急性左心不全の症状はどれ?
看護師国家試験 第103回 午後 第33問 / 成人看護学 / 循環器系
国試問題にチャレンジ
急性左心不全(acute left heart failure)の症状はどれか。
- 1.肝腫大
- 2.呼吸困難
- 3.下腿浮腫
- 4.頸静脈怒張
対話形式の解説
博士
今日は急性左心不全の問題じゃ。心不全は左心不全と右心不全で症状が異なるが、違いを説明できるかな?
サクラ
えーと、左心と右心で送る場所が違うから症状も変わるんですよね?
博士
その通りじゃ。左心は肺から戻った血液を全身へ送り出す。右心は全身から戻った血液を肺へ送り出す。
サクラ
では左心不全だと肺に血液が溜まるんですか?
博士
正解じゃ。左心のポンプ機能が低下すると、肺から左心への血流が滞り、肺うっ血・肺水腫が生じる。
サクラ
だから呼吸困難が起こるんですね!
博士
そうじゃ。呼吸困難・起座呼吸・ピンク色泡沫状痰・湿性ラ音などが特徴的な症状じゃ。よって正解は2じゃ。
サクラ
1の肝腫大、3の下腿浮腫、4の頸静脈怒張はどうですか?
博士
これらはすべて右心不全の症状じゃ。右心不全では体循環がうっ滞し、中心静脈圧が上昇する。
サクラ
頸静脈怒張は上大静脈系のうっ血ですか?
博士
その通り。上大静脈系のうっ血で頸静脈が怒張し、下大静脈・肝静脈系のうっ血で肝腫大、末梢静脈圧上昇で下腿浮腫が生じるのじゃ。
サクラ
覚え方のコツはありますか?
博士
『左心不全=肺うっ血(呼吸器症状)』『右心不全=体循環うっ血(浮腫・肝腫大・頸静脈怒張)』と覚えると整理しやすい。
サクラ
看護のポイントは何ですか?
博士
急性左心不全では起座位やファウラー位で呼吸を楽にし、酸素投与・SpO2モニタリング・利尿薬投与の準備が重要じゃ。
サクラ
呼吸状態の観察が最優先なんですね!
POINT
急性左心不全では左心室のポンプ機能低下により肺うっ血・肺水腫を生じ、呼吸困難・起座呼吸・ピンク色泡沫状痰などの呼吸器症状が現れます。一方、右心不全では体循環のうっ血により頸静脈怒張・肝腫大・下腿浮腫が出現します。看護では起座位での呼吸管理、酸素投与、利尿薬投与の準備が重要です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:急性左心不全(acute left heart failure)の症状はどれか。
解説:正解は 2 です。急性左心不全では左心室のポンプ機能が低下し、肺から左心へ戻ってくる血液が肺にうっ滞することで肺うっ血・肺水腫を生じます。その結果、呼吸困難・起座呼吸・ピンク色泡沫状痰・湿性ラ音などの呼吸器症状が出現します。一方、右心不全では体循環のうっ血により頸静脈怒張・肝腫大・下腿浮腫が生じます。
選択肢考察
-
× 1. 肝腫大
肝腫大は右心不全の症状です。中心静脈圧上昇により下大静脈・肝静脈系が鬱滞し肝臓が腫大します。
-
○ 2. 呼吸困難
左心不全では肺うっ血・肺水腫が生じるため、呼吸困難・起座呼吸・ピンク色泡沫状痰などの呼吸器症状が特徴的です。
-
× 3. 下腿浮腫
下腿浮腫は右心不全の症状です。体循環のうっ血により末梢静脈圧が上昇し、間質に水分が貯留します。
-
× 4. 頸静脈怒張
頸静脈怒張は右心不全の症状です。上大静脈系のうっ血を反映し、中心静脈圧上昇の指標となります。
心不全の症状を整理する際は『左心不全=肺うっ血症状(呼吸器系)』『右心不全=体循環うっ血症状(浮腫・肝腫大・頸静脈怒張)』と覚えると分かりやすいです。慢性化すると両心不全に進行します。急性左心不全への看護は、起座位またはファウラー位で呼吸を楽にし、酸素投与・モニタリング・利尿薬投与の準備が重要です。
急性左心不全と右心不全の症状の違いを区別できるかを問う問題です。左心不全は肺循環、右心不全は体循環のうっ血症状という基本を理解しているかがポイントです。
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