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急性心筋梗塞の合併症早期発見

看護師国家試験 第108回 午後 第80問 / 成人看護学 / 循環器系

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第80問

急性心筋梗塞患者(acute myocardial infarction)の合併症を早期に発見するための徴候で正しいのはどれか。

  1. 1.皮疹の出現
  2. 2.頻脈の出現
  3. 3.時間尿の増加
  4. 4.腹壁静脈の怒張
  5. 5.うっ血乳頭の出現

対話形式の解説

博士 博士

急性心筋梗塞、いわゆるAMIの合併症を挙げられるかの?

アユム アユム

不整脈、心不全、心原性ショック、心破裂ですか?

博士 博士

その通り。そのほか乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全や心室中隔穿孔もある。いずれも致死的じゃ。

アユム アユム

早期発見のための徴候はどれですか?

博士 博士

選択肢2の頻脈じゃ。心筋壊死で心拍出量が低下すると、交感神経反射で代償性頻脈が出る。

アユム アユム

頻脈が出ると何を疑うんですか?

博士 博士

心不全の初期徴候や心原性ショック、出血、不整脈、心破裂など様々じゃ。だから経時的なモニタリングが重要になる。

アユム アユム

選択肢1の皮疹は?

博士 博士

アレルギーや感染症の症状じゃから、AMIとは関係ないぞ。

アユム アユム

選択肢3の時間尿の増加は?

博士 博士

逆じゃ。心不全や心原性ショックを合併すると腎血流が低下し、時間尿量はむしろ減少する。0.5mL/kg/時未満は要注意サインじゃ。

アユム アユム

選択肢4の腹壁静脈の怒張は?

博士 博士

メデューサの頭と呼ばれる門脈圧亢進の徴候で、肝硬変などで見られる。AMIとは無関係じゃ。

アユム アユム

選択肢5のうっ血乳頭は?

博士 博士

頭蓋内圧亢進による視神経乳頭浮腫じゃ。脳腫瘍やくも膜下出血で見られるが、AMIの徴候ではない。

アユム アユム

AMIの看護では何をモニターすればいいですか?

博士 博士

心電図モニタで不整脈、血圧でショック、尿量、末梢循環、聴診での新規雑音や肺ラ音じゃ。発症24〜48時間はCCUで管理するのが原則じゃよ。

アユム アユム

新規雑音は何を示唆するんですか?

博士 博士

乳頭筋断裂による急性僧帽弁閉鎖不全や心室中隔穿孔を示唆することがある。見逃すと致死的じゃ。

アユム アユム

経時的観察が本当に重要なんですね。

博士 博士

その通り。合併症の多くは発症早期に起きる。だから頻脈など軽微な変化も見逃さない観察眼が求められる。

POINT

急性心筋梗塞では不整脈、心不全、心原性ショック、心破裂などの致死的合併症が発症早期に起こります。心拍出量低下を代償する交感神経反射により代償性頻脈が出現するため、頻脈は早期発見の重要徴候です。尿量減少や新規雑音、肺ラ音の観察も合わせて行い、本問の正解は選択肢2の頻脈の出現です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:急性心筋梗塞患者(acute myocardial infarction)の合併症を早期に発見するための徴候で正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。急性心筋梗塞では冠動脈の閉塞により心筋が壊死し、ポンプ機能低下や電気的不安定性から致死的合併症が起こりやすくなります。主要合併症には不整脈(心室性期外収縮、心室頻拍、心室細動)、心不全・心原性ショック、心破裂、乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全、心室中隔穿孔などがあります。心拍出量が低下すると交感神経系が反射的に亢進し代償性頻脈が出現するため、発症早期からの心拍数モニタリングは合併症の早期発見に直結します。

選択肢考察

  1. × 1.  皮疹の出現

    皮疹はアレルギーや感染症などで生じる皮膚症状で、急性心筋梗塞の合併症徴候には該当しません。

  2. 2.  頻脈の出現

    心筋壊死による心拍出量低下を代償するため、また心原性ショックや心不全の初期徴候として頻脈が出現します。早期発見の重要な徴候です。

  3. × 3.  時間尿の増加

    心筋梗塞で心不全や心原性ショックを合併すると腎血流が低下し、むしろ時間尿量は減少(0.5mL/kg/時未満は要注意)します。増加は該当しません。

  4. × 4.  腹壁静脈の怒張

    腹壁静脈怒張(メデューサの頭)は肝硬変などによる門脈圧亢進の徴候で、急性心筋梗塞とは関係ありません。

  5. × 5.  うっ血乳頭の出現

    うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進による視神経乳頭の浮腫で、脳腫瘍やくも膜下出血などで見られます。急性心筋梗塞の徴候ではありません。

急性心筋梗塞の看護では、キラーコンプリケーションを見逃さないことが最重要です。心電図モニタ(不整脈監視)、血圧(ショックの有無)、尿量(0.5mL/kg/時以上を保つ)、末梢冷感・チアノーゼ、聴診での新規雑音(心室中隔穿孔や乳頭筋断裂を示唆)、呼吸音(肺うっ血・ラ音)を経時的に観察します。発症24〜48時間は特に不整脈のリスクが高く、CCU管理が原則です。

急性心筋梗塞の主要合併症(不整脈・心不全・心原性ショック)の早期徴候として代償性頻脈の意義を理解しているかを問う問題です。