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構音障害患者へのコミュニケーション

看護師国家試験 第111回 午後 第35問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第35問

構音障害がある成人患者への対応で適切なのはどれか。

  1. 1.手話で説明する。
  2. 2.筆談を提案する。
  3. 3.耳元で話しかける。
  4. 4.不明瞭な言語は繰り返し聞き直す。

対話形式の解説

博士 博士

構音障害の患者さんへのコミュニケーション方法を問う問題じゃ。失語症や難聴との区別が鍵じゃ。

サクラ サクラ

構音障害って、うまく話せないだけで耳は聞こえるんですよね?

博士 博士

その通り。構音障害は口唇・舌・軟口蓋・声帯などの運動障害で発語が不明瞭になる状態で、言語理解や聴力、読み書きは保たれておる。

サクラ サクラ

だから正解は2の筆談ですね!

博士 博士

その通りじゃ。筆談、文字盤、コミュニケーションボード、50音表などが有効じゃ。

サクラ サクラ

選択肢1の手話はなぜダメですか?

博士 博士

手話は主に聴覚障害者のための言語じゃ。構音障害の患者は聴力に問題がないし、成人が新たに手話を習得するのは時間もかかり非現実的じゃ。

サクラ サクラ

選択肢3の耳元で話すのは?

博士 博士

聴力が正常なのじゃから、通常の距離・音量で話しかければよい。耳元で話すのは難聴の方への配慮じゃ。

サクラ サクラ

選択肢4の聞き直しはダメですか?

博士 博士

何度も聞き直されると「うまく話せない自分」を突きつけられ、自尊心が傷つき発話意欲が低下してしまう。はい/いいえで答えられる質問に変えたり、筆談に切り替えるのが良い。

サクラ サクラ

構音障害の原因疾患にはどんなものがありますか?

博士 博士

脳血管障害による仮性球麻痺、パーキンソン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、筋ジストロフィー、頭部外傷などじゃ。

サクラ サクラ

失語症とはどう違うんですか?

博士 博士

失語症は大脳の言語中枢(ブローカ野・ウェルニッケ野など)の障害で、言語の理解や産出自体が困難になる状態じゃ。構音障害が「話す運動」の障害なら、失語症は「ことば」の障害と区別するとよい。

サクラ サクラ

失語症の人には筆談が通じないこともあるんですね。

博士 博士

その通り。ウェルニッケ失語では書字の理解も困難になる。失語症では絵カードやジェスチャー、短い単語での声かけが基本じゃ。

サクラ サクラ

最近はタブレットの音声合成アプリもありますね。

博士 博士

よい視点じゃ。AACという拡大・代替コミュニケーション機器も普及しており、個々の能力に応じた手段を選ぶことが大切じゃ。

サクラ サクラ

障害の種類を見極めて、患者さんに合った方法を選ぶんですね。

博士 博士

その通り、看護の基本じゃ。

POINT

構音障害は発語運動の障害で、聴覚・言語理解・読み書きは保たれているため、筆談や文字盤が有効です。失語症(言語中枢障害)や難聴(聴覚障害)との区別が重要で、それぞれ適切なコミュニケーション手段が異なります。聞き直しを繰り返すと患者の自尊心を傷つけるため、はい/いいえで答えられる質問や書字への切り替えが配慮の基本です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:構音障害がある成人患者への対応で適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。構音障害は発声・発音に関わる器官(口唇・舌・軟口蓋・声帯など)の運動障害により発語が不明瞭になる状態で、言語理解・読み書き能力・聴力は保たれています。したがって筆談や文字盤など書字を用いたコミュニケーションが有効です。

選択肢考察

  1. × 1.  手話で説明する。

    手話は主に聴覚障害者のためのコミュニケーション手段です。構音障害の患者は聴覚に問題がなく、新たに手話を習得するのは非現実的です。

  2. 2.  筆談を提案する。

    構音障害では言語理解・読み書き能力は保持されているため、筆談や文字盤、コミュニケーションボードの活用が有効です。

  3. × 3.  耳元で話しかける。

    聴力は正常なので通常の音量・距離で話しかけて問題ありません。耳元で話す必要があるのは難聴(聴覚障害)の患者です。

  4. × 4.  不明瞭な言語は繰り返し聞き直す。

    聞き直しを繰り返すと患者の自尊心を傷つけ、発話意欲を低下させます。聞き取れた単語から推測したり、はい/いいえで答えられる質問に変えたり、筆談に切り替える配慮が必要です。

構音障害の原因疾患は脳血管障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、頭部外傷などです。失語症(言語中枢障害で言語理解自体が困難)との違いが重要で、失語症では筆談も難しいケースがあります。構音障害では50音表やスマートフォンの音声合成アプリも選択肢になります。

構音障害と失語症・聴覚障害との違いを理解し、適切なコミュニケーション方法を選べるかを問う問題です。