直)、M1反応なし、という階層構造を覚えるのじゃ。

アユム アユム

なるほど、M3とM2の区別が難しそうです。

博士 博士

異常屈曲は上肢が屈曲、異常伸展は上肢が伸展・内旋する姿勢じゃ。除脳硬直のほうが重篤で脳幹損傷を示唆する。

アユム アユム

ということでAさんはE1V2M4、合計7点ですね。

博士 博士

その通り。合計8点以下は重症で気管挿管適応が検討される水準じゃ。13〜15軽度、9〜12中等度、3〜8重度と大まかに区分する。

アユム アユム

挿管していたらV評価はどうなりますか?

博士 博士

VTと記載して数値化しない。『E2VTM5』のように書くのじゃ。

アユム アユム

日本ではJCSも使われますよね。違いは?

博士 博士

JCSは覚醒度を『刺激しないで覚醒』『刺激で覚醒』『刺激しても覚醒しない』の3段階9桁で表す日本独自の尺度。GCSは国際標準じゃ。両者併記が臨床では一般的じゃよ。

アユム アユム

頭部外傷のAさんでは経時的なGCS評価で悪化を早期発見することが重要ですね。

POINT

GCS(Glasgow Coma Scale)はE(開眼4段階)、V(言語反応5段階)、M(運動反応6段階)の合計15点で意識レベルを客観評価する国際指標です。本問のAさんは開眼なし(E1)、理解不能の音声(V2)、痛み刺激からの逃避(M4)のためE1V2M4=7点、重度意識障害に相当します。合計8点以下は気管挿管の適応を検討する水準であり、頭蓋内圧亢進や脳ヘルニアの進行を早期発見するためには経時的な再評価が不可欠です。M3(異常屈曲)とM2(異常伸展)の区別、JCSとの使い分けも国試頻出であり、実臨床でも脳神経疾患看護の基本として必ず押さえておきたい内容です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:次の文を読み問いに答えよ。 Aさん(53歳、女性)は休日に公園を散歩中、階段から落ちて頭部を強打し、意識を消失した状態で病院に救急搬送された。病院到着時のAさんは開眼せず、声は発しているが理解不能である。痛み刺激には逃れようとする動作がみられる。 グラスゴー・コーマ・スケール<GCS>によるAさんの意識レベルの評価はどれか。

解説:正解は 2 です。グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)は開眼(E:1〜4)、最良言語反応(V:1〜5)、最良運動反応(M:1〜6)の3項目で意識レベルを評価します。Aさんは『開眼せず』=E1、『声は発しているが理解不能』=V2(理解不能の音声)、『痛み刺激に逃れようとする動作』=M4(痛み刺激から逃避)となるため、E1V2M4(合計7点)が正しい評価です。

選択肢考察

  1. × 1.  E1V1M2

    V1は発語なし、M2は痛み刺激に対する伸展反応(除脳硬直)を意味し、声を発し逃避動作もみられるAさんには該当しない。

  2. 2.  E1V2M4

    E1(開眼なし)、V2(理解不能の音声)、M4(痛み刺激からの逃避)でAさんの所見と完全に一致する。合計7点で中等度〜重度の意識障害に相当する。

  3. × 3.  E2V2M2

    E2は痛み刺激で開眼、M2は伸展反応であり、Aさんの逃避動作(M4)とは異なる。

  4. × 4.  E4V5M5

    E4(自発開眼)、V5(見当識あり)、M5(疼痛部位認識)はほぼ正常であり、意識障害のあるAさんには該当しない。

GCSの各項目は、E:4自発/3呼びかけ/2痛み/1開眼なし、V:5見当識あり/4混乱した会話/3不適当な発語/2理解不能の音声/1発語なし、M:6命令に従う/5疼痛部位認識/4逃避/3異常屈曲(除皮質硬直)/2異常伸展(除脳硬直)/1反応なし。合計13〜15点が軽度、9〜12点が中等度、3〜8点が重度(挿管を要する状態)とされる。気管挿管中はV項目評価不能のため『VT』と記録する。JCS(Japan Coma Scale)との違いも整理しておきたい。

GCSの3項目の採点基準を正確に理解し、患者の具体的な所見をスコアに置き換えられるかを問う基本問題。