認知症高齢者の日常生活自立度、Aさんのランクは
看護師国家試験 第107回 午後 第95問 / 老年看護学 / 状況設定問題
国試問題にチャレンジ
Aさん( 87歳、男性 )。3年前にAlzheimer< アルツハイマー >型認知症( dementia of Alzheimer type )と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 Aさんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。
- 1.ランクⅡa
- 2.ランクⅡb
- 3.ランクⅢa
- 4.ランクⅢb
- 5.ランクM
対話形式の解説
博士
Aさんは服薬を忘れたり電話の応対ができなくなったそうじゃ。ランクはどれじゃ?
サクラ
家庭内での支障が出ているので、ランクⅡbですね。
博士
正解じゃ。ⅡaとⅡbの境目は家庭内か家庭外かで分かれるのじゃ。
サクラ
Ⅱaは道に迷ったり買い物でミスするといった家庭外の支障でしたよね。
博士
そうじゃ。家庭内のみの行動では問題が出にくい段階じゃな。
サクラ
Ⅲaになると着替えや排泄が困難になって介護が必要ですよね。
博士
そのとおり。徘徊や失禁、大声なども含まれて日中中心に介護を要するのじゃ。
サクラ
ⅢbはⅢaの症状が夜間中心ということですね。
博士
夜間の介護負担が大きいのがⅢbの特徴じゃ。
サクラ
ランクMはどんな状態ですか。
博士
せん妄や妄想、興奮、自傷・他害が続いて専門医療が必要な段階じゃ。
サクラ
Aさんは基本的なADLは保たれていますから、やはりⅡbが妥当ですね。
博士
判定基準は要介護認定や介護計画の資料にも使われるから、全ランクを整理しておくとよいぞ。
POINT
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、Ⅰから始まりⅡa、Ⅱb、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ、Mまでの7段階で設定されています。Ⅱは見守りがあれば自立可能、Ⅲは介護を要する、Ⅳはほぼ常時介護を要する、Mは専門医療を必要とするという大きな構造を押さえましょう。Ⅱ段階の内部では家庭外か家庭内か、Ⅲ段階では日中か夜間かで小分類が決まります。Aさんの服薬忘れや電話応対の困難は家庭内の支障であり、ランクⅡbが該当します。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:Aさん( 87歳、男性 )。3年前にAlzheimer< アルツハイマー >型認知症( dementia of Alzheimer type )と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 Aさんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。
解説:正解は2です。服薬管理ができない、電話の応対ができないといった家庭内での生活支障が見られるのはランクⅡbに該当します。家庭外での支障が中心のⅡaとの違いを押さえることが判定の鍵です。
選択肢考察
-
× 1. ランクⅡa
ランクⅡaは家庭外でのみ支障が見られる段階で、道に迷う、買い物や金銭管理でミスが目立つなどが例です。Aさんは家庭内での服薬や電話応対に支障が出ているため一段階上のⅡbに該当します。
-
○ 2. ランクⅡb
ランクⅡbは家庭内でも日常生活に支障を来す症状が見られる段階で、服薬管理ができない、電話や訪問者への応対が一人ではできないなどが典型例です。Aさんの状態はこの記述とぴったり合致します。
-
× 3. ランクⅢa
ランクⅢaは着替えや食事、排泄が一人ではできない、徘徊や失禁などが日中を中心に見られ介護を要する状態です。Aさんは基本的ADLには大きな支障がなく、判定基準は異なります。
-
× 4. ランクⅢb
ランクⅢbはⅢaの症状が夜間を中心に見られる段階であり、夜間の介護負担が大きい状態です。Aさんの描写には該当しません。
-
× 5. ランクM
ランクMはせん妄や妄想、興奮、自傷・他害などの精神症状や行動が継続し専門医療を必要とする段階です。Aさんには該当する記載がありません。
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はⅠ、Ⅱa、Ⅱb、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ、Mの7段階で、介護保険の要介護認定資料にも活用されます。Ⅱは見守りがあれば自立可能、Ⅲは介護を要する、Ⅳはほぼ常時介護を要する、Mは専門医療を要するという大きな流れを覚えておきましょう。家庭内か家庭外か、日中か夜間かという違いで小分類が決まる点がポイントです。
家庭内でも日常生活に支障が見られる段階はⅡb、家庭外のみならⅡaと区別して覚えるのが要点です。
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