球関節は肩!関節の形態分類を一気に整理
看護師国家試験 第109回 午前 第10問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
球関節はどれか。
- 1.肩関節
- 2.膝関節
- 3.下橈尺関節
- 4.手根中手関節
対話形式の解説
博士
今日は関節の形態分類を学ぶぞ。国試では毎年のように問われる解剖の定番テーマじゃ。
アユム
関節っていろいろな形があるんですよね。
博士
その通り。関節は接合部の形によって分類され、運動の自由度が決まってくる。今日の主役は『球関節』じゃ。
アユム
球関節って、球のような形をしている関節ですか?
博士
そうじゃ。関節頭が球状、関節窩が皿状になっておって、球がお椀にはまっているようなイメージじゃ。
アユム
どんな運動ができるんですか?
博士
屈曲・伸展・外転・内転・内旋・外旋・回旋と多彩じゃ。3つの軸すべてで動く『多軸性関節』なのじゃ。
アユム
選択肢では肩関節が該当しますね。
博士
その通り。肩関節は人体で最も可動域の広い関節で、上腕骨頭が肩甲骨の関節窩にはまる構造じゃ。
アユム
関節窩は浅いんですか?
博士
そうじゃ。だから可動域が広い反面、脱臼しやすいという弱点もある。安定性は関節包と腱板(ローテーターカフ)に頼っておるのじゃ。
アユム
股関節も球関節ですよね?
博士
よい指摘じゃ。股関節も球関節じゃが、関節窩が深くて関節頭を半分以上包み込むため『臼状関節』と特別に呼ばれる。安定性が高い代わりに可動域は肩より狭い。
アユム
膝関節はどんな関節ですか?
博士
膝は『顆状関節』で、蝶番関節の一種じゃ。大腿骨顆部と脛骨顆部からなる複関節で、主に屈伸を担う2軸性関節じゃな。
アユム
下橈尺関節は前腕の動きに関わるんですよね。
博士
その通り。下橈尺関節は『車軸関節』で、前腕の回内・回外運動を担う1軸性関節じゃ。上橈尺関節とペアで機能する。
アユム
手根中手関節は?
博士
第2〜5指の手根中手関節はほとんど動かない『半関節』、母指だけは特殊で『鞍関節』じゃ。だから親指だけ対立運動ができるのじゃ。
アユム
親指の鞍関節があるから、物をつまむ動作ができるんですね。
博士
その通り。人類の進化を支える重要な関節じゃ。
アユム
他にも覚えておくべき分類はありますか?
博士
『蝶番関節:肘関節、指節間関節』『楕円関節:橈骨手根関節』『平面関節:椎間関節』もよく問われる。関節形態と運動軸をセットで覚えるとよいぞ。
アユム
関節の分類を理解すると、リハビリや拘縮予防のケアもイメージしやすいですね。
博士
その通り。可動域訓練(ROM訓練)では、関節ごとの生理的可動範囲を把握しておることが前提になる。解剖の知識は臨床看護に直結するのじゃ。
POINT
球関節は関節頭が球状で関節窩が浅く広い皿状をなす多軸性関節で、屈伸・内外転・内外旋と広い可動域を持ちます。代表例は肩関節で、人体で最も可動域の広い関節です。股関節は関節窩が深い臼状関節、膝関節は顆状関節、下橈尺関節は車軸関節、手根中手関節は半関節または鞍関節と分類されます。関節の形態は運動軸と可動域を規定するため、ROM訓練や拘縮予防、姿勢保持などの看護ケアの基礎知識となります。解剖学的分類を正確に理解することが臨床実践の土台です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:球関節はどれか。
解説:正解は 1 です。球関節は関節頭が球状、関節窩が皿状になった多軸性関節で、屈曲・伸展・外転・内転・内旋・外旋・回旋運動と幅広い可動域を持つ。代表例は肩関節(肩甲上腕関節)。股関節も球関節の一種だが、関節窩が深く関節頭を半分以上包み込むため『臼状関節』と呼ばれる。
選択肢考察
-
○ 1. 肩関節
肩関節は典型的な球関節。上腕骨頭(球状の関節頭)が肩甲骨関節窩(比較的浅い皿状の関節窩)にはまり、人体で最も可動域の広い関節である。
-
× 2. 膝関節
膝関節は『顆状関節(蝶番関節の一種)』で、大腿骨顆部と脛骨顆部・膝蓋骨からなる複関節。主に屈伸運動を行い、わずかに回旋を伴う2軸性関節。
-
× 3. 下橈尺関節
下橈尺関節は前腕の回内・回外を担う『車軸関節』。橈骨が尺骨周りを回転する1軸性関節で、球関節ではない。
-
× 4. 手根中手関節
手根中手関節は第2〜5指ではほぼ動かない『半関節(平面関節)』で、母指のみ『鞍関節』。いずれも球関節ではない。
関節の形態分類は国試頻出。主な関節形態と代表例は以下の通り整理するとよい。球関節:肩関節/臼状関節(球関節の深型):股関節/蝶番関節:肘関節、指節間関節/顆状関節:膝関節、中手指節関節/車軸関節:上橈尺関節、下橈尺関節、正中環軸関節/鞍関節:母指の手根中手関節/平面関節(半関節):椎間関節、第2〜5手根中手関節/楕円関節:橈骨手根関節。関節の形態と運動軸(1軸性・2軸性・多軸性)を結びつけて覚えることで、理学的所見やリハビリ看護に応用できる。
関節の形態分類のうち『球関節』を識別する基本問題。肩関節が典型例であり、その他の膝・下橈尺・手根中手はそれぞれ顆状関節・車軸関節・半/鞍関節であるという対応関係を整理する。
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