体温調節中枢はどこかを整理しよう
看護師国家試験 第104回 午後 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
体温を調節しているのはどれか。
- 1.橋
- 2.小脳
- 3.中脳
- 4.視床下部
対話形式の解説
博士
今日は体温を調節する中枢がどこにあるかを学ぶぞい。
サクラ
脳のどこかですよね。視床下部でしょうか。
博士
正解じゃ。視床下部は間脳の一部で、産熱と放熱の司令塔なのじゃ。
サクラ
橋や中脳は違うのですね。
博士
橋は呼吸や顔面神経核、中脳は対光反射や姿勢反射が主な役割じゃ。
サクラ
小脳は運動の協調でしたよね。
博士
その通り。小脳を損傷しても生命に直結はしないが運動失調が起こるのじゃ。
サクラ
視床下部のほかの働きも教えてください。
博士
摂食・飲水・睡眠・性行動の中枢、そして下垂体を介したホルモン制御も担うぞい。
サクラ
発熱はどう起こるのですか。
博士
炎症性サイトカインがセットポイントを引き上げ、ふるえや血管収縮で熱を産生するのじゃ。
サクラ
臨床で気をつける点はありますか。
博士
視床下部障害では中枢性高体温や尿崩症が出るので観察が重要じゃよ。
POINT
体温調節中枢は間脳視床下部にあり、自律神経と内分泌を介して産熱と放熱を巧みに調整します。橋・中脳・小脳は脳幹や運動制御に関わるものの体温調節は担いません。発熱はセットポイントの上昇で説明され、視床下部障害では体温恒常性が失われやすい点に注意が必要です。必修問題として頻出の要点ですので確実に押さえましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:体温を調節しているのはどれか。
解説:正解は 4 です。体温調節中枢は間脳の視床下部に存在し、皮膚や血液の温度情報を統合して産熱と放熱のバランスを自律神経・内分泌系を介して制御しています。
選択肢考察
-
× 1. 橋
橋は脳幹の一部で、三叉神経や顔面神経などの脳神経核が集まり、呼吸リズム形成や顔面・眼球運動に関与しますが、体温調節中枢は存在しません。
-
× 2. 小脳
小脳は平衡感覚や姿勢保持、随意運動の協調・運動学習を担う部位であり、体温調節には関与しません。
-
× 3. 中脳
中脳は脳幹の一部で対光反射や眼球運動、姿勢反射の中枢ですが、体温調節は担っていません。
-
○ 4. 視床下部
視床下部は間脳に位置し、体温調節中枢のほか食欲・飲水・睡眠・性行動などの自律機能とホルモン分泌を統合的に制御する中枢です。
視床下部前部は放熱中枢(発汗・血管拡張)、後部は産熱中枢(ふるえ・血管収縮)として働き、セットポイントを基準に体温を一定に保ちます。発熱時はサイトカインによりセットポイントが上昇する点を押さえましょう。
脳の各部位の機能分担を理解し、特に間脳視床下部が体温・自律神経・内分泌の統合中枢であることを確認する問題です。
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