心房細動の心電図を読み解こう
看護師国家試験 第104回 午前 第87問 / 成人看護学 / 循環器系
国試問題にチャレンジ
心電図を以下に示す。所見として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.R-R間隔の不整
- 2.細動波の出現
- 3.QRS波の消失
- 4.STの上昇
- 5.陰性T波
対話形式の解説
博士
今日は心電図じゃ。提示された波形を見て、まず何に注目すべきかの?
サクラ
P波があるかどうかですか?
博士
ええ着眼点じゃ。P波が見当たらず、基線が細かく揺れていれば?
サクラ
心房細動の細動波、f波ですか?
博士
その通りじゃ。次にR-R間隔はどうじゃ?
サクラ
不規則ですね、絶対不整というやつでしょうか。
博士
ばっちりじゃ。これでAfと診断できるんじゃ。
サクラ
心房粗動とはどう違うんですか?
博士
粗動は規則的な鋸歯状のF波が出るんじゃ。心拍数も整であることが多いぞ。
サクラ
Afで一番怖い合併症は何ですか?
博士
左心耳に血栓ができて脳梗塞を起こすことじゃ。心原性脳塞栓症は重症化しやすい。
サクラ
だから抗凝固療法が必要なんですね。
博士
そうじゃ。CHADS2スコアでリスクを評価し、DOACやワルファリンを使うんじゃ。
サクラ
ST上昇や陰性T波は今回の波形にありますか?
博士
ないのう。それらは虚血性心疾患の所見じゃから別じゃ。
サクラ
QRSの消失は?
博士
Afでは房室結節を介してQRSは出るぞ。消失はII度房室ブロックや心停止でみるんじゃ。
POINT
心房細動の心電図は、P波の消失、不規則なf波、絶対不整のR-R間隔が特徴です。心房粗動の規則的F波と区別できるようにしましょう。脳梗塞予防として抗凝固療法が必須で、CHADS2スコアでリスク評価を行います。ST上昇や陰性T波、QRS消失は別の病態で生じる所見です。
解答・解説
正解は 1 ・ 2 です
問題文:心電図を以下に示す。所見として正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は1と2です。提示された心電図はP波が消失し、基線に細かい不規則な細動波(f波)を認め、R-R間隔が絶対不整であることから心房細動(Af)の所見です。心房細動では心房が350〜600回/分の頻度で無秩序に興奮し、房室結節を介する伝導が不規則になるためQRS間隔も不整となります。
選択肢考察
-
○ 1. R-R間隔の不整
心房細動では心房興奮が無秩序に房室結節へ伝わるため、R-R間隔は絶対不整となります。心房細動の最も重要な所見の一つです。
-
○ 2. 細動波の出現
心房筋がランダムに興奮することで、基線に細かい不規則な細動波(f波)が出現します。P波は識別できなくなります。
-
× 3. QRS波の消失
心房細動でも房室結節を介してQRS波は出現します。QRS波の消失(脱落)はモビッツII型房室ブロックや高度房室ブロック、心停止などでみられます。
-
× 4. STの上昇
ST上昇は急性心筋梗塞、異型狭心症、心膜炎などでみられる虚血性または炎症性所見です。心房細動の必発所見ではありません。
-
× 5. 陰性T波
陰性T波は心筋虚血、心筋肥大、脳血管障害などで生じます。心房細動の特徴的所見ではありません。
心房細動は最も頻度の高い不整脈で、左心耳に血栓を形成して脳梗塞(心原性脳塞栓症)を起こすリスクがあります。CHADS2スコアで脳梗塞リスクを評価し、抗凝固療法(DOACやワルファリン)を行います。心拍数調節(β遮断薬等)と洞調律維持(電気的・薬理学的除細動、カテーテルアブレーション)が治療の柱です。心房粗動は規則的な鋸歯状F波が特徴で鑑別が重要です。
心房細動の心電図所見(P波消失・f波・R-R不整)を、他の不整脈や虚血所見と区別できるかを問う問題です。
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