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スタンダードプリコーションの手袋マナー

看護師国家試験 第105回 午後 第38問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第38問

ベッド上での排便の介助時に使用した手袋を手から取り外すタイミングで適切なのはどれか。

  1. 1.肛門周囲の便を拭き取った後
  2. 2.排便後の患者の寝衣を整えた後
  3. 3.ベッド周囲のカーテンを開けた後
  4. 4.使用した物品を汚物処理室で片づけた後

対話形式の解説

博士 博士

今日は105回午後157問、排便介助での手袋交換タイミングを考えよう。

アユム アユム

博士、手袋ってつけたまま色々作業しちゃいけないんですか?

博士 博士

そうじゃ。標準予防策(スタンダードプリコーション)の原則では、汚染作業が終わったら直ちに外し、清潔領域を触る前に手指衛生を行うのが鉄則じゃ。

アユム アユム

正解はどれですか?

博士 博士

正解は1の『肛門周囲の便を拭き取った後』じゃ。汚染作業が完了した直後に外すのが正解じゃ。

アユム アユム

選択肢2の寝衣を整えた後では?

博士 博士

汚染された手袋で寝衣を触れば寝衣が汚染される。その寝衣は皮膚と接触するから、患者自身への病原体移行リスクが生じる。

アユム アユム

選択肢3のカーテンを開けた後はどうですか?

博士 博士

カーテンは高頻度接触面じゃ。他のスタッフや面会者、次の患者が触れる場所を汚染することになる。交差感染の温床になる。

アユム アユム

選択肢4の汚物処理室で片づけた後は?

博士 博士

汚物処理室まで汚染手袋で移動すると、ドアノブ・廊下の環境表面を汚染してしまう。汚物処理は別の新しい手袋を装着して行うのが原則じゃ。

アユム アユム

『一処置一手袋』という言葉を聞いたことがあります。

博士 博士

そうじゃ。一つの処置ごとに手袋を交換する原則じゃ。同じ患者でも汚染領域と清潔領域を行き来するときは必ず交換する。

アユム アユム

手袋を外したあとは何をしますか?

博士 博士

必ず手指衛生じゃ。石けん手洗いまたは擦式アルコール消毒を行う。手袋を過信して手指衛生を省略するのは最も危険なミスじゃ。

アユム アユム

手袋のピンホール問題ですか?

博士 博士

うむ、手袋には微小な穴がある可能性があり、また脱ぐ際に手が汚染されることもある。だから手袋後の手指衛生は必須じゃ。

アユム アユム

作業の順序も大事ですね。

博士 博士

その通り。『清潔領域→汚染領域』の順に実施するのが基本。もし逆になる場合は手袋交換と手指衛生を挟む。

アユム アユム

スタンダードプリコーションの対象は何ですか?

博士 博士

血液・体液・分泌物・排泄物・粘膜・損傷皮膚じゃ。これらは全ての患者で感染性があるとみなして扱う。

アユム アユム

排泄物は特にリスクが高そうですね。

博士 博士

便にはノロ・クロストリジウム・腸管出血性大腸菌など多様な病原体が含まれうる。排便介助後の手袋交換は特に徹底すべきじゃ。

POINT

排便介助の手袋は肛門周囲の便を拭き取った直後に外すのが原則で、これにより汚染の環境拡散を防げます。汚染された手袋で寝衣・カーテン・汚物処理室まで触れ続けるのは標準予防策に反します。手袋を外した後は必ず手指衛生を行い、汚物処理時は新たな手袋を装着する『一処置一手袋』の原則を徹底します。手袋を過信せず、汚染領域と清潔領域の区別を意識することが感染対策の基本です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:ベッド上での排便の介助時に使用した手袋を手から取り外すタイミングで適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。スタンダードプリコーション(標準予防策)では、排泄物・血液・体液・粘膜・損傷皮膚は感染性物質とみなし、これらに触れる可能性がある場合は手袋を着用します。手袋は汚染作業が終わった直後に外すことで、周囲環境(寝衣・カーテン・リネン類)への病原体拡散を防ぎます。肛門周囲の便を拭き取った直後に手袋を外し、手指衛生を行ってから寝衣を整えたりカーテンを開けるのが適切で、その後で汚物処理室に物品を運ぶ際は新しい手袋を装着し直します。

選択肢考察

  1. 1.  肛門周囲の便を拭き取った後

    排泄物接触作業が終了した直後に手袋を外すことで、汚染された手袋で清潔な領域(寝衣・リネン・環境表面)を触れるのを防げます。標準予防策の原則に合致しています。

  2. × 2.  排便後の患者の寝衣を整えた後

    汚染された手袋で寝衣を整えると、寝衣が汚染され患者の皮膚接触部位に病原体を広げるリスクがあります。タイミングとして遅すぎます。

  3. × 3.  ベッド周囲のカーテンを開けた後

    汚染された手袋でカーテンに触れると環境汚染が広がり、次の患者やスタッフへの交差感染リスクとなります。

  4. × 4.  使用した物品を汚物処理室で片づけた後

    汚物処理は汚染された物品を扱うため、改めて新しい手袋を装着して行います。排便介助の手袋をそのまま着けたまま移動・処理するのは不適切です。

スタンダードプリコーション(CDC 2007)は、全ての患者ケアに適用する基本的感染対策で、手指衛生・PPE(個人防護具)・咳エチケット・安全な注射・環境整備などで構成されます。手袋は『使い捨て・単一作業・汚染後即交換』が原則で、手袋を過信せず外した後には必ず手指衛生(石けん手洗いまたは擦式アルコール)を行います。処置を『清潔領域→汚染領域』の順で行い、汚染作業後に新たな手袋に交換することを『一処置一手袋』と呼びます。

標準予防策における手袋の適切な使用タイミング、特に汚染作業直後の交換原則を理解しているかが問われています。