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胃癌の特徴的転移名を整理する

看護師国家試験 第103回 午前 第33問 / 成人看護学 / 消化器・栄養代謝系

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第33問

胃癌(gastric cancer)についての組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.腎臓転移 ――――――――― Wilms〈ウィルムス〉腫瘍
  2. 2.肝臓転移 ――――――――― Schnitzler〈シュニッツラー〉転移
  3. 3.卵巣転移 ――――――――― Krukenberg〈クルッケンベルグ〉腫瘍
  4. 4.胃周囲リンパ節転移 ―――― Virchow〈ウィルヒョウ〉転移

対話形式の解説

博士 博士

今日は胃癌の転移名を学ぼう。進行胃癌では特定の部位に転移しやすく、それぞれ固有の名前がついておるんじゃ。

サクラ サクラ

人の名前がついている転移って多いんですね。

博士 博士

病理学者や臨床医が最初に報告したことに由来するんじゃ。代表は左鎖骨上窩のVirchow、ダグラス窩のSchnitzler、卵巣のKrukenbergじゃ。

サクラ サクラ

博士、正解はどれになりますか?

博士 博士

正解は 3 の卵巣転移とKrukenberg腫瘍の組合せじゃ。両側卵巣に印環細胞癌が浸潤する転移性腫瘍として有名じゃ。

サクラ サクラ

1のWilms腫瘍はどうですか?

博士 博士

これは小児の腎臓に原発する腎芽腫で、胃癌の転移ではないから組合せとしては誤りじゃ。

サクラ サクラ

2の肝臓転移とSchnitzlerは?

博士 博士

Schnitzler転移はダグラス窩への腹膜播種を指す名称で、肝臓転移とは結びつかんのじゃ。

サクラ サクラ

4のVirchowはどうですか?

博士 博士

Virchow転移は左鎖骨上窩リンパ節への遠隔リンパ行性転移で、胃周囲リンパ節転移とは異なる。胃周囲リンパ節は所属リンパ節転移で別概念じゃ。

サクラ サクラ

転移経路ごとに整理すると覚えやすいでしょうか?

博士 博士

よい着眼じゃ。リンパ行性のVirchow、血行性の肝・肺・骨転移、腹膜播種性のKrukenberg・Schnitzler・Mary Joseph結節の三系統で整理するとスッキリ覚えられるぞ。

サクラ サクラ

臍にも転移するんですか?

博士 博士

Mary Joseph結節といって臍部に転移巣が触れることがある。直腸診でダグラス窩の硬結を触れたり、左鎖骨上窩の硬いリンパ節を触れたら進行胃癌のサインじゃ。

POINT

胃癌の転移には固有名称がついた特徴的なものがあり、卵巣への転移がKrukenberg腫瘍である。Virchow転移は左鎖骨上窩リンパ節、Schnitzler転移はダグラス窩への腹膜播種を指す。看護では身体所見の経時観察、検査説明、栄養状態評価が重要となる。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:胃癌(gastric cancer)についての組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。胃癌は進行すると特徴的な転移経路を介して種々の臓器に播種・転移し、それぞれ固有の名称が付けられています。卵巣への転移はKrukenberg(クルッケンベルグ)腫瘍と呼ばれ、両側卵巣に印環細胞癌が浸潤する転移性腫瘍です。経路としては、腹膜播種ルートとリンパ行性ルートが提唱されています。他の代表的転移として、左鎖骨上窩リンパ節へのVirchow転移、ダグラス窩(直腸子宮窩・直腸膀胱窩)へのSchnitzler転移、臍部へのMary Joseph結節などがあり、これらはいずれも進行胃癌の重要な徴候です。

選択肢考察

  1. × 1.  腎臓転移 ――――――――― Wilms〈ウィルムス〉腫瘍

    Wilms腫瘍は小児の腎臓に原発する悪性腫瘍(腎芽腫)であり、胃癌の転移ではないため組合せとして誤りです。

  2. × 2.  肝臓転移 ――――――――― Schnitzler〈シュニッツラー〉転移

    Schnitzler転移は胃癌のダグラス窩への腹膜播種を指す名称であり、肝臓転移ではないため組合せとして誤りです。

  3. 3.  卵巣転移 ――――――――― Krukenberg〈クルッケンベルグ〉腫瘍

    胃癌の印環細胞癌が両側卵巣に転移したものをKrukenberg腫瘍といい、組合せが正しい選択肢です。

  4. × 4.  胃周囲リンパ節転移 ―――― Virchow〈ウィルヒョウ〉転移

    Virchow転移は左鎖骨上窩リンパ節への遠隔転移を指し、胃周囲リンパ節転移とは別の概念であるため組合せとして誤りです。

胃癌の転移経路は、リンパ行性(Virchow、左鎖骨上)、血行性(肝、肺、骨)、腹膜播種性(Krukenberg、Schnitzler、Mary Joseph結節)の三系統で整理されます。直腸診でダグラス窩に硬結を触れる所見、左鎖骨上窩で硬いリンパ節を触れる所見は、いずれも進行胃癌の身体所見として重要です。看護では身体所見の経時的観察、CTやPETの検査説明、食事摂取状況や体重減少の評価が大切です。

胃癌の特徴的な遠隔転移と人名がついた転移名の組合せを正しく把握しているかを問う設問です。