活動電位の発生と伝導、イオンの動きで理解する
看護師国家試験 第103回 午後 第28問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
活動電位について正しいのはどれか。
- 1.脱分極が閾値以上に達すると発生する。
- 2.細胞内が一過性に負〈マイナス〉の逆転電位となる。
- 3.脱分極期には細胞膜のカリウム透過性が高くなる。
- 4.有髄神経ではPurkinje〈プルキンエ〉細胞間隙を跳躍伝導する。
対話形式の解説
博士
静止状態の細胞内は電気的にどうなっておるか知っているかね?
アユム
細胞内がマイナス、細胞外がプラスの状態ですよね。
博士
その通り、静止膜電位は-70mV前後じゃ。今回は活動電位の正誤問題じゃな。
アユム
正解はどれですか?
博士
正解は1の脱分極が閾値以上に達すると発生するじゃ。閾値を超えるとNa+チャネルが急開して活動電位が発生するんじゃよ。
アユム
2の細胞内がマイナスに逆転というのは?
博士
逆じゃな、Na+が流入することで細胞内が一過性にプラスに逆転するんじゃ。
アユム
3のカリウム透過性は?
博士
脱分極期にはナトリウムの透過性が高まる、カリウムの透過性が高まるのは再分極期じゃ。これらを混同しやすいから注意じゃな。
アユム
4のプルキンエ細胞間隙はどうですか?
博士
これは間違いで、跳躍伝導はランビエ絞輪間で起こるんじゃよ。プルキンエ細胞は小脳皮質の神経細胞で別物じゃ。
アユム
ランビエ絞輪は髄鞘と髄鞘の間ですよね?
博士
その通り、シュワン細胞が巻き付いて髄鞘を作り、その隙間がランビエ絞輪じゃ。ここを電位がジャンプして伝わるから跳躍伝導という。
アユム
無髄神経より有髄神経が速いのはそのためですね。
博士
そうじゃ、伝導速度が大幅に上がり、エネルギー効率も良いという利点があるぞ。
アユム
イオンの流れで電位変化を整理するとわかりやすいですね。
POINT
活動電位は脱分極が閾値を超えるとNa+流入により発生し、再分極期にはK+流出が起こります。細胞内は一過性にプラスへ逆転し、有髄神経ではランビエ絞輪間を跳躍伝導します。神経生理学の基本であり、心電図や筋電図など臨床指標の理解にも直結します。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:活動電位について正しいのはどれか。
解説:正解は1です。神経細胞や筋細胞では、細胞膜の内外にイオン濃度差に基づく静止膜電位(細胞内が負)が存在します。膜が刺激を受けて脱分極が一定の閾値(おおむね-55mV前後)を超えると、ナトリウムチャネルが急速に開いてNa+が細胞内に流入し、活動電位が発生します。活動電位は全か無の法則に従い発生し、その後カリウムチャネルが開いてK+が流出することで再分極します。有髄神経ではランビエ絞輪間で跳躍伝導が起こり、伝導速度が速くなります。
選択肢考察
-
○ 1. 脱分極が閾値以上に達すると発生する。
脱分極が閾値電位を超えるとNa+チャネルが急開し、活動電位が発生します。閾値以下では発生せず、閾値以上では一定の大きさで発生する全か無の法則に従います。
-
× 2. 細胞内が一過性に負〈マイナス〉の逆転電位となる。
活動電位発生時はNa+流入により細胞内が一過性に正(プラス)に逆転します。負へ逆転するのではなく、脱分極によりプラス側へ転じるのが正しい記述です。
-
× 3. 脱分極期には細胞膜のカリウム透過性が高くなる。
脱分極期に高くなるのはナトリウム透過性です。カリウム透過性が高くなるのは再分極期で、K+流出により膜電位が静止膜電位に戻ります。
-
× 4. 有髄神経ではPurkinje〈プルキンエ〉細胞間隙を跳躍伝導する。
有髄神経の跳躍伝導はランビエ絞輪間で起こります。プルキンエ細胞は小脳皮質の神経細胞であり、跳躍伝導には関係しません。
活動電位の経過は静止膜電位(-70mV前後)→脱分極(Na+流入)→オーバーシュート(+30mV付近)→再分極(K+流出)→過分極→静止膜電位の回復、という順をたどります。有髄神経の跳躍伝導は伝導速度を大幅に高め、エネルギー効率も良いという利点があります。
活動電位の発生機序、イオンチャネルの動態、跳躍伝導の解剖学的基盤を理解しているかを問う問題です。
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