フィジカルアセスメントの4技法を使い分けよう
看護師国家試験 第105回 午前 第38問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術
国試問題にチャレンジ
フィジカルアセスメントにおいて触診で判断するのはどれか。
- 1.腱反射の有無
- 2.瞬目反射の有無
- 3.腸蠕動運動の有無
- 4.リンパ節の腫脹の有無
対話形式の解説
博士
今日はフィジカルアセスメントの技法と適応じゃ。
アユム
基本の4技法は視診・触診・打診・聴診ですよね。
博士
そうじゃ。視診は目で観察、触診は手で触れて確認、打診は指で叩いて音や抵抗を評価、聴診は聴診器で音を聴く技法じゃ。
アユム
選択肢1の腱反射はどうですか。
博士
腱反射は打腱器で腱を叩打して筋の反射を誘発する検査じゃ。打診の一種で、触診では判定できん。代表例は膝蓋腱反射、アキレス腱反射、上腕二頭筋反射などじゃ。
アユム
選択肢2の瞬目反射は。
博士
瞬目反射は角膜反射とも呼ばれ、綿花などで角膜を軽く触れた時に瞼が閉じるかを視診で観察する。触診が主体ではない。三叉神経と顔面神経の機能を評価しておる。
アユム
選択肢3の腸蠕動運動は。
博士
これは聴診で行う。聴診器を腹部に当て1分以上聴取し、腸音の有無や頻度を評価するのじゃ。
アユム
腹部の聴診は最初にやるのですか。
博士
よい質問じゃ。腹部アセスメントは視診→聴診→打診→触診の順。触診を先にすると腸音が変化するからのう。
アユム
選択肢4のリンパ節の腫脹が正解ですね。
博士
その通り、これが正解。リンパ節は皮下にあるから触診で大きさ・硬さ・可動性・圧痛を確認する。
アユム
どこのリンパ節をみるのですか。
博士
表在リンパ節として頸部、鎖骨上、腋窩、肘部、鼠径、膝窩などがある。感染症やがんの転移、全身性疾患のスクリーニングに有用じゃ。
アユム
悪性と良性の見分け方はありますか。
博士
一般に悪性は硬く、無痛性、可動性不良、癒合傾向がある。良性の炎症性腫脹は圧痛があり、軟らかく可動性が保たれておる。ただし触診だけで確定はできず画像検査や生検が必要じゃ。
アユム
部位別に疑う疾患も違うのでしょうか。
博士
そうじゃな。頸部リンパ節腫脹は呼吸器・口腔・咽頭の感染症やがん、鎖骨上はウィルヒョウ転移として胃癌などの腹部悪性腫瘍、鼠径は下肢や会陰の感染症などを疑うことが多い。
アユム
技法と適応をセットで覚えるといいですね。
博士
その通り。正解は4じゃ、よく整理できておる。
POINT
フィジカルアセスメントの4技法は視診・触診・打診・聴診で、腱反射は打診、瞬目反射は視診、腸蠕動音は聴診、リンパ節腫脹は触診で評価します。腹部は視診→聴診→打診→触診の順に行う点も押さえておきましょう。本問の正解は選択肢4で、各技法の適応を項目別に整理することが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:フィジカルアセスメントにおいて触診で判断するのはどれか。
解説:正解は4です。フィジカルアセスメントの基本技法は視診・触診・打診・聴診の4つで、対象や部位によって使い分けます。リンパ節の腫脹の有無は触診で評価するのが基本で、頸部・腋窩・鼠径などの表在リンパ節の大きさ・硬さ・可動性・圧痛・熱感などを指腹で触れて確認します。
選択肢考察
-
× 1. 腱反射の有無
誤りです。腱反射は打腱器(ハンマー)で腱を叩打して誘発する検査で、打診の一種に分類されます。触診では評価しません。
-
× 2. 瞬目反射の有無
誤りです。瞬目反射は角膜を綿花などで軽く触れたり強い光や急な動きを与えたりして誘発し、視診で瞼が閉じる反応を観察します。触診が主体ではありません。
-
× 3. 腸蠕動運動の有無
誤りです。腸蠕動運動は聴診器を腹部に当てて腸音を聴取することで評価します。触診では把握しにくい所見です。
-
○ 4. リンパ節の腫脹の有無
正しい記述です。リンパ節の腫脹は皮下にあるため触診で大きさ・硬さ・可動性・圧痛の有無を評価します。頸部・腋窩・鼠径などの表在リンパ節が対象となります。
腹部アセスメントは「視診→聴診→打診→触診」の順で実施します。先に触診や打診を行うと腸蠕動音が変化する可能性があるためです。リンパ節触診では指腹を使い、両側を同時に比較しながら大きさ・硬さ・可動性・圧痛を評価します。
フィジカルアセスメントの4技法(視診・触診・打診・聴診)の適応を理解し、各検査項目にどの技法を用いるかを区別できるかを問う問題です。
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