基礎代謝量が最も多い時期を押さえよう
看護師国家試験 第111回 午後 第8問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
次の時期のうち基礎代謝量が最も多いのはどれか。
- 1.青年期
- 2.壮年期
- 3.向老期
- 4.老年期
対話形式の解説
博士
今日はライフステージごとの基礎代謝量について学ぶぞ。
アユム
基礎代謝量とは何ですか。
博士
覚醒時に心身が安静で快適な環境下において、生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量じゃ。心拍・呼吸・体温維持・細胞活動などに使われる。
アユム
どうやって測るんですか。
博士
早朝空腹時、安静覚醒臥床状態、20〜25度の環境で測定する。通常は推定式で計算することが多い。
アユム
年齢でどう変化するんですか。
博士
体重あたりの基礎代謝基準値は、男性では15〜17歳、女性では12〜14歳でピークを迎える。以降は加齢とともに低下していく。
アユム
なぜ若いときに高いんですか。
博士
成長期には組織合成にエネルギーが必要で、代謝が活発だからじゃ。また筋肉量の割合も加齢で減ることが影響する。
アユム
選択肢1の青年期がピークに近いですね。
博士
その通り。20代前後は基礎代謝が比較的高い時期じゃ。
アユム
選択肢2の壮年期は。
博士
30〜60歳頃で、徐々に除脂肪体重が減り基礎代謝も低下する。
アユム
選択肢3の向老期。
博士
60〜65歳頃で、さらに低下する。
アユム
選択肢4の老年期は。
博士
65歳以降で、筋肉量の減少(サルコペニア)により最も低くなる。
アユム
では正解は選択肢1ですね。
博士
その通り。4つの中で最も若い青年期が基礎代謝量が最も多い。
アユム
基礎代謝に影響する他の因子は何ですか。
博士
体表面積、筋肉量、性別(男性>女性)、体温(1度上昇で約13%増)、甲状腺ホルモン、季節(冬>夏)などじゃ。
アユム
甲状腺疾患との関係は。
博士
甲状腺機能亢進症では基礎代謝が亢進し、体重減少・頻脈・発汗増加がみられる。逆に低下症では代謝が下がり、体重増加・徐脈・寒がりになる。
アユム
高齢者の栄養管理に重要ですね。
博士
そうじゃ。加齢による基礎代謝低下を考慮し、適切なエネルギー量と筋肉維持のためのタンパク質摂取が重要になる。フレイル予防にもつながる。
POINT
基礎代謝量は男性15〜17歳、女性12〜14歳でピークを迎え、以降は加齢とともに低下します。選択肢では青年期が最もピークに近く基礎代謝量が多くなります。加齢による低下は筋肉量減少が主因で、高齢者の栄養管理やフレイル予防に重要な知識です。体温・ホルモン・性別・体表面積なども影響因子として押さえましょう。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:次の時期のうち基礎代謝量が最も多いのはどれか。
解説:正解は 1 です。基礎代謝量とは、覚醒時に心身が安静かつ快適な環境下で消費する必要最小限のエネルギー量で、生命維持に不可欠な心拍・呼吸・体温維持などに使われます。基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)は男性15〜17歳、女性12〜14歳でピークを迎え、以降は加齢とともに低下します。選択肢の中で最も若い青年期が最も基礎代謝量が多くなります。
選択肢考察
-
○ 1. 青年期
青年期は基礎代謝量のピークに最も近く、他の選択肢より基礎代謝量が多いため正解です。
-
× 2. 壮年期
壮年期(30〜60歳頃)は加齢とともに除脂肪体重が減少し、青年期より基礎代謝量が低下します。
-
× 3. 向老期
向老期(60〜65歳頃)は壮年期よりさらに基礎代謝量が減少し、低値となります。
-
× 4. 老年期
老年期(65歳以降)は筋肉量の減少などにより基礎代謝量が最も低くなります。
基礎代謝に影響する因子には、体表面積・筋肉量・年齢・性別・体温・ホルモン(甲状腺ホルモンなど)・季節があります。男性は筋肉量が多いため女性より基礎代謝が高く、甲状腺機能亢進症では代謝が亢進、低下症では低下します。加齢に伴う基礎代謝低下は、主に除脂肪体重(筋肉量)の減少によるもので、高齢者の栄養管理やフレイル予防の観点でも重要な知識です。
ライフステージにおける基礎代謝量の変化と、青年期にピークがあることを理解しているかを問う問題です。
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