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マズローの階層で『尊重されたい』はどこ?——承認欲求の正体

看護師国家試験 第109回 午後 第17問 / 必修問題 / 看護の基本技術

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第17問

マズロー,A.H.( Maslow,A.H. )の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。

  1. 1.尊重されたい。
  2. 2.休息をとりたい。
  3. 3.他人と関わりたい。
  4. 4.自分の能力を発揮したい。

対話形式の解説

博士 博士

今日はマズローの欲求階層じゃ。看護理論の基礎知識じゃぞ。

サクラ サクラ

5段階あるのは知っていますが、どの言葉がどの段階か混乱します。

博士 博士

整理しようぞ。下から順に①生理的欲求、②安全の欲求、③所属と愛の欲求、④承認の欲求、⑤自己実現の欲求じゃ。

サクラ サクラ

問題の『尊重されたい』はどこに当てはまりますか?

博士 博士

第4段階の承認の欲求じゃ。他者から認められたい、尊敬されたい、自分自身を価値ある存在と感じたい、というのが承認欲求の中身。

サクラ サクラ

『休息をとりたい』は?

博士 博士

第1段階の生理的欲求。睡眠・食事・排泄・呼吸など、生命維持に直結する最も根源的な欲求じゃ。

サクラ サクラ

『他人と関わりたい』『自分の能力を発揮したい』はそれぞれ?

博士 博士

前者は第3段階の所属と愛の欲求、後者は第5段階の自己実現の欲求。覚え方は下から『生・安・所・承・自』じゃ。

サクラ サクラ

マズロー理論って看護にどう活かすんですか?

博士 博士

優れた視点じゃ。救急・急性期では①②が最優先。呼吸・循環・安全な環境の確保じゃな。回復期・慢性期では③④⑤が重要になる。

サクラ サクラ

例えばどんな場面ですか?

博士 博士

たとえば長期入院の患者に『家族と面会したい』という欲求が出れば所属と愛の欲求、『もう一度自分で着替えたい』『仕事に戻りたい』という希望は承認や自己実現に関わる。看護師はその段階に応じた支援を考えるのじゃ。

サクラ サクラ

欠乏欲求と成長欲求って聞いたことがあります。

博士 博士

①〜④は欠乏欲求。満たされないとストレスを感じるが満たされれば収束する。⑤は成長欲求で、満たされるほどさらに追求されるのが特徴じゃ。

サクラ サクラ

マズロー晩年には6段階目の『自己超越の欲求』も提唱されたんですよね?

博士 博士

よく勉強しておる。他者や社会のために貢献したいという自分を超えた欲求じゃ。看護師や医療者が燃え尽き症候群にならず働き続ける動機にもつながるといわれておる。

サクラ サクラ

欲求を階層で理解すると、患者ケアも自分のキャリアも見え方が変わりますね!

POINT

マズローの基本的欲求は下から生理的欲求・安全の欲求・所属と愛の欲求・承認の欲求・自己実現の欲求の5段階で構成され、『尊重されたい』は第4段階の承認の欲求に該当します。①〜④は欠乏欲求、⑤は成長欲求と呼ばれ、下位欲求が満たされてはじめて上位欲求が顕在化するのが基本構造です。看護では、急性期には生理的・安全欲求を最優先に確保し、回復期・慢性期では所属・承認・自己実現欲求への配慮がQOL向上に直結します。ヘンダーソン・オレム・ナイチンゲールなどの看護理論と並び、患者を全人的に捉えるための基礎教養として必修問題で繰り返し問われます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:マズロー,A.H.( Maslow,A.H. )の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。

解説:正解は 1 です。マズローの欲求階層説では、人間の欲求を①生理的欲求→②安全の欲求→③所属と愛の欲求(社会的欲求)→④承認(尊重)の欲求→⑤自己実現の欲求の5段階で説明する。第4段階の承認の欲求は『他者から認められたい・尊敬されたい』『自分自身を価値ある存在として評価したい』という欲求であり、『尊重されたい』はまさにこの段階に該当する。

選択肢考察

  1. 1.  尊重されたい。

    第4段階の承認(尊重)の欲求にあたる。外的には他者からの評価・尊敬・地位を求め、内的には自己価値感・自信・有能感を求める二層構造を持つ。

  2. × 2.  休息をとりたい。

    第1段階の生理的欲求。睡眠・食事・排泄・呼吸など生命維持に不可欠な欲求で、これが満たされないと他の欲求は生じにくい。

  3. × 3.  他人と関わりたい。

    第3段階の所属と愛の欲求(社会的欲求)。集団に所属したい、愛されたい、友人関係を築きたいという欲求で、満たされないと孤独感や社会的不安を生む。

  4. × 4.  自分の能力を発揮したい。

    第5段階の自己実現の欲求。自分の潜在的な能力を最大限に発揮し、なりたい自分になりたいという成長欲求。マズローは晩年に『自己超越の欲求』を第6段階として提唱した。

マズローの理論は①〜④を『欠乏欲求』、⑤を『成長欲求』と区分する。欠乏欲求は満たされると一時的に消失するが、成長欲求は満たされるほどさらに追求される性質を持つ。看護では、救急・急性期では生理的・安全欲求を、回復期・慢性期では所属・承認・自己実現欲求を意識した関わりがQOL向上に寄与する。ヘンダーソンの14の基本的ニーズ、オレムのセルフケア理論などと並んで看護理論の基礎教養。

マズローの5段階欲求階層のどの段階に該当するかを判別する問題。キーワードと階層を対で覚えるのが定石。