ブローカ野は運動性言語中枢
看護師国家試験 第108回 午後 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
運動性言語中枢はどれか。
- 1.中心後回
- 2.大脳基底核
- 3.Broca<ブローカ>野
- 4.Wernicke<ウェルニッケ>野
対話形式の解説
博士
今回は運動性言語中枢がどれかを問う問題じゃ。
サクラ
博士、言語中枢って2種類あるんですよね?
博士
そうじゃ、運動性言語中枢のブローカ野と、感覚性言語中枢のウェルニッケ野じゃ。正解は3のブローカ野じゃぞ。
サクラ
ブローカ野はどこにあるんですか?
博士
前頭葉の下前頭回じゃ。通常は左半球に位置する優位半球じゃな。
サクラ
運動性失語ってどんな症状ですか?
博士
相手の言葉は理解できるが、自分で話すのが努力性で途切れ途切れになるのじゃ。電文体といって短い言葉が切れ切れに出るのが特徴じゃ。
サクラ
ウェルニッケ野はどこですか?
博士
側頭葉の上側頭回じゃ。言語の理解を担う感覚性言語中枢じゃ。
サクラ
ウェルニッケ失語は?
博士
流暢に話せるが意味が通らず、言葉の理解も悪い。本人は話せていると思っておるが会話が成立しないのじゃ。
サクラ
選択肢1の中心後回は?
博士
頭頂葉にある一次体性感覚野じゃ。触覚・温痛覚・深部感覚を受け取る領域で、言語とは無関係じゃ。
サクラ
中心前回は?
博士
こちらは一次運動野じゃ。中心溝を挟んで前が運動、後ろが感覚と覚えるとよいぞ。
サクラ
選択肢2の大脳基底核は?
博士
尾状核・被殻・淡蒼球などで構成される深部灰白質じゃ。運動調節や認知・情動に関わるが、言語中枢ではないぞ。
サクラ
ブローカ野とウェルニッケ野はつながっていますか?
博士
よい質問じゃ。弓状束という神経線維で結ばれており、ここの障害では復唱が困難になる「伝導失語」が生じるのじゃ。
サクラ
覚え方のコツはありますか?
博士
「ブローカ=前=運動=しゃべる、ウェルニッケ=側=感覚=きく」じゃ。前後と機能の対応でスッと入るぞ。
サクラ
脳卒中の症状理解にも大事ですね。
博士
その通り。左中大脳動脈領域の梗塞で失語症が頻発する。責任病巣の同定は看護アセスメントの要じゃ。
POINT
ブローカ野は前頭葉下前頭回(優位半球)に位置する運動性言語中枢で、話す・書くなど言語の産生を司ります。障害されると流暢性が失われる運動性失語が生じます。一方、側頭葉のウェルニッケ野は感覚性言語中枢で、障害では言語理解が困難になります。中心後回は体性感覚野、大脳基底核は運動調節に関わる部位で、いずれも言語中枢ではありません。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:運動性言語中枢はどれか。
解説:正解は 3 です。Broca(ブローカ)野は前頭葉の下前頭回(通常は左半球優位)に位置する運動性言語中枢で、話す・書くなど言語のアウトプットを司ります。この領域が障害されると、聞いて理解はできるものの、発話が流暢でなくなる「運動性失語(ブローカ失語)」が生じます。発話の努力性、短く途切れる文(電文体)が特徴です。
選択肢考察
-
× 1. 中心後回
頭頂葉の一次体性感覚野で、触覚・温痛覚・深部感覚などを受容する領域です。言語中枢ではありません。
-
× 2. 大脳基底核
尾状核・被殻・淡蒼球などで構成され、運動調節・認知・情動などに関与します。言語の中枢ではありません。
-
○ 3. Broca<ブローカ>野
前頭葉下前頭回に位置する運動性言語中枢で、言語の産生(話す・書く)を司ります。障害で運動性失語を生じます。
-
× 4. Wernicke<ウェルニッケ>野
側頭葉上側頭回に位置する感覚性言語中枢で、言語の理解を司ります。障害で感覚性失語(ウェルニッケ失語)を生じます。
言語野は通常左半球(優位半球)にあり、ブローカ野とウェルニッケ野は弓状束という神経線維で結ばれています。弓状束の障害では伝導失語(復唱障害)が生じます。覚え方は「ブローカ=前=運動=しゃべる、ウェルニッケ=側=感覚=きく」です。大脳皮質の機能局在は神経系疾患の理解の基礎となります。
ブローカ野が運動性言語中枢であることと、他の脳領域との機能区別を問う神経解剖の基本問題。
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