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オキシトシン、母と子を結ぶ愛情ホルモン

看護師国家試験 第109回 午前 第6問 / 必修問題 / 人体の構造と機能

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第6問

児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。

  1. 1.オキシトシン
  2. 2.プロラクチン
  3. 3.テストステロン
  4. 4.プロゲステロン

対話形式の解説

博士 博士

今日は産褥期に関わるホルモン、オキシトシンについて学ぶぞ。母子関係の基盤を築く重要なホルモンじゃ。

アユム アユム

出産や授乳のときに活躍するイメージですね。

博士 博士

その通り。オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンで、主に2つの大事な働きを持っておる。

アユム アユム

何と何ですか?

博士 博士

1つ目が子宮収縮作用、2つ目が射乳反射じゃ。どちらも平滑筋や筋上皮細胞の収縮を引き起こす働きじゃな。

アユム アユム

児が乳首を吸うと、どうしてホルモンが出るんですか?

博士 博士

乳頭への吸啜刺激が知覚神経を通って視床下部に伝わり、反射的に下垂体後葉からオキシトシンが放出されるのじゃ。これが「神経内分泌反射」じゃ。

アユム アユム

つまり授乳するほど子宮の収縮も促されるんですね。

博士 博士

その通り。産後の子宮は手拳大程度に戻る『子宮復古』を2〜6週間かけて遂げるが、授乳はこの過程を助けるのじゃ。

アユム アユム

では選択肢2のプロラクチンは?

博士 博士

プロラクチンも吸啜刺激で分泌される乳汁関連ホルモンじゃ。ただしこちらは下垂体『前葉』から出て、乳汁の『産生』を担う。

アユム アユム

オキシトシン=射乳+子宮収縮、プロラクチン=乳汁産生、と分けて覚えるんですね。

博士 博士

見事じゃ。テストステロンは男性ホルモンだし、プロゲステロンは黄体ホルモンで子宮を収縮ではなくむしろ弛緩させる。両者とも今回は無関係じゃ。

アユム アユム

臨床でオキシトシンの製剤が使われることもあると聞きました。

博士 博士

その通りじゃ。『アトニン-O』という商品名で、陣痛促進や分娩後の弛緩出血時の止血に使われる。子宮収縮作用を利用しておるのじゃ。

アユム アユム

副作用はありますか?

博士 博士

過強陣痛による胎児仮死や子宮破裂、過剰投与による水中毒が挙げられる。看護師は投与中の陣痛モニタリングと母体観察が必須じゃ。

アユム アユム

オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれていますね。

博士 博士

よく知っておるな。母児のスキンシップでも分泌が増え、信頼感や絆の形成に関わるとされる。早期母子接触(カンガルーケア)を重視するのもその効果を期待してのことじゃ。

アユム アユム

単なる生理的ホルモンを超えて、母子関係の基盤になっているんですね。

博士 博士

そうじゃ。産褥期の看護は、オキシトシンの自然な分泌を促す環境づくりが鍵となる。頻回授乳と早期母子接触を支援する意義はここにあるのじゃ。

POINT

オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンで、児の吸啜刺激が神経反射を介して分泌を促し、子宮筋収縮(子宮復古)と乳腺筋上皮細胞の収縮(射乳)という2つの重要な作用を示します。同じく吸啜刺激で増えるプロラクチンは乳汁産生を担い、両者が協調して授乳を成立させます。臨床ではオキシトシン製剤が陣痛促進や弛緩出血治療に用いられ、過強陣痛や水中毒に注意が必要です。看護師は頻回授乳や早期母子接触を支援することで、生理的なホルモン分泌と母子の絆形成を促す役割を担います。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。

解説:正解は 1 です。オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンで、児の吸啜刺激が乳頭の知覚神経を介して視床下部に伝わり、反射的に分泌が増加する。オキシトシンは子宮平滑筋と乳腺筋上皮細胞を収縮させ、分娩後は子宮復古(子宮の元の大きさへの回復)を促すとともに、射乳反射による乳汁の排出を起こす。

選択肢考察

  1. 1.  オキシトシン

    下垂体後葉から分泌され、吸啜刺激で分泌が亢進。子宮筋収縮による子宮復古と、乳腺筋上皮細胞収縮による射乳反射を担う。

  2. × 2.  プロラクチン

    下垂体前葉から分泌され、吸啜刺激で分泌が亢進する点は共通するが、役割は乳汁『産生』であり子宮収縮作用はない。

  3. × 3.  テストステロン

    男性の精巣(ライディッヒ細胞)から分泌される代表的アンドロゲン。男性の第二次性徴や筋肉・骨量の維持に働き、分娩や授乳には無関係。

  4. × 4.  プロゲステロン

    卵巣黄体から分泌される黄体ホルモン。子宮内膜を着床に適した状態に保ち妊娠を維持するが、分娩後は子宮筋を収縮ではなく弛緩させる側のホルモン。

産褥期の2大ホルモンがオキシトシンとプロラクチンで、両方とも吸啜刺激で分泌が亢進する点が共通する。役割分担は『オキシトシン=射乳+子宮収縮』『プロラクチン=乳汁産生』と整理するとよい。また早期母子接触や頻回授乳がオキシトシン分泌を促し、子宮復古を助ける理由もここにある。臨床ではオキシトシン製剤(アトニン-Oなど)が陣痛促進や弛緩出血時の止血目的で用いられ、副作用として過強陣痛や水中毒に注意が必要。

児の吸啜刺激で分泌が増え、子宮収縮を促すホルモンを識別する問題。オキシトシン(射乳+子宮収縮)とプロラクチン(乳汁産生)の役割分担を明確にすることがポイント。